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もう
どこにも帰れない

そんな気がした夕暮れは
どんなことばも
風にした



 ながれる雲の
 行き先はしらない

 突きとめずにおくことが
 しあわせだとは
 ....
人は時を渡り行く渡り鳥

出会いと別れを繰り返して

寂しくなんかないと

頬をつたうのは涙か雨粒か

風にかき消された言葉

微かに耳に届いた
両手の指のひとつひとつに
小さくやわらかな輪が回り
手を振ると鳴り
息を吹くと鳴る


午後の雲を聴いていると
輪も静かに聴いている
降る言葉に触れ
少し揺れる


握 ....
この太陽は 若く 
光が とっても 透明で
退廃や 停滞を 知らない

月と太陽が 見かけ上
同じ大きさに 見える 
神秘を 理解して

たおやかな 青空を 仰ぎ見る

光を 両の ....
階段の近くで生まれました
階段で話をして
それから歌い
お互いの名前を呼び合い
Tシャツ、セーター、靴下、下着の類
何度も着替えをしました
時々触れて
時々離れて
おしなべてそのどちら ....
まずは色金山で軍議だね
そして首塚
次は血の池で
槍ではないけれど
互いの刀を洗いっこしよう
その後に
足湯でご機嫌になってから
あの大きな観覧車に乗ろうか
あなたの見ている私と
真実(ホント)の私は違う

いつでもポジティブで
いつでも明るくて
いつでもハイテンションで
誰にでも優しくて
どんなときも笑顔は崩さなくて
弱音はほとんど吐かな ....
真っ白な紙の中に
何でもない文字が
単純に並んでいる
けれども
そこには
見えないものが見え
聞こえないものが聞こえ
何かを訴えて
人の心を響かせる
真っ白な紙の中で
言葉は響いて ....
空が咲いています
ふわふわ咲いています
何もかも時が止まったように
やわらかく咲いています
山が沈んでいます
その中を鳥が泳いでいます
人が逆さまになって
咲いている空を見ながら
手を ....
少年は手にもっている一つの林檎を空に向かって投げる
するとそれは翼を拡げる鳥になった

少年は青い空が好きだった
空の中は永遠に汚れぬ世界であると信じていた

少年はどこまでも途切れぬ煙突 ....
今さらながら驚いてしまうのだけど
あなたはまだ生きているのだった
毎日とんでもない数の人が死んでゆくというのに
あなたより年若いバカが自殺するというのに
あなたが死んだという連絡はまだ入らない ....
 あなたが去り
 私は、失った

 その墓には、名前がなかった
 私が愛した、名前がなかった


今太陽が割れて浜を照らす
その潔癖なほどまっすぐに
見下ろし揺るがぬ様は
カル ....
こたつの中で
何本もの足たちが
陣地を取り合っている

 
まどろみはそっと
瞼をノックして
心地好い終わりに
私を包もうとしている
 
 
目をしばたかせて
現実を直視
 ....
とても独りじゃ持ちきれない荷物

「持ってやるよ。」って

ひょいとかついで

私の半歩前を歩くあなた

きっと顔は苦しそうなんだろうけど

背中は大きくて

とっても ....
海岸に太陽が落ちていたので、
拾ってポケットに入れた。
手のひらは、
じゅって、
音を立てて燃えたけど、
そんなの気にならなかった。
どうしてもこれを、
 ....
風邪を引いてしまいました
熱があるわけではないのだけど
のどが痛くて鼻水が出て
とっても不愉快

アメリカに留学中に
風邪を引いたときには水をたくさん飲みなさい
ってホストマザーに言われ ....
「めそめそさん」



ある朝目が覚めると
隣に知らない女の子が寝ていた
くびが細くて大きい目をしている
名前はめそめそさんというらしい
それからぼくはめそめそさんと暮らしている

 ....
恋をしているひとは
強い匂いを発している

ところが
恋をしているはずなのに
匂いを発しないひとも稀にいる

心のどこかに多少嘘があるとか
思った以上に相手に正直になれていないとか
 ....
うまく言葉がでてこなくて
一生懸命探すのだけど
やっぱりしっくりこなくて

あなたに伝えたいという思いだけが
あなたに届いて
何を届けたいかが伝わらない

きっともうそれは
言葉で表 ....
 
耕す
土の中にも幾千もの命
ちぎれても生き抜くものもあれば
七年ののちの七夜の花で
ついのなりわいをとげるものもあり
それを耕す
おかに生きるものよりも
海に生きるものが多いとか
 ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている

  仕切の向こうの笑い声が
  うるさくてちょうどいい
  そんな時刻 ....
幾時を重ねたなら

無色に染まれるのでしょう

幾風になびかせたなら

虹色は澄みわたるのでしょう

抱えきれないほどの罪と

背負いきれないほどの罰を

幾雨に溢しても 尚 ....
           2007/04/25


木漏れ日の郷
足軽の猫たち
群れをなして
ミャウミャウ
みゅうみゅう
みゅーみゅー
MewMew
mewmew
ミ ....
つまんない
なんかもう
笑えない
一年中
どうすればいいかわかんない
明確な明日
その先の輝かしい未来
そんなもんフィクション
どうすればいいのかって
一年中
つまんない
ほんと ....
 夕べの机

つまらぬ世辞をいい
つまらぬジョークを飛ばし
人は生きてゆく
つまらぬほど人は笑い
つまらぬほど満足する

今日も日が暮れる
今宵も妻帰るを待つ
鰈を二匹 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
こんな雨の日ほど
きみにあいたい

雨音にココロを重ねていると
なつかしい気持ちが
すっと通り過ぎていくから

こんな日ほど
あいたくなる

多分偶然のふりで
すれ違うこ ....
ばらばらに散らばった
こころをかき集めて、


「こんなにも だよ」

って、見せるキミの手は
散りゆく破片で 血まみれで



降りそそぐ花びらは、

しきつめられて

 ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか

カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
窓の外は花の雨
傘もささずに飛び出せば
白い花びらがそっと揺れた

まるで僕の心を知ってるように
どんなにかくしても
走り出してしまったこの想い
いつでも君のことばかり探してた

君 ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
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