誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が ....
桃の実の、そのなめらかな白い{ルビ果皮=はだ}は
――{ルビ赤児=あかご}の{ルビ頬辺=ほつぺた}さながら、すべすべした肌触り、

桃の実の、その果面の毛羽立ちは
――{ルビ嬰児=みどりご ....
半年ぶりにOさんに会った
50歳の彼女だが相変わらずかわいい声である
癒し声である
若い頃は顔に興味があったが
この頃は声に興味がある
かわいい声 やさしい声 トゲのある声 暗い声 
明る ....
小さな青虫が
葉っぱを虫食いにして
生きてゆくみたいに、

夢を壊して、
優しさを捨てた男と
胸のはだけたドレスの女

ふたりはいつか
美しい蝶になって
この街を、
飛び去りたか ....
 「苦役列車」は映画と文庫本で。「やまいだれの歌」は文庫本で。それぞれ読み、鑑賞した。
 西村賢太(以下西村氏)の略歴は中学校卒業であり、ずっと日雇い人夫などをし生計を立てていたようである。小説を読 ....
○「スマホを置いて」
お天気のよい日は
スマホを置いて散歩に出かけよう
すみきった青空のもと田んぼ道を歩けば
浮き世の憂さも消えてしまう

○「自民党改革」
決めたことをやらないだけだよ ....
川べりの道を歩きながら
ここにいることを確かめる
ここを僕は歩いているということを
そして車の音だけがしている


川べりの道を歩きながら
魚の跳ねる音がすると 僕は すぐに 
そこを ....
右に左に揺れる洗濯機が嬉しそうで
何が嬉しいの?と聞いたら
右に左に洗濯物が
逃げ惑うのが綺麗なの
と答えた

 水の音は気にならない?
 少し気になる
 踊っているのかもしれない ....
焼き場で
まだ熱い骨を拾いながら
生きててえらかった
と言う
レエスの縁のハンカチが
小さなポケットからはみ出して

花に埋もれたあなたは
びっくりするほど小さい

いつ終わるのか ....
僅かな振動、それは肉体の中で生まれていた、リズムが求められ、理由は求められなかった、進展が求められ、完成は求められなかった、渇望は凶暴だったが、今夜はそのまま表現されることは望まれなかった、暴風の .... 1584年の天正遣欧使節の後、
反カトリック勢力である
ネーデルラント北部7州の独立後、
オランダ東インド会社の設立と
アムステルダム銀行の設立を見たうえで
伊達政宗は支倉常長に命じて
ス ....
○「価値観の見直し」
「文明主義」
「自由主義」
「民主主義」
根幹がゆらいでいる
新しい価値観が必要とされている気がしてならない

○「ヒューマンエラー」
僕の田舎では
「言った! ....
幼いとき
旧電車通り と大人たちが呼ぶ
ながい一本道を渡り
手習いを教わった

空も海もしらない
蛍光灯の平板な光がまぶしい

美しくも醜くもない
手本を右に
半紙をよごしてばかり ....
 あれは五年前、ぼくがまだ大学院の二年生のときのことでした。実験室で、クロレート電解のサンプリングをしていたときのことでした。共同実験者と二人で、三十時間の追跡実験をしておりました。途中一度でも .... 大地が揺れ
津波が押し寄せた
家屋が押し潰され
多くの住民が下敷きになった
山が崩れ
道路が壊れた
言葉を失う震災冬景色
そして冷たい大雪が追い討ちをかける

食べ物がない
水がな ....
狂犬の吠える午後五時半
廃れし遊郭になを{ルビ芳=かほ}る脂粉の色香にときめき
まなこ据えたる見習い板前のわれは
五条楽園の水駅を{ルビ彷徨=さまよ}へぬ
鴎外が夢想せし{ルビ細流=せせらぎ} ....
 畔のみちを濡れながら
 駈けて行く少年が
 不意に 透明になってしまった

 もう同じ姿では帰ってくるまい

 寂しさが静かに
 胸を浸してゆく時がある
 貴方と再び相逢う日のない事 ....
○「バースデー登山」
昨日は僕の誕生日だったので
友人と山に登った
よくこの年まで無事に生きてきたな
と感謝しながら
素晴らしい眺めと池田湖の菜の花に元気をもらった

