すべてのおすすめ
 
 
自転車のか細いペダルが
今日は博物館の
涼しい庭にまで届く
始まったばかりの夕暮れの中
まぶたの絵を描き終えて
少年は柔らかな繊維になる
 
 
ぼくは沸騰するスープである
ジャガイモが崩れていく
ぼくは真っ赤に茹で上がる毛蟹である
苦しさに前脚を伸ばして泡を吹く

底から熱せられていて
二重の蓋がかぶさる
重くてもちあがらないで ....
堪えきれなくて
上の奥歯を三本抜いた
ピーひょろろ
小鳥の鳴き声になって
(あなた だあれ?
わき水を飲んだら
鼻からこぼれて
時計の針が鼓膜に穴を空けた
しばら ....
さよならと
手をふる時は
指と指の間を
すこし開けて
すきまを作る

かなしみが
そこから
上手に
逃げていくように

美しい水を
手にためる時は
指と指の間を
ぴたりと閉 ....
賑やかな風景が今も見えてきそうだ
昭和のレジャーは大移動
小さなゲレンデ一つに
休みともなれば
がやがや人が集まり
きちんと並んで
リフトに揺られ
ゆっくり滑っていく

帰りの電車も ....
毒のない棘
蜜のない花
種のない実

罪ですか


咎のない嘘
咎がない故
咎でない
のは
悪なのか


情状酌量
情状酌量

情を量るにゃ
何が要る


 ....
割り切っている
良くも悪くも割り切るのが早い
僕は

公式なんかすっ飛ばし
一か八かの
答えだけ弾き出す
便利な簡易計算機です


愛してました
哀しみました
落ち込みました
 ....
両の窓から見えるものはみな不確かで
ぼんやりと光に融け出しているようだ
心は焦げ付いた鍋のように
そのまま冷たく放置されていた

  杖をついて 
   時が行き来する

  昭和 ....
知っていますか
あなたが長い黒髪をなびかせたとき
真昼の純粋で無垢な輝きを消し去ってしまうこと

知っていますか
あなたが落ち着いた声で語るとき
街中のにぎやかな喧騒を消し去ってしまう ....
真夜中のコンビニの中
街は冷たい雨が降っている
どこかへ行くあての無い二人が
仕事を終えて会う約束の場所

外はどこも冷たい雨が降り
二人の居場所はどこにも無い
ただ暗闇の中にぼぉー ....
ママの手は
てんごくのにおいがすると
五つの子が
うっとりとして
わたしの手を離さない

てんごくも
じごくも
絵本のなかに
出てきたね

てんごくに
匂いがあるなんて
知ら ....
トンネルの途中でせんせいが朝が来たよと言った
どこに来たのかなんてこわくて訊けなかったよ

それよりもiPodの電池が切れそうでおそろしいのです

地上のあの子の爆発がおさまるまでもつだろう ....
今僕は、東京へと走る列車に乗っている 
結婚前の妻と出逢ってからの数年間 
毎日顔を見ない日はなかったが 
今日から三日間 
我が家を離れ、旅に出る 

今僕は、妻と幼い周から 
どんど ....
えいえんの空間のなかのこの場所
むげんの時間のなかのこの時
この時 この場所に
こうして二人でいるということは
なんという驚きだろう

