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家は設計されたときに自らの完成をみる
建築家の立原道造がときを引き詩をたてる
はじめから死の骨組みで編まれた愛の生家
居住者は光の柱に舞うだけの静謐な塵埃
建築は頂を完全な月の満ち欠け ....
歯がはえて、歯たちがきれいにそろったら
きみはもう、はたちをむかえたおとなです
居ならんで、自他がひとつに緊密し
糧をえる、顎の砦を築くのです
歯のひとつ、それがきみの立場でも
べつ ....
見よ、この一行をわが蠕動にかたどる背景として魂の炎はやおら踊る
うたうたに見おくられながら、おとこはあたらしい歌をひきつれて旅をした。
うたうたは酒に似ていた。せかいを光の波紋でにじませて、あまく匂ういきをはいた。
波うちぎわでは、松のぎょうれつが盤根をもちあ ....
そんなものは信じていないからっぽの樽の影が
言葉のなかに黒々と鎮座して深淵をかかえこんでいる
わたしたちが腰痛を少しでも自由のほうに傾けると
いつのまにか言葉は樽に廃液をつめて腰かけている
....
―あなたはどんな茶葉だったの?
へバりついっチャってたからアタシ
―どこに?
チャんとおぼえてないんだけどタシカ
―湯呑み?
シャンハイ
―チャンハイ?
はい
―どっち?
チャンハイ ....
あなたと見た県境のダムはゆたかな思い出をたたえ
ときをへて今もわたしのもとに春の潤いをとどけてくれる
ふたりでダムのうえを歩いて堤体の縁をなぞり
底にしまわれた互いの想いを胸にだきいれたあの ....
雪のように白くても白は色で尻にはなれない
どれほど尻にしかれようと色は椅子ではない
白の住まう城が尻であっても尻の穴はくろい
とはいえ尻の家が白かといえばいいえだろう
白は色であり家にしろとは ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている
地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない
花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって
さまよえるその ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
....
余は高齢ペンギンであるぞ
腰はみじんも曲がっておらぬとはいえ
前傾姿勢が急であるからして皆のもの
頭が高い。
予は皇帝・・してどのあたりがペンギンの
腰であるか?
かくかく しかじか ....
ひだかたけしさんの菊西 夕座さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
死の家に住まう光の先鋭化
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菊西 夕 ...
自由詩
7*
25-3-1
せめてきみの歯くらい人間であれ
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菊西 夕 ...
自由詩
6*
24-12-21
一凝視のこころみ
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菊西 夕 ...
自由詩
3
24-1-6
ムードで抱きすくめて
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
24-1-4
言葉がてらす魔女の落胤
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-10-29
茶葉たちのチャばなし(お椀なし)
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-10-22
ダムは今もゆたかな孤独をたたえ
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
23-10-9
知りえようもない恍惚の槌で頭骨に築城する
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菊西 夕 ...
自由詩
5*
23-9-23
雲の披露宴Ⅱ
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菊西 夕 ...
自由詩
5*
23-9-3
よみ人しらず―死因は「熱中症」とだけー
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-8-15
こうていペンギン
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菊西 夕 ...
自由詩
1*
22-9-19
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