益子




二面鏡の隅に目がある
穴から出ると夜
森には残された息だけが息づいている
細切れの海岸
前日の帰路
煌々と
息もなく 帰宅

二面鏡の
繰り反しの音
隅から
暁に
離陸する偽り
嵐の六月
奇しき一つの石






自由詩 Copyright 益子 2012-04-05 19:23:52
notebook Home 戻る