すべてのおすすめ
船着場でピアノを弾く
白い鍵盤しか習ったことがないので
黒い鍵盤に触れないように
注意深く弾いてみる
低い生垣の向こうから
病院の人がこちらを見ている
目が合い会釈をしたけれど
何も返す ....
君が運んできた卵料理を食べながら
僕のそばに腰かけた君の瞳に見入る
夜の闇に車の音が消えてゆくなかで
なぜだか君の表情が変わっていくのがわかった
僕が卵料理をナイフで切り開いてゆくように
君 ....
おもてはどこですか

みぎは 
ひだりは
うらがわは


問いかけるほど
しずかになるから
物言わずには 
いられない

すぐにも 
あしたは来るけれど
ちいさな点 ....
四角に切り取られた思い出
瞬間は永遠

時は留まる事を知らずに
永遠は色褪せたとしても

あの頃よりも素敵な笑顔で
どうかな?
きっと笑えてるよね

いつかどこかで
また ....
もはや自分で立っていることができない 
もたれあいの波
惰性と汗と酒臭い息にまみれた
終電から開放されて
深夜の自転車置き場にたどり着いた

鉄道の高架下に広がる広大な空間
明け方ま ....
 森の中の小さな家で僕は詩を書いて暮らしている
 昼間は材木会社で働いていて 僕の住んでいる森の遠い場所で伐採をしている
 暗闇が好きで蝋燭の炎だけを灯してパソコンに向かって詩を書いている
 僕 ....
もう騒ぐな
骨が軋む
あんまり騒ぐと
骨が揺れる
白い粉

骨の灰
僕らの末路
世界の欲望
騒ぎすぎ
ザワザワと
だから属するのさ
肉を獲るため
希望のふりして
絶望に向 ....
にこごりにりにり
にこごりにりにり
にこごりにりにり
包丁にりにり

にこごりにりにり
にこごりにりにり
前歯ににりにり
歯茎ににりにり

おいしいね
にこごりにりにり
生 ....
いったいここで私は何をしているんだろう

少し背伸びしてみては
押しつぶされて
流されて
そうしていつの間にか消えて
こんな思いをしてまで詰め込みたいものなど
この私にあるもんか
ここ ....
さよなら、あなた

夏服をありがとう


けちで、やさしい、太めのあなた

眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね

忘れ物をしてごめんなさいね


あなたの部屋から ....
あの村にはろくでなしだ
地底深くに妖怪の存在を隠した
穴だらけで前が見えないムジナの巣窟を進むと

回転寿司のおかげ様 回転の好きな神様
こんな歌が聞こえてくる
歌につられてふらふら行く
 ....
ボリュームに書き込み出来ません

それは眠る事さえ制限した作業が
淡々と始まる予兆に過ぎなかった

バックアップと復元と言う単純な作業を
待ち受ける時間にどれだけ時代が動いたのか
例えば ....
万里の長城の城壁を全て絵で埋める計画がある
という嘘を
昔、画家志望の少女に吹き込んだ

少女は膨大な時間を費やし
ありとあらゆる美術技法を身につけて
そんな嘘などすっかり忘れていた僕 ....
ほら ごらん
腕を組んで 笑ってる


虫が
木々が
人や
鳥が
一つの星の上で 暮らしてる



人生は "いつも一緒"じゃなくって
どんな時も 
 ....
夜の海は感情を押し殺し
皮肉を投げかける
それを皮肉と気づかない
ゆるされたような
気持ちにさえなっている
やさしさと取り違えて
心を開け放した恋人たちは
無防備に抱き合う
今は何も知 ....
( 錆びた鉄筋を剥き出しにした、
 崩れかけた支柱が夕映えの空へと伸びる )

すでに蝕まれたコンクリートの構造物に滲みる、声

 絶間ない、呪いにも似たその響き )))
 おそらく、何ら ....
ささやかな我が家は
海風を松林がさえぎる
小さなキャンプ場に
僕と君の子供の手で建てた

細引きはしっかり引っ張ってとか
ペグは斜めに打ち込んでとか
入り口の向きの決め方とか
寝心地の ....
  あなたのまえでわ あたしはうさぎ

  どんなちいさなひとことだって

  このミミにびんかんにひびいてしまうから

  きずついたり しあわせだったり

  おちこんだり ....
ヨレヨレながら
ここまで歩いてきた

そりゃ呑んだくれて
暴れる日も愚痴りつくす日もあったが

それなりに足場を固めつつ
ここまで来たのだと思っていたけれど

今となっては
足元は ....
毒が溢れ出していた、
   動脈を流れるように
鼓動を鳴らしながら、
   溢れていた
それはとても黒い色をしている筈だ
そうでなければモノクロの世界だ
(僕には関係ない)


そう ....
滴る血潮からは
羽を持つ馬と


赤い花が生まれた


『母の日のメデューサ』



母にとって
父の面影を落とす私は
恐怖の塊でした

父が何をしたのか
母がどんな目 ....
 支離滅裂な時代
 人の足跡が残っていない場所などない
 ありきたりな人生を
 嘆いたりふざけたり
 ふいに気付くあなたのやさしさ

 大それた夢は見ないことにした
 夕闇に浮かぶ月 ....
 
微生物くらいまで
小さくなれば、
君の一粒の涙も
大きくなるだろうか。
 
砂浜で寝そべる、
波の一つ一つに違いはない。
微生物になれば
波に成れるだろうか。
 
 
その ....
がんばろう
苦しんでいるのは
自分一人だけじゃないんだ
苦しいと言っているだけじゃ
一つも解決しないんだ
何かしなくちゃ
何も始まらないんだ

がんばろう
辛いと言いたいのは
自分 ....
服買いに行ったつもりが ウクレレ買っちゃった

なんて 君は照れ笑いしながら

買ってきたウクレレ ポロンと鳴らす

知らなかったよ 君がウクレレ弾けるなんて

ポロン ポロン ポロロ ....
プレハブの 
休憩室の入り口に 
日中の仕事で汚れた作業着が 
洗ってハンガーにかけてある 

ドアの上から照らす電球の 
茶色いひかりにそめられて 
干されたまま 
夜風にゆられる作 ....
ある日の{ルビ些細=ささい}な出来事で 
仲良しだった 
AさんはBさんの陰口を 
BさんはAさんの陰口を 
別々にぼくの耳は聞いていた 

夕暮れの 
空気のはりつめた部屋に 
Aさ ....
全てを

全てを白紙に出来たなら

頭痛の晴れない日中を
捨て去り忘れて眠れるのにね


目が合って

すぐに逸らして何事も
無かったように振る舞えば

報わぬ恋は夢物語


簡単に拭えない

築いた ....
過ぎ去りし
思い出を
風が運ぶ
急ぎ足の
春を乗せて
‐  
斜影に射した
春の日差しが
匂い立つ華の香りを
引き立てる
‐  
田の畦に咲く
タンポポの
黄色に
命輝 ....
戦争を終わらせていく
疲れた瞼を押してでも洗った
展望を転がしてでも
果たさなければならないことを
鼓動で作り上げた

不意に浅く刺さってくるものと対峙する
埃を拾い集めている
子供た ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
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