ぼくたちふたり
格別話すこともないけれど

ぼ ....
家を出る時に
ちらほらと
降り出した雪が
そう時間をおかないうちに
吹雪いてきた

三月もなかばだというのに

フロントガラスに
積もってゆく雪を
ワイパーでどける

ラジオか ....
もう充分だと言うのは
きっと身勝手なんでしょうね

でもその気持ちが消えないんです
良くないことだとは分かっていますが

やはりこうして日々を
何とかうっちゃっていると

いつも最初 ....
何か新しいことに向かうときは

できるだけ心を空っぽにして飛び込む

幼い頃

良くソフビの人形を

お風呂の底に沈めて

手をはなすと

勢いよく飛び出した

あの感覚
 ....
目覚めても まだ何も感じない
ストロボを焚いたように 視界は真っ白なまま

君は起き上がる ベッドの上で部屋を見回す
昨日見た 夢の欠片を吐き出すと
耳につくのは 壁掛け時計の呟き
締め忘 ....
夢見ることが

ちょっと億劫なのです


ピアノをポロんと弾くように

言葉がこぼれます


僕を待っているものがなんであろうと

きっと仲良くなれます


暦の明日に色 ....
ゴルフ焼けしたいい親父になった
今では大阪の営業所長さんだ

―僕らの音楽を理解してくれる人は
 この広島に一人か二人ってところだ
 だけど これだけは確実に言える
 僕らは凄いことを ....
てのひらをぱっと開いたら

ああ、なんだか少しさびしくなったみたいだ


たくさんのかわいいものや

泣けるくらいのおいしいもの


ああ、これらのものを
今でもきっと想ってるん ....
何かが叶うことを
素朴に夢見て
人間は生きている
   一日一日を

地味に踏みしめてね

たった二百年も
生きれない人間なんて
太陽からみたら
それは ちっぽけだ

なんてね ....
あなたは積み上げる

与えられた積木を丹念に積み上げる

それが人生




親指と人差し指で作った輪の大きさぐらいな積木
いつも何かに苛立っていて

終りの無い議論を隣の積 ....
わたしは縄文の舟を漕いでいる
トチノキを刳り貫いた
粗末な舟だ
赤い犬をいっぴき乗せていた
これが最後の猟だと
わたしは思った


子どもたちは
夏の来なかった時代を知らない
もう ....
祈る人はそっと目をつぶる

瞳に映るものは有限であっても
瞼に浮かぶものは無限だ

祈る人は無言である

言葉はいくら重ねても
心のかなしみには追いつかない

祈る人はみじろぎせず ....
一匹のからすが

あおあお鳴いている

小さな子供が歩きながら

あおあお
あおあお

声に出して真似している

雑木林の中から
鈍く光った黒いマントが見え隠れする

前を ....
きみはいつも言葉をえんげきのようにつかうね、という言葉がとてもえんげきで、
わたしはそういう風に話すあなたのことばにこたえていたからそうなったんじゃないですかあと、い
言えなかったのたけれども、そ ....
昼には新幹線のなかにいた

各駅停車の新幹線だった

固くて煙草くさい客室だった

掲示板に流れるニュースを見つめていた

一夜明けても

首相から被災地へのメッセージはなかった
 ....
舞台
晴れやか
うなぎ晴れやか
はがねもうららか
研いだしせんに
切断されずに
ひらひら、ひらひら、
だぶるおだやか
みゃーはなごやか
からりとこけるこうせんは
宇宙からも知覚から ....
  耳をすますときは
  手と足が
  とまる


  だれにしたって表情が凝固して
  仮面になる
  手配写真のようにだ


  音がするほうに
  むける
  ....
北大路京介さんの自由詩おすすめリスト(16330)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
age22- たもつ自由詩612-3-15
二重蓋の圧力鍋- 殿岡秀秋自由詩912-3-15
耐芯鳥- アラガイ ...自由詩13*12-3-15
手のかたち- そらの珊 ...自由詩14*12-3-15
スキー場跡- 灰泥軽茶自由詩9*12-3-15
またまたそんな、ご冗談を。- faik自由詩10*12-3-14
散、割ることの、誤- faik自由詩13*12-3-14
春の悲哀- ただのみ ...自由詩13*12-3-14
知っていますか- 乱太郎自由詩16*12-3-14
冷たい雨- ……とあ ...自由詩10*12-3-14
てんごく- そらの珊 ...自由詩26*12-3-14
ミラーボール- 佐伯黒子自由詩412-3-14
不思議な扉_- 服部 剛自由詩212-3-13
Two_Of_Us- 浩一自由詩512-3-13
春の雪- そらの珊 ...自由詩1612-3-13
巡礼- HAL自由詩6*12-3-13
沈めてソフビ- 灰泥軽茶自由詩7*12-3-13
ストロボ- まーつん自由詩612-3-12
中途半端な夜に- 梅昆布茶自由詩1312-3-12
友人- 壮佑自由詩17*12-3-12
三月- 寿自由詩8*12-3-12
淡い- subaru★自由詩21*12-3-12
積むひと- 恋月 ぴ ...自由詩2312-3-12
縄文の犬- たま自由詩29*12-3-12
祈る人- そらの珊 ...自由詩11*12-3-12
黒いマントのカラスたち- 灰泥軽茶自由詩12*12-3-12
えんげきてきな、- 佐伯黒子自由詩612-3-12
一夜明けて- 吉岡ペペ ...自由詩412-3-12
三月- 理来自由詩9*12-3-11
たまの春- 石川敬大自由詩27*12-3-11

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