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目を閉じると
緋色珊瑚色菜の花色
まぶたの裏に
現れては消える明るい斑

風の無い中庭は
緩やかな分子で満たされて
枯れ枝から枯れ枝へ
見知らぬ鳥が声を探している

鎖骨のあた ....
「さて、今日は何をしようか」
朝起きるとひとまず煙草を吸って考える
吸いきらないうちに人間を卒業して
ロボットにでもなれたらいいのに
たったと行動計画をたてて
それがいかに杓子定規であっても ....
ここから先は立ち入り禁止
ガードもなくエリアラインがなくても
分かっているさ そんなことは

向こうのエリアの熟れたリンゴが
極彩色の芳香を漂わせてくる
閉ざされた花園には
咲き乱れる虹 ....
 
隣の芝生が青くみえる丑三つ時

いっそ眠れないならと珈琲を飲み

ため息、またひとつ



 
カモの群がる池の畔
桜花映える日差しに包まれ
川鵜と小白鷺が向き合っている

川鵜
  すっかり春だねえ
  これから北へ帰るのか

小白鷺
  いや まだ田に水が入っていないので
 ....
一人だけホテルに泊まらず
テント暮らしのあなたは
私と同じね

私も中学生の頃
今よりずっと幼く見られたから
子供料金で電車に乗っていたのよ

そのお金で本を買ったり
駅のホーム ....
真昼のまま凍りついた
ひとつの情念
名づけようもない一編の詩を装い

光明な思想が引きずる裳裾の陰鬱
石仏のように摩耗して正体もなく

言葉は羽 風に舞い
人は水 流れ集まる低く低く色 ....
のんべんだらり
日長一日 だらだらと
ソファーの小舟で
文庫本が櫂に
目が疲れたらひと休み

音楽の風に吹かれながら
好きな時間を小舟に乗せて
無為の海を漂流しよう

のんべんだら ....
バッタの死骸に群がる蟻は
ひとっかけらの憐憫も持たず
手を合わせることもない

蟻には何の罪もない
わたしが
とても小さなこどもだった頃
なにも知らない
知らないということが許されていて
それが
どんなにか幸せだったかということさえも
知らなかった
笑うたび頬に
くぼみを作っていた頃 ....
冬のベランダに
月の光が降り積む夜は
白く凍えて眺める空に
故郷の庭を思い出す

月の白い光にぬれて
赤いつばきも 寒菊も
色吸い取られ白く震えていた

就寝前に外の便所
白い庭に ....
まだ自転車に乗れなかったころ
ともだちの自転車を借り
田舎の緩い坂道をおそるおそる降りながら
何度も練習していた

不思議なことにあるときすっと自転車が自分のものになる
そんな瞬間を体験し ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
人間の蛮行を悲しむのは
人間だけなのであろうか

諸々の神を世に送り出し
それを受け入れた者達は

神に事の真意を問い続け
贖罪の何たるかを尋ねて

今日もまた祈り続けては
神の悲 ....
短い時間 さささのさ
書きたくなるの 

子共のことも
オッサンねこも
季節のお知らせや
ぐちぐちだって
悪玉菌の回答だって

ネタいっぱいで書きほうばって ひとりでに
そよぐアタ ....
守り子の唄は 灰色の雨に滲む
擦り切れた赤い帯の 風車が回った
竹田じゃ雪に変わって トタン屋根が
静かになる しんしんと寒さだけになる


姉さまは 池に身を投げた
三条のぼんぼん ....
いくら死人に口なしと言ったって
死んで間もない死人はそっとしておけ
代弁なんて口寄せじゃあるまいし
死んで間もない死人をパペットにするな
祭り上げるな自分たちのために
理想の英雄に仕上げるな ....
吹く風に逆らわない。
それは吹かれるまま
流されてしまうのではなく、
その風を味方につけて。

