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風景がちがう

あなたがいないだけなのに

ただ、いないだけなのに



 
ピアノ協奏曲第2番が流れていた
雲の切れ間から射し込む くぐもった冬の陽は
積み上げる書物の埃を 頼りなげに
浮かび上がらせて ストオブの気流に乗せた


この部屋に 何年いたのかな? ....
ここは雪の降る街
雪の積もる街
体の芯から冷える街

僕の街と雪の降る街の境界線
そこから一つ足を踏み出して
爪先から
すうっと
凍ってゆく

あの子も駆けている
この人 ....
もったいない と

みっともない が

朝から口論している

板挟みのわたし

ポカンとしたくつ下



    《時間がないのに:2015年1月10日》
拙くてもぼくは「君との失踪」を書いて、それが
じぶんを覗いた初めての瞬間

いつとはなしに、その詩が消えてからは
じぶんの覗き方も変わってしまった
(水のように流れて、もはや字面には戻れなか ....
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている

もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
田舎からダンボールで送られてきた
白菜、大根、里芋に 手紙
走り書きで 手入れが行き届かなかった、という
詫び状が 一通

私が手伝っていた畑 耕していた土地を離れて
間もない冬 ....
川を越え海を越えた向こう岸へなど
渡ることは考えもしないけれど
対岸に上がった火の手を見付けて
騒いでいる  
  ディスプレイの中で
  銃を構えてうろつく男を眺め
  騒いでいる
 ....
紫煙を燻らす人が美しいのは


呑み込んだ

言葉にできない想いや

ぐっとこらえた言葉を


煙まじりに

昇華させて 

弔って


その煙は

 ....
流れたはずの星が戻ってくるの

あのほうき星
スイングターンをして戻ってくるの

ながれた命の象徴
同じ空を見上げて同じ星を指さし
あれはお父さんだよお母さんだよ
お兄ちゃんだよ一番小 ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
馬鹿でっかい鰤のアラと
ぶあつい銀杏切り大根の入った
湯気のたつ味噌汁を啜って
海苔と胡麻塩の握り飯を食う
 
 あー、うめぇなあ

海鳴りの音を風がさらう
子どもたちはまだ眠っていて ....
満たされない心でわたしが死ぬ日
糸の切れたマリオネットみたいに
小さな舞台に沈むとき
スポットは落とされ
たった数行のエンドロール
短い悲哀の微かな拍手が
最後の疎らなひとつの合掌が
過 ....
   迷刀スパイ

ぼくが国民学校に通っていたころ
鉛筆削りや竹細工には
折りたたみナイフ「肥後守」を使っていた
喧嘩のときも肥後守をちらつかせれば相手はひるんだ

その頃
日本では本 ....
おやすみとさようならが相槌を打つ
今日あったことは内緒にしよう
玉手箱にしまっておいて
一年後おはようとこんにちはに開けてもらおう


おはようとこんにちはがその計画を
未明のうちに知り ....




□愛している
□i see tail
□尾を参照してください
□オオサンショウウオしてください



◆i see tail
◆尾を参照してください
◆ ....
ふんわり膨らんで
適度な蓄熱の布団
気分よく寝過ごし
急いで冷たく硬い空気のなかへ
緩んだ身体を放り出し
冷えた下着に包み込んで始まった朝

雨戸を開けると
微かな野焼きの臭いが漂って ....
風の止んだ朝 林は広くなって
生まれたばかりの顔をした 陽ざしが
汚れ果てた落葉を 白いレエスで隠す
あなたが霜柱を踏む 乾いた音


リズムは不規則で 頼りなく
不自由な足が もど ....
明けましておめでとうございます。
僕の書斎兼
食卓兼
呑み場所の
宇宙の中心に猫好きなくにちゃんのミニカレンダーをすとんと置いてあるので
ことしは猫年になりそうです。

除夜の鐘をききな ....
新しい気持ちが足跡をつけて行った

年が明けてこの慶びを

刹那をまた覚える 覚えたよと対話する

生かされながらを暁に乗せ 意志は控えめに変わらない良さを運んで行く

新しい気持ちに ....
頭の少し上、左の方に、誰かのわらう顔が見えておりましたが、
私は幸福にも柿を持っておりました。
柿を持っておりますと、クーという犬が側にやってくるのです。
何年か前死んだ、少しみえっぱりの犬 ....
 
