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八角形の小箱は
ブルーウォーターで満ちていて
覗き込めば
ぶちの鞠が回転している

それは
滑らかな哺乳類の群れだ
あるいは
みるく色の
貝類の
ひとかたまりに
溶けて


 ....
 叫びとは
 少女のためにあり
 それを聞くのは
 いつもきまって鳥だった

 少年は歩いている、夕暮れの帰り道
 見慣れた町並みにサヨナラをして
 彼は彼だけの家に帰っていくのだ
  ....
ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい


水が均衡する
まずめどき


幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ


しのびよる色が
 ....
泣きたくなるくらい、きみのことが好きなんだ


そう言うと貴方は本当に涙をぽろりと零した
それはきらきらと輝きながら貴方の頬を伝って
静かに私のおでこに落ちた

そんな貴方に抱き締められ ....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
 春子はミントの葉を散らし
 踏みしめている 半睡眠で

如月 彼女の足の裏は
いつも薄緑に染まり
徐々に褪せていく
まるで季節を旅しているようだと
裸足のかかとをくぅと縮め
まど ....
なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
この花は綺麗に咲いているのに
葉は傷ついている

なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
あの空はとても青いのに
空気は汚れている
 ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた

如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
あの人が縁側で
たばこを吸っていた。
たばこって美味しい?
と、私は聞いた。
うーん。
その人はうなって、
「美味しい」ってわけじゃ、
ないんだけどな。
と言った。
癖になってるよね ....
手から零れ落ちる愛情と呼ばれるものは
飽くことなく吸い取られてゆく
出会った頃より終焉を予期し夜な夜な涙する
弱さを強さにかえる儀式はいつしか止まり
心に積もる穏やかな火は私を包み囁く

 ....
             20007/02/15
白い雑巾縫い始めたのが
掃除の始まりで
真っ黒に汚れた足の裏
ぞうきんがけを覚えたのが
小学校の廊下
電車道のようにまっすぐに
競争して ....
どうも!
かくれんぼで鬼になったのはいいが。
百数えている間にみんなに家に帰られた事のある。
そんな日の夕焼けが目に沁みて仕方なかった僕がここにいます。


どうも!
当たりつきのアイス ....
どうしようもないくらいに
あなたが好きなのに
上手く言葉にならないの

想うだけじゃ伝わらないって
よく分かってるんだけどね

積み重ねた想いの数だけ
臆病になっちゃう

 ....
 世界中では雨が降っている
 誰も天気予報を必要としない
 毎日人々は傘を持って外出している
 飛行機なんてない世界だから誰も雲の上に出たことがない
 雲の上には神様の国が存在していると信じら ....
初めて本気で凹んだ君を見た
僕の手を握って言ったね

泣きたいのに泣けない

泣いてばかりの僕にはあり得ないド忘れ
涙は悪いモノを出してくれるんだって
何かで読んだよ
いま君の中には悪 ....
その時
あなたと私をつないでいた糸は
切れてしまいましたか
あなたは見失ってしまいましたか
もしかしたら
まぼろしだったのでしょうか
あなたと私をつなぐ糸は
そんなにも細かったのでしょう ....
        Happy St. Valentine's Day.



        がんばれ! 日本中のおんなのこ!!



        おんなのこは、
  ....
ああごめんなさい
あたくしといたしましたことが
ひどくうろこむしてしまい
大変お見苦しゅうございましょう

うなじのあたりから
せなかまでがもう
ひどくうろこむしてしまい
はがしても、 ....
ほら
雪の下が動いてる
小さな命が伸びてくる
一つ一つはわずかだけど
同時に少しずつ
湧いてくる

ほら
風が小枝を揺らしてる
小さな枝を揺らしてる
その先の方はつぼみが膨らんでる ....
図書館の中に
戦場はひっそりと息をひそめていた
爆音も叫びも飛行機のエンジン音やプロペラ音も
溜息も束の間の笑顔も
音のない写真に詰め込まれていて
それらは見る者の脳に聞こえてくる ....
ねえ覚えている?
初めてあなたと出会ったのは
裏通りにあった小さなヘアサロン
あなたはまだぎこちなくて
遠慮がちな手つきに
硬く閉ざしたこころの奥で
何かが弾ける音がした
(誰かを好きに ....
目を閉じると
浮かぶ君の笑顔に僕は
必死で硫酸をぶっ掛けている

「会いたいよ」
かなうことのない願いは
今頃カリブ海を彷徨っているだろう

(君を忘れられない)

恋を失った後に ....
ありがとう

もう、だいじょうぶ


夢の中で 出会えるから







きみは 何度も
夢の中で 会いにきてくれた


その喪失感から
行き場をなくしそうになる ....
ただ
ただひろいだけの夜空を充血する程に
まなこを凝らしたら
はしっこの辺りに裂け目がうまれ
乳白色の貴方を呼んだのは紛れもなく私です

その仄かに薫る鎖骨は
芳しき母のようであり
ミ ....
何もすることがないし
小腹が減っていたので
とりあえず便利な未来の箱に

「ほぐした蟹の身」

と入力してみる
こうしてみても
パソコンの目の前に
本物のカニチャーハンが
出て来て ....
 乾いた太陽の光を浴びて
 胸に光る星のまぶしさ
 艶やかな新緑がスタートラインで待っている
 昨日までのこと
 風船のように大空に舞いあがって
 すれ違いのベクトル
 約束の街角
 零 ....
背中がまがっているよ
葉巻が落ちたよ
おじいちゃん
手を 貸すよ
おじいちゃん

買い物のビニール袋が
たくさんだよ
おばあちゃん
手を 貸すよ
おばあちゃん
 ....
春は黄色いバスに乗ってやって来る
嬉しそうな顔
不安そうな顔
いろんな笑顔を乗せて
春は黄色いバスに乗ってやって来る

わくわくするね
どきどきするね
もうすぐ春がやって来るよ

 ....
あたしは何もない女だから

あなたが枯れてしまわないように ここで祈るだけ

あたしは何もない女だから

あなたが消えてしまわないように ここでただ 笑顔を作ってる

あたしは何もない ....
あおしんじゅの森は
樹海の森だったし

あたしはその結晶を とても美しいと思った
粒の小さい 白い涙のようなそれは
体に悪いと知っても
飲み込み続けるよりなかった


ゆるい雪のよう ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
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