今日も漂いクラゲになって

疲れ果ててもおれは歩く

いにしえにこだわるきみ

変わりゆく言葉は生き物

出せないきみはなにしてる
わずかな時間の中で
何度も
何度も訪れ、もう
その存在を信じることも
できなくなった情景
静かだった場所はそうでなくなり
またすぐに静かな場所に戻

誰かがいたことに
気づくの ....
いつだか忘れるくらい昔のことだ
うたたねをしていたやかんは飛び上がった
お尻に大火傷を負い落っこちた
あららお水を入れ忘れた
それにしても駄目なやかんねえ
優しいおばちゃんは呟いた
無茶苦 ....
「暑いよ、暑いよぅ」

振り向けば
声の主はキャベツらしかった
東八通りでおれは
扉が透けた
コインロッカーのようなものに
入れられたキャベツに
助けを求められていた
これが新型 良 ....
KISSのことAって呼んでいる人の頭上に浮かぶ藤子不二雄A  
 
理由のいらない椅子が並ぶ
未明に墜落した紙飛行機の残骸と
食べかけのルーマニア菓子
砂浜の砂の数は
既に数え尽くしてしまった
栞の代わりに挟んだ魚が
静かに発酵して
すべての ....
人間としての純粋さは
美しすぎる少年のように夭折した
私はそれを補うものとして
社会という書物を解読する意欲に満ちて
純粋なサラリーマンになった
だが純粋なサラリーマンはあっけな ....
煎餅の臭いとディーゼルカーの音 男と女がイビキで話す


背比べ ギャラリーいてもいなくても 靴は厚底 踵は浮かす


「セミの今年最初の声を記録せよ」 無理難題を気まぐれに課す
 ....
人生の沸騰する地点に足を踏み込むと
風景は次々と変転する映像となり
社会の新しい通路がどんどん扉を開き始める
人生は貪欲な海のように
人から物から制度から巻き込んでいき
至る所が ....
酔い酔いて塩なめる

塩なめて初めの味を知る

浜に出で潮の匂いただよう

岩塩をこつりと噛む苦さ

身体を走る潮の匂い
雨粒が小さな花を咲かせては
微かな匂いとともに散っていく
この瞬時の花々は
大地のてのひらに握られ
次々と貴重な命を失っていく
これは供犠であろう
あるいは祭儀であろう
今日 ....
生まれてくることを
たくさんの罪行を
積み重ねていくことを
風の広がりそのものである
行政官にゆるされたときから
私も同じ分だけ他人の罪行を
ゆるすよう定められていた
私は未 ....
〝おれは頭はいいが狩りは苦手なんだ〟
ジェンマは呟いた
〝誰にだって得手不得手があるってもんさ〟

同じ年に生まれた若い狐たちからは
「下手くそジャンマ」
「まだ一度もうさぎを捕まえたこと ....
世界中の海から集められた
追いきれない広さと迫りきれない深さ
あるいは群れをなす魚の一匹が発した
どこまでも届く一瞬の輝き
そういうものが
個人のはるか遠くまで開け放たれた
借 ....
人類みな兄弟
だから結婚できないの
重たくてでこぼこだらけの
大きな石を呑み込んだ
トラウマは
呑み込んでしまえ
噛み砕いてしまえ
胃腸の中できれいに消化されて
跡形もなく消え去ればいい

確かに私は被害者で ....
そんな気持ちになったので
センベロしてみた
千円でベロベロになるほど飲ませてくれる店が下町にあるらしい

「たきおかとカドクラ、ハシゴするけど来る?」
とツレに聞いたら
空腹を我慢でき ....
 
