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もうちょっと、ちょっとだけ飲ましてな

そしたら

添い寝してあげるね、お月さま



 
 
「……解ったか? 」

「 否 何も」

「 感じたか? 」

「 ああ 何かは」

「知りたいか? 」

「それを? それともそれについての知識を? 」

「与えられるのは知 ....
 





半身にびっしり墨を入れたあなたが
猫みたいな目で優しく笑いながら
そっとわたしに触れる

あの日のわたしは
たったそれだけのことに
びくっと肩を揺らして、
思わ ....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
幸せの余韻は漂っていた
静かに訪れる至福の時は
穏やかな心を呼び覚まし
淡い透明の色彩が流れる

珈琲は如何それとも紅茶
ココアに致しましょうか
湯気の立ち込めるカップ
まろやかな香り ....
濡れたアスファルトに夜が映る
泣いているような夜の顔
ネオンの化粧が滲んで行く

綴った言葉は今朝もまだ濡れていた
光と音/朝のピンで留められたまま
すべての顔が微笑んでいるわけではない
 ....
むしり取られ山積みされた路傍の名も無き草
人は一括りに雑草と呼ぶ けれど 
一本一本取りだし丹念に調べればたいそうな名が有って
いや 持たされて 力芝 車前草 藪枯らし 葛
ああくず 葛餅 葛 ....
俺さびしいか

いかさまか

俺さびしいか

さかさまか

渋滞ゆっくり

ながれてく

光をともして

ながれてく

俺さびしいか

いかさまか

俺さびしい ....
我家の軒下にやってきた 
つがいのツバメ

気がつくと
いつの間にか
1羽だけになっていた

それから
ずっと
一羽のツバメは
巣の中で
じっと外を見つめていた

あたりを警 ....
等圧線の険しい尾根道を
一気に駆け下りた寒気の精鋭に
容赦なく身体を押えつけられて
また2センチ青空が遠のいた

街路樹の痩せた指先から
次々に零れ落ちた枯葉の巡礼を
容赦なく運動靴 ....
ラジオから
音楽が流れている

朝の光が窓から差し込んで
世界がうんと美しく見える

女らしさや、男らしさが
ちりぢりばらばらに散らばって
混ざり合ったその向こうの
いや何にも混ざり ....
MRIに写った骨に
ほんの少しの ヒビ在り
しばし見入る

ヒビは歌わない
ましてや笑わない
責めたりしないし
冗談も言わない
財布の心配もしない
後悔もしない
原因があって
結 ....
{引用=
 少しためらい
端座する
永いあいだひらくことのなかった
古い三面鏡


 鏡のなかに{ルビ生=お}う
まよいの雪雲は、ひろがり


 僕は、人らしくあろうとし、
ど ....
※「松島の月まづ心にかかりて」芭蕉

  ー崖の上から延びる松の枝
      その先に見える月と海

回復できないクラゲが漂う水面に
揺らめいているのは風の溜息か
天空にはクラゲの昇天 ....
大切なものが
無くなってしまっても
大切なことに
変わりはないから
わたしは飽きもせず
大切を信じている



 
tegami

手紙は来ない
無名戦士の墓に春が訪れ
風が花びらをそのうえに散り敷こうとも

ときどきその墓標を濡らした雨があがり
空をよこぎるように虹が橋を架けたとしても

乙女た ....
キミはキミ
ボクはボク

そうだよ
どんなにジタバタあがいたところで
キミの心の芯(真)までは
辿りつけっこないんだ


ボクはボク
ボクは...

おかしいな
どんなに解っ ....
それは現代詩
たぶん現代詩
祝!現代詩
頭痛に現代詩
ごっつ現代詩
馬の耳に現代詩
目.肩.腰に現代詩
とびだせ現代詩
ストップ現代詩
主演現代詩
脚本現代詩
監督現代詩
近日 ....
ちょっと薄汚れて古い街だが愛着もある
あの街へかえろう

鑑別所から卓也もかえってきたし
住むところとこれからの仕事をなんとかしないとならない

さんざん迷惑をかけたその当事者が俺だなんて ....
わたしたちは
ふたり

いつも別々

ふたりのわたしたちは
ひとつになる試みもしたけれど、

きっと
その時は気付いていなかった
けれど
ひとつになるのは
窮屈だっ ....
ひとはまっすぐ生きられない
かならず、曲がり角はやってくる
見覚えのない交差点はこわい
視界の閉ざされた曲がり角は、もっとこわい

たとえば
人生がなくても小説は書けるという
それは ....
欠ける月の裏側

隣にいた乗客は

溶けて灰になっていた

塞いだ耳の奥からは

もう一人の僕が囁いていた

雑誌の名前も知らない女が

此方に微笑んでいるのは

レン ....
ボケという素敵な表現力
ケという素敵な表現力
という素敵な表現力
いう素敵な表現力
う素敵な表現力
素敵な表現力
敵な表現力
な表現力
表現力     わたしをバカにし ....
君の胸の音を聴いている

瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
誰かが扉を閉めてしまった
私は夜ごと出口を失くした夢をみる
扉を閉めたのは 私
そのうえ錠前を壊してしまった

壊れた錠前をまず直そうとする人は
人の心を思い遣る人
壊れた花瓶を
片付 ....
いつも言葉の足りない弟は
最後の別れの時も
死に顔を見ては泣き
姉の最後の痛みを知っては泣き

もう何の組み立てもなく
嗚咽しているだけの
図体ばかりが大きな
巨大な涙袋と
なってし ....
プライドや
スキルや
イデオロギーといった
後付けアイテムで体裁を整え
何層にも膜を張って
“ ハッタリ ”という殻で
コーティングしたら
実物より 
やや立派に見えた

だが
 ....
定年退職したから 専門知識を生かせという
世界中の研究者たちと協力して
大所高所からものを言い
人類の平和と繁栄に尽くせという
わるい誘いではないけれど

しかしなあ どうして退職してから ....
炊きたての
新米を盛った茶碗から
ひとすじの煙がたちのぼる

雨と
土と
太陽と
風と
人の労働とで
育まれたものが
上へのぼっていく

本体から
自由になったものたちは
 ....
陽のあたる書棚 憩う一羽の本

タランチュラのような手が二つ

美しい表紙を捕まえると

隙間なく閉じられた頁に太い指が滑り

弛緩した貝 白いはらわたよ

青く刺青された文字は星 ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
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