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耳をすます
と冬の足音が春を追いかける
探し当てる
木の根っこに絡んだ宝物のありか
溶け出していく
溶け出して流れて行き着いて沁みわたる
あの海に
この胸に
手を合わせて
触れて　.... 三人分のメジナを
海から釣り上げる君の。
笑顔を思い出す夜に
家族という文字が
暗やみから落ちてきて、もう
もう泣いてもいいの。と耳打ちしている
染みわたっていくあたたかさの
ふかふ　.... ことばを
トントントントン
階段を上がる
内面世界不思議
を塗り固めて
とっておき
ダッシュ走る
意味を同じくしないで
ことばを
並べて選ばず
ほら掴んだ
西へ日暮れへ
終わり　.... 名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。

ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる

ささやかな抵抗を繰り返し　.... 静けさが鼓膜に当たる
しとん。と打ちつけるひとりの音
風に耳をつけるたびに聴く
傍らに佇むような誰かの鼓動

暗やみを角膜が吸い込む
ひたん。と拡がるひとりの気配
窓辺に佇むと街灯が眩し　.... しろく印した約束
違えないようにと
丁寧に付箋をはがす
いつかの夏のはじまり
まちあわせを繰り返すきせつ
出会わないやさしさ
みどりに染まるかげを
ひたすらに踏みしめてあるく
　.... 母が静かに佇み
やわらかな星々に横たわると
夜が落下する速度で
慈しみと憎しみが揺れ動く
母の季節が訪れるとき
夏と冬が行き来して
子どもたちは春と秋を奪い合う


「あんたは身　.... とがった先に
やさしくあるわたしの、本質
何度折れても
頑なに再生する、じんせい
歩く足のふとももに
太く根ざす、わたしの信念が
いつか土に帰るときも
刻んできた言葉たちが
生きつづけ　.... 生命線をなぞる
左手のひとさし指でいちど君と
出会った気がした真昼に
やさしく訪れるように降る雨が
こころに刺さる氷柱を一欠片ずつ
溶かしていく夜に冬が泣く
何度も読んだ小説の
一行　.... 　空は何色？

君にたずねる私は幼い頃をおもい出していた

　今は青色だね。
　暗くなると黒色だよ。

率直な感性がすこし眩しくて
私のこころがほぐれていく気がした

　.... ことばに小さなドリルで穴を開けていく。覗くとことばの裏側が見えるので試しにやってみて欲しい。小学生や中学生の夏休みの自主課題に合っているかもしれない。ことばを選ぶのが難しかったら、分厚い辞　.... 貝がらが君の右の手から放たれて、しなだれた花びら一輪を左の手から掬った。泣いてしまう前に話そう。潮の満ち引きのこと、涙の渇く早さのこと、月の光の明るさと甘さのこと、君との足あとのこと、私の　.... 朝起きる。
新聞配達のバイクがハーモニィを奏でて
ポストに投げ込まれる
合図はわたしをきちんとコーヒーへと導く。
隣でしっかり布団に収まる夫に
声をかけるとううーんとうめいて夢に戻ってしまっ　.... きらきら
という絵本を
君に読み聞かせるのだけど
結晶の写真がきれいで
君のお気に入り
ひとつ　指さして
パパ！　と言う
ママ！　ととなりの結晶を指さす
次々に　結晶が
　....
ひだかたけしさんのかんなさんおすすめリスト（15）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あの海に__この胸に- かんな自由詩423-1-23
寝相の君といつも君へ- かんな自由詩1022-10-14
コラージュにあそぶ- かんな自由詩222-9-29
空が落ちてる- かんな自由詩13*20-5-20
冬の朝の光が痛みをうつくしくする- かんな自由詩1419-11-28
ことばだけが夏に欠ける- かんな自由詩719-7-24
まちあわせとやさしさと夏の呼吸- かんな自由詩719-6-18
母の季節は夏と冬- かんな自由詩7*19-5-21
ほね- かんな自由詩12*19-3-20
はじまりは揮発していつしか空が曇る- かんな自由詩12*19-2-20
空は何色- かんな自由詩3*17-10-4
キリモミングフィールド- かんな自由詩4*17-7-24
もう君の声も聞こえないほど- かんな自由詩4*17-6-6
ハピネス- かんな自由詩7*16-8-1
ちいさな詩人- かんな自由詩9*16-7-22
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