凍えて帰れば、ぜんざい

ふー、ふー、熱いぜんざい

言葉はいらない{ルビ夫婦=めおと}ぜんざい



 
箱に投げ入れられた。
白銅と青銅とに当たったから、鈍い音を立ててしまった。

不時着。箱の向こうに。
お神楽の鈴祓いが聞こえる。

人混みで到底、届いたものではなかった。
僕のランクだと ....
情報過多
あたまの酸化
孤立の幻想
情緒貧血

空白療法
バカバカしいもの
クダラナイもの
埋めはしないもの

表皮つきあい
あいのて会話
たがいちがいに
お気に召すまま
 ....
この僕が
宇宙に放り出されないのは
地球にへばりついていられるのは
何か
ここで
やるべきことが
やってほしいと思われていることが
あるからだろう
きっと
みかんを剥いてスジを取りながら、
動物に食べられるために存在しているような不思議な
みかんの実を食べる。

みかんを剥いてスジを取りながら、
果物の好きな母が夏みかんを剥いているのを見ている ....
半導体に埋め尽くされた街角は、
青白く発光する。

イルミネーションの木立ち。

凍てついた夜空を飾る、
あの星たちが青いのもLEDなのか。

光の速さは毎秒三〇万キロ。
一秒で地球 ....
昼間スタバで優と逢った

いや彼と友人の座る席の前を通りかかった が正しい

それまで もちろん何もなかった

中学の先輩


私は注文したサンドイッチを半分以上残していた

優 ....
きみが奥さんを残して
年の瀬も押し迫った雪の日に
ひとり先に逝ってしまったと
知ったのは娘さんからのメール

一昨年の夏 
共通の友の斎場で会ったときには
「お互いいい年だから葬儀には来 ....
子どもの頃
お天道様は何時もぼくの行為を
見張っていた

そして
お天道様は意地悪だった
自転車の二人乗りをしていると
石ころを置いて ハンドルを揺らし
転倒させるのだ
倒れながらち ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ちがうの- 殿上 童自由詩21*15-1-12
去る人- 藤原絵理 ...自由詩615-1-11
雪の降る街- 瑞海自由詩3*15-1-10
時間がないのに- ただのみ ...自由詩20*15-1-10
失くした詩への覚書- 乾 加津 ...自由詩9*15-1-9
- Lucy自由詩21*15-1-9
腐る野菜- 為平 澪自由詩915-1-9
対岸にいて- イナエ自由詩10*15-1-9
タバコ- とよよん自由詩8*15-1-8
彗星スイング・バイ- 這 いず ...自由詩215-1-8
おかえりなさい- そらの珊 ...自由詩23*15-1-8
漁師だぜ、とりあえず今日も_☆- atsuchan69自由詩18*15-1-8
一編のクラウン- ただのみ ...自由詩17*15-1-7
言葉の切れ味2_迷刀たち- イナエ自由詩14*15-1-7
『本日に幕間はなく』(四行連詩)- 乱太郎自由詩12*15-1-7
ているすーぷ_(□こひもともひこ◆とよよんさん◇森朱鞠さん■ ...- こひもと ...自由詩18*15-1-7
打ち直した布団と雨- イナエ自由詩5*15-1-6
老いた冬に- 藤原絵理 ...自由詩715-1-5
明けまして猫年ですが?- 梅昆布茶自由詩13*15-1-5
暁の挨拶- 朝焼彩茜 ...自由詩7*15-1-5
クーの正月- ふわふわ自由詩7*15-1-5
ぜんざい- 殿上 童自由詩19*15-1-4
ご縁玉- とよよん自由詩5*15-1-3
儚くて幸せ- ただのみ ...自由詩14*15-1-3
引力- 金子茶琳自由詩1115-1-2
みかん- こひもと ...自由詩11*15-1-2
冬の半導体- たま自由詩22*15-1-2
さそりろまんす______(群青)1月課題_「星」_に寄せて- 芦沢 恵自由詩18*15-1-2
慌て者- イナエ自由詩10*15-1-1
神の誕生1お天道様- イナエ自由詩5*15-1-1

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