○「老害」
年を ....
夢のなかに
大好きだったおじいちゃんがいる
しずかにわたしを見つめている
なにかを言いたくて
なにも言えず
冬は皮膚がかたくなる

さみしさを大切に抱きしめて丸くなる
さむいよ
また ....
永遠と続くような
耳鳴りの海と
目に入るのを遺棄する光線
何も見えない私が
愛になる訳がなく
一時、一時、一年
夢とする
どこを彷徨っているのかしら
暗雲であるということ
誇れないそ ....
絶対届かない詩がある
死者への詩だ
私はまだ生きている
そんなにじろじろ見ないでくれ
独り言は遠い
秋過ぎて
名残の風は
漂泊の
想いで刻む
たむけ花

{ルビ荼毘=だび}に付したる
{ルビ骸=むくろ}には
五色に浮かぶ
{ルビ懸想文=けそうぶみ}

てのひらほどく
文様も
 ....
古書店に入ると
老夫婦が内田百閒の日記について
話を交わしていた

百閒先生は
なして小倉については何も
書いちょらんのかねえ と

うねる波の発音に
懐かしい歌謡を聞き分けた

 ....
新興宗教の教祖のような声
疑ってはいけません
わたしたちは目がつぶれたセミのようにらせん状に
舞い上っていく
むろん数字だけの高みから堕ちるために

夜は男娼で
朝日とともに西から吹く風 ....
ズズズズズズドンッと
とつぜん、学校が
手足をのばして
立ち上がる

で、ドドドドドッスン
ドスンと、しこを踏むと
走り出した

窓から、扉から
子供たちがこぼ ....
僕は買い物は一分でも早くすませたい性格だ
だから
「あんたこれ賞味期限見て買ってきたあ?」
とか
「これまだうちにいっぱいあったのに!」
とかワイフにいわれることしょっちゅうである
また値 ....
登場人物  夫──壮年のサラリーマン。
      妻──夫より三歳下。専業主婦。
      娘──短大出たてのOL。

舞台    東京都世田谷区の一戸建て住宅。


(平成二年、八 ....
 もやぐ朝 

夜が朽ちて
朝が生まれる
霧に覆われた街は
港へと変わる
赤い太陽は
無音の出港の合図

けれど想い出は
いつでも切ない
胸に
錨をおろしたまま


 さ ....
若い頃は
「○かⅩ」の思考であったが
近頃は「△」が増えてきた

老いるということは
△とともに生きていくということかもしれない
ともに歩いている砂浜、
こちらをむいて、
つよい波風にすこしウェーブがかかる、
花のように、首を、傾ぐ、
ながい黒髪の、まるでオニキスのようにまるい、
とてもおおきな瞳、
しろいレース柄の ....
アラガイsさんのおすすめリスト(6671)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
対岸まで- そらの珊 ...自由詩12*24-1-22
桃。- 田中宏輔自由詩11*24-1-22
- ホカチャ ...自由詩3*24-1-20
虫ケラの刹那- atsuchan69自由詩11*24-1-19
作家_西村賢太- 山人散文(批評 ...5*24-1-18
独り言1.18- ホカチャ ...自由詩3*24-1-18
夜の散歩道- 番田 自由詩224-1-18
揺れながら- 妻咲邦香自由詩4*24-1-18
熱い箸- 凍湖(と ...自由詩624-1-17
密度流- ホロウ・ ...自由詩3*24-1-17
シン・VIVANT- atsuchan69自由詩10*24-1-16
独り言1.16- ホカチャ ...自由詩3*24-1-16
手習い- 形代 律自由詩6*24-1-15
火だるまパンツ事件。- 田中宏輔自由詩9*24-1-15
能登半島震災冬景色- ホカチャ ...自由詩1*24-1-14
_わが童貞時代に犯したるあやまち- 室町自由詩224-1-14
冬の日- リリー自由詩8*24-1-14
独り言1.14- ホカチャ ...自由詩3*24-1-14
夕方の夢- 凍湖(と ...自由詩324-1-13
霧中- 日々野い ...自由詩7*24-1-13
独り言- 空丸自由詩1024-1-13
別離_【改訂】- レタス自由詩7*24-1-12
歌謡- 形代 律自由詩4+24-1-11
_アサヒ記者- 室町自由詩4*24-1-9
走る!_- 田中宏輔自由詩14*24-1-8
買い物- ホカチャ ...自由詩2*24-1-5
燃える!- 田中宏輔自由詩11*24-1-1
この世に錨をおろしたまま- そらの珊 ...自由詩16*23-12-29
老いの思考- ホカチャ ...自由詩3*23-12-29
にじゅうごびょう- 本田憲嵩自由詩1123-12-28

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