夜が運ばれてくる場所
オダカズヒコ




弁解の余地なく
悪徳の日々だ
どこへも出かけない日
動物のように食べ
3キロ太った
人生の入り江に
打ちひしがれた椰子の木の流木が
浜辺に突き刺さっている

幸福を憎悪する一匹の動物でしかないのだ俺は
趣味ってほどじゃないが
憤慨するほどでもない
この土地や町に対しての感情が
無能を毟り
つかみ取っている
病人が病院へ行くように
誰もかれもが目的を達し
美しい
馬鹿だ
人生は倦怠の表情を美しくみせたりはしない
誰もかれもが
追撃され
地獄を追っ払い
時に足元にひれ伏す
太陽の影となったものを
ただ見つめるために

誰もが人生と差し向かいにあった日
君の口実は何だい?
きっと捩れるほどの後悔に
君の体は悟りに達するだろう
娼婦とブッタは同じ希望を持ちながら
疲労のバルブをひねるのさ
遊びじゃない
無関心でもない
ゆっくりと森に頭を突っ込む風のように
夜は果てしの無い情熱に
運ばれてゆくだろう


自由詩 夜が運ばれてくる場所 Copyright オダカズヒコ 2015-10-19 22:40:08
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