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借り物をした

いつか返さなくては

それがいつなのか
何を返すのか
定かではない

おそらく何もかもだろう
朝の光も
夜の静けさも

身体の奥のほう
ちりちり燃える
かす ....
山賊を職業にした
この
AI普及真っ只中の世の中で
恥ずかしい話だが
いや、だからこそかもしれない
AIは追い剥ぎなんて
まさかしないだろうし
極めて人間的な職業といえよう
着物を着崩 ....
それならばこれで、
というお別れの仕方が
あまりによかったもので
それがそのまま
別れの挨拶になったというわけなのだ

そこには指示語が含まれている
指し示すのは
それまでのかかわりす ....
だらしない悲しみが
寝そべっている

海までの通り道に

誰かほうきで
掃いてくれる人はいませんか

と呼びかけてみるが
返事がない

仕方なくそいつを
折り紙のように折り畳ん ....
宝石は眠っている
と偉い詩人が言った

こんなに美しいものが
眠ったままとはもったいない

起こしてやろう
とハンマーを振り上げ
振り下ろす

宝石は粉々に

いよいよ深く
 ....
いのると
いきるは
似ている

とどくとか
とどかないとか
そういうことで
なく

しあわせでも
ふしあわせでも
ないものが

心にあたる
ことがある
おかえり
やってくるものたちよ
君らのことは
昔から知っていた
真っ赤な顔して
小さな手足をぐーぱーしていたころから
思えばそのころ
宇宙のすべてを知っていたはず
だんだん忘れたわけな ....
さみしい思いをしていたら
母親がゾウを買ってきた
我が家は1DKだけど
ゾウ一頭くらい
生活する余地はある
問題はどうやって
ゾウを部屋の中に入れるかだが
販売業者はお手のもの
手際よ ....
絵を飾る
 
遠い砂浜
日が沈む五分前
  
遠くに人影が
犬の散歩だろうか
それとも
心の散歩だろうか
   
気がつけば
絵の中に立っている

橙色に染められて

描 ....
残業で
すっかり遅くなってしまった
疲れた身体を引きずって
車のドアを開け乗り込むと
助手席にいる
随分大きくなった
初めて出会ったときは
小さな子猫ほどだったのに
ある日突然
姿を ....
よく
耳を澄ませてみるんだよ
   
この世でどんな
音がしているか
   
君の耳はとがっている
もしくは
下に垂れ下がっている
いずれにせよ
素敵な耳だ

声なき声を
聞 ....
一行先になにがある
   
埋もれたものを
掘り出すために
ペンはノートをすべる

時に動きを止め
時にくるくる回り

なさけなくも
いさましく
次の一行へ

インクが尽きた ....
真夜中の真ん中あたり
帰宅した千鳥足に
コツンとぶつかった
ものがある
   
jorro
   
やあ久しぶり
すっかり忘れていたよ
 
世界にそういうものが
あるなんていうこ ....
幽霊の朝だ

右手をあげて
おはようのあいさつを
それは別れの
あいさつを兼ねている

かなしみが鳥のように
肩にとまっているから
身体は右に傾いている

よろこびが鼠のように
 ....
夕焼けを信じます

とても遠くて
あたたかいもの

まいにち見ていても
絶対にさわれないもの

すべての
つくられたものを
だいだい色に
染める絵の具です

女を
男を
 ....
もうこれで、と思ったときも
ページをめくると鳥がいた
青色の羽をしていた

羽毛が抜け落ちるのを
少し気にしながら
西日の当たる部屋
ソファの上で笑ったり

片方は詩人で
片方は旅 ....
ある日の地球にわたしは生まれ
ある日の神様は言う「ぷふい!」
ある日の朝はあざやかに咲き
ある日の夜はよろよろよろめく
ある日の空にわたしは笑い
ある日の風に不器用に泣く
ある日の本は知識 ....
練習をしている
いつか幸せになるための

練習をしている
いつか不幸になるための

練習をしている
いつか笑って死ぬための

練習をしている
いつかどこかで生まれるための
たとえばあなたが
わたしを忘れたとしても
並んで眺めた夕焼けは
ふたりを覚えているだろう

夕日は残る
とある非常口のむこう
あなたが立ち去った後にも
わたしらが消え去った後にも

 ....
わたしのなかに
あなたはとどまる

ときに柔らかく
ときに残酷に

あなたの言葉
あなたの微笑
あなたの仕草
あなたの沈黙

そしてあなたが手渡す
葡萄の一房

その甘さと ....
人は皆一人前になると
船の一艘や二艘持つものだ
実際わたしの同僚たちも
それぞれの個性に応じた
それ相応の船を持つ
ある者はボート
ある者はヨット
ある者はクルーザー
ある者はカヤック ....
一緒に途方に暮れないか
店は閉まっていた
冷やし中華が食べたかったな
シャツは買わなかった
いいのが見つからなかったな
きっとどうにもならないだろう
誰にも相談できないだろう
ぼくの病気 ....
ひだかたけしさんのやまうちあつしさんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
返却- やまうち ...自由詩3*24-3-21
山賊2023- やまうち ...自由詩4*23-9-17
さようなら- やまうち ...自由詩1*23-8-1
だらしみ- やまうち ...自由詩323-1-23
宝石の眠り- やまうち ...自由詩1*23-1-16
心あたり- やまうち ...自由詩2*23-1-10
金貨- やまうち ...自由詩7*22-7-18
カシマシ娘- やまうち ...自由詩3*21-12-3
絵心- やまうち ...自由詩9*21-12-1
対話篇- やまうち ...自由詩2*21-11-29
福音- やまうち ...自由詩321-6-3
信仰- やまうち ...自由詩419-3-28
思い出す- やまうち ...自由詩3*19-3-9
可不可- やまうち ...自由詩719-1-3
信者- やまうち ...自由詩317-7-8
空の教会- やまうち ...自由詩8*17-7-6
aruhino- やまうち ...自由詩117-2-13
練習- やまうち ...自由詩117-2-11
夕日のソネット- やまうち ...自由詩217-1-4
とどまる- やまうち ...自由詩216-10-24
わたしの方舟- やまうち ...自由詩316-9-16
一緒に途方に暮れないか- やまうち ...自由詩6*16-9-12

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