夏が透ける雨の隙間

渇いた紫陽花が

雨を、乞う



 
こんなに晴れているのに
こんなに暖かい朝なのに
激しく雪が降っている様子がはっきりと幻視される
今日は真冬

すべてのものは明らかに死んでいる
ただ物質が動いているだけなのに
 ....
六月某日、高知市内某所…

ホロウ・シカエルボクはすでに席についていた。約束の時間を少し過ぎてやってくる烏合路上。








烏合「やあ。」ホロ ....
人のいないオフィスで
ただ一人沢山の暗号を受け取っている
私は組織からはぐれたかのように一人働いているが
その実は組織をつなぐ要となるために
組織により深く入り込んで一人になったの ....
元カレのTシャツで牛乳拭いている ブスだって美人局かもしれないなやけに激しい風が吹いてる 鳥の羽ばたく音が聞こえる。部屋の中で。その鳥はとても大きく、翼を広げた影には戦闘機の機影のような威圧感さえ感じさせる。空気を鉄の塊にして叩きつけるような、猛烈な羽ばたき .... 家を背負っているのではない
としても
先祖代々の戒名が殻に閉じ込められ
捨てることなど出来無い重み

ああ
家を捨てたナメクジよ
お前は…
 疋田龍乃介の作品を読んでいると、使われている単語の意味が攻撃的だったり、構文が逸脱的だったりして、漠然と「暴力的である」と感じる。ところで、疋田の詩の暴力性とは実際どのようなものだろうか。それは意味 ....  
傘もかわかない間に

また 雨がふる

あなたの瞳に 雨がふる




 
日本の憲法に
戦争の放棄と戦力の不保持を
盛り込んだのはアメリカだ
二度と戦争をできない憲法にすれば
永久に占領することができるからと
なのに戦争放棄は世界遺産だと
アメリカに合掌する日本 ....
裏切りは
地の果てへといずれ続く
人のいない棺
花々でいっぱいだけれど
人間が不在である
次々とメロディーを殺戮していく
華やかな波動

私は人を裏切ったことが
愛する人 ....
 
ブローチ

妻が声をかける
隣室から
お出かけの
ブローチを見てくれと言う
あれこれ五つばかり

結局、黒髪に合う
黒みががったのにした
素朴という言葉がある
辞書にはス ....
アラガイsさんのおすすめリスト(6671)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
孤毒- レタス俳句215-6-26
明るいところはどこにでもある- noman自由詩215-6-26
やかんとおばちゃん- 宣井龍人自由詩11*15-6-26
良心- もり自由詩2*15-6-26
KISSのことAって呼んでいる人の頭上に浮かぶ藤子不二雄A- 北大路京 ...短歌715-6-26
理由- たもつ自由詩1615-6-25
かなしみ- 葉leaf自由詩515-6-25
セで始まってスで終わる- 深水遊脚短歌2*15-6-24
- 葉leaf自由詩115-6-23
海より- レタス俳句1*15-6-23
雨粒- 葉leaf自由詩415-6-21
ゆるし- 葉leaf自由詩315-6-18
『聖母ジェンマ』__卵から始まるはな詩②- ただのみ ...自由詩22*15-6-17
絶望- 葉leaf自由詩415-6-17
できない- リィ自由詩4*15-6-17
克己の朝- 葉leaf自由詩115-6-16
センベロ- 鵜飼千代 ...自由詩22+*15-6-15
乞う- 殿上 童自由詩16*15-6-15
外傷の朝- 葉leaf自由詩215-6-14
片付けたっておもちゃ箱の中はグチャグチャ_―_ホロウ・シカエ ...- ホロウ・ ...散文(批評 ...1*15-6-12
人のいないオフィス- 葉leaf自由詩315-6-10
元カレのTシャツで牛乳拭いている- 北大路京 ...自由詩1115-6-9
ブスだって美人局かもしれないなやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌215-6-9
巨大な羽ばたきのビート- ホロウ・ ...自由詩2*15-6-8
カタツムリ- イナエ自由詩18*15-6-8
疋田龍乃介詩集『歯車VS丙午』について- 葉leaf散文(批評 ...215-6-8
雨模様- 殿上 童自由詩14*15-6-8
アメリカ合掌国- イオン自由詩2*15-6-6
裏切り- 葉leaf自由詩315-6-6
_ブローチ- 生田 稔自由詩615-6-4

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