風はきっと良い所に運んでくれる。
きっと素敵なことが待っている。

今ま ....
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶

電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま

こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら

あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
詩人の方へのお知らせ

文章は禁止されました。
ドキュメンタリー作家、ノンフィクション作家、劇作家、小説家は廃業となりました。
今後、詩人の方たちは、ことばを使ってもよい人たちとして
国家試 ....
花は好きです

酸っぱくてもレモンは好きだ

固くても林檎は好きだ

果物は感じがいいから好きだ

花を食べるあの果物の香りが好きなのです

だから果物の香らない人は嫌いだ
 ....
気をつけてねって云われて火をつけてしまったぼくらはどんな色も内包することができない孤独な白であるところのたてしまという島へ行ったらしまうまになってしまった 七月のある日 兄は ぼくを呼んだ
風通しの良い部屋に一人伏せていた兄は
「今度は帰れないかも知れない」という
「弱気なことを…」
ぼくはそう言ったきり次の言葉が出ない

幼少時父も母も病で ....
 
ひとは、これほど醜いのか

愛は、これほど弱いのか

ただ祈るしかないのか



※2005.7.7 ロンドン同時爆破事件の日によんだ詩
 今、一度


 
遊び星
なんのための遊び星
空を飾る星々の
いらぬ光をもらってる

ゆらゆら軌道を変えてはまわる
空に模様を描いている
空に羽を描いている

空から落ちるたくさんの星屑
朝の五時半を少し回ったころでした
六畳の畳が漂流し始めたのです
思わず活けようとしていた椿を咥えましたの
そうしてうんと股を開いて立ち上がりました
初めてですこんな太ももの上まで晒しちゃって
 ....
若者が過去を振り返るのは
夢を実現するため
老人が過去を振り返るのは
夢を楽しむため
でも 
若かった過去へは行けません

***

別れるまで一度も名を呼ばれなかったからっ ....
     光のあたらない
     すみっこにこそ
     きらりと光るものが
     ひそんでいる

     目立たなくても
     すみっこの力を
     侮っ ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に

傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひなた- nonya自由詩11*15-2-11
朝の夢よ、さようなら- 鵜戸口利 ...自由詩315-2-11
ささやかな冒険心- イナエ自由詩8*15-2-10
丑三つ時- 殿上 童自由詩11*15-2-8
春日一刻- イナエ自由詩7*15-2-8
summer_white- mizunomadoka自由詩615-2-8
観測者の逸脱- ただのみ ...自由詩17*15-2-7
【_のんべんだらり_】- 泡沫恋歌自由詩18*15-2-7
- 金子茶琳自由詩615-2-7
雨上がりのステップ- そらの珊 ...自由詩1715-2-6
月の光が降り積む夜は- イナエ自由詩11*15-2-6
自転車に乗って- 梅昆布茶自由詩2215-2-5
年をとるといろいろ- ……とあ ...自由詩13*15-2-5
嘆きの神・・・- tamami自由詩1015-2-5
さささのさ- 朝焼彩茜 ...自由詩15*15-2-4
戻り橋- 藤原絵理 ...自由詩415-2-4
無題- ただのみ ...自由詩16*15-2-4
- chiharu自由詩9*15-2-4
記憶- nonya自由詩17*15-2-4
- はるな自由詩1315-2-4
詩人への通知- うめバア自由詩415-2-3
詩人の香り- アラガイ ...自由詩11*15-2-3
よこしまなきみとさかしまなぼく - 阿ト理恵自由詩8*15-2-2
寒い夏- イナエ自由詩22*15-2-2
祈り(テロの日)- 殿上 童自由詩20+*15-2-1
星屑遊星- 這 いず ...自由詩415-2-1
終ノユメ- ただのみ ...自由詩21*15-1-31
歳を取ったと気付かないあなたへ- イナエ自由詩9*15-1-31
【_すみっこの力_】- 泡沫恋歌自由詩19+*15-1-31
ふっ、しあわせ- nonya自由詩16*15-1-31

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