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薄汚れた曇空から
ちぎれた臓物や心臓の残骸
パラパラと骨片がふりそそいで

どうしようと
大地に平伏していたら

神さまが耳をかきながら
真っ白い雲のうえ
どうしたあ と
呼んでも ....
酒鬼薔薇の絶歌を読んだ
被害者遺族の方のお心を思うと
筆舌に尽くしがたい懺悔を思う
それでも、二度と子供が子供を殺すような
未来が明けることを信じて拝見した

彼の口から語る両親像は、かい ....
精神病の症状が悪化していた時、少年や青年に助けられる機会や、話が合うと感じる時期があった。年齢退行状態だったと思われる。今も父親に頭を撫でられることで精神を安定させる状態なのだけど。しかし現実に少 .... 大切な友人と久しぶりにランチを食べた。
彼女が自殺未遂をして床で昏睡していたら、
「そんなことだろうと思った、邪魔だ。どけ」
と旦那さんに言われてから、ろくに食べていなかった、と、ころころと笑っ ....
光のはやぶさ
水の瞬き
森の溜息
追い来る風
吸い込む私達の鼻腔
いっせいに天を仰いで

胸の袂を開き
秘密を明かそう

あなたの真名
近づく足音に
振り向く人

花びら
 ....
まずしい国
ゆたかな国

お金がまずしい国
心がゆたかな国

心がまずしい国
お金かゆたかな国

愛している人がいる国
美しい秘境をかくす国

山岳が虹を掲げる国
大河が祈り ....
やわらかい毛布

まくらのふくらみ

あなたの手の平

うねる運命線

天井のしま

耳たぶ

かわいた爪

ぬくもり

お夕ご飯

ニンジン

 ....
透き通る光が降りてきて
君の頬を丸く染めた
指折り数えたら
真っすぐ昨日に振り向いて
照れていた「おはよう」が
笑顔で溢れ出る

つがいの鳥は鳴いていますか
細い君の指が苦しそうに ....
友よ

君に捧ぐ

君の生きた城下町

形而上の異なる螺旋状に生まれ落ちた者たちを越えて
一夏を過ごした命の合図

友よ

君に捧ぐ

あまりに美しい場所の風景画に筆が踊 ....
いないいない ばあ

いない いない
そこにはいないよ

いない いない
ここにもいません

私がいるのは太陽
いつもさんさんかがやいている

私がいるのは月
ひとりぼっちの ....
君のハミングが流れる窓辺に
小鳥が一羽、舞い降りて
オペラのソリストのように
ピィーと一声鳴いた

その春の景色を
時間のラッセルで描きたい
奇跡のような風景は
生涯に一度しか出会えな ....
文芸思潮にて最優秀賞をいただいた詩の意訳になります。


銀河の原罪



引き裂かれた純白は紡いだ秘史
*(引き裂かれた純潔は、私の誰にも言えない歴史)
振り向く斜陽は 嘆きの ....
不器量な手だから
なぞれない象徴があった
見届けられない背中だから
言葉に出来ない痣があった

哀しみは木偶人形の口笛
哀しくて哀しくて歌が漏れる
そうやって辿り着いた音階は
成層圏で ....
静かな潮の満ち干きが
袂に隠し持つ黒い手帖に蒼い譜面を奏でる
陽炎の傷痕に海月の脚が優しく絡み
波打つ水面に蓋然性の円を結んだ午前零時の次元の窪み

深呼吸は沈む胸の最奥に聳える鍾乳石となり ....
海からの手招き
ちいさく
おいでおいでと飛沫をあげて
幾千の光があなたを呼ぶ

神の隠した浮島が
夕陽の産卵に砂を捩らせ
浜辺を涙で湿らせる頃
あなたの瞳にひそむ楷が
海底の椚に突 ....
育まれた大地は哀しみに暮れ
あなたの幸せを乞う、と
腐敗した果実を土葬にいだく

還れない連鎖がある
祝し祝される転生の輪を閉じ
静かに響く余韻の産声を預ける

生き写しの影が光となる ....
ひとりの部屋に
はらはらと蛾がさまよい込み
白い壁に逆さまの
ハート模様をこしらえる

こんな日は
蛾にさえ心を慰められるものだ

浮き沈む日は山の間に
虫の囀ずりは蜃気楼のごとく
 ....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも

魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
手の平を透かして、皮膚の内側から太陽が射す
精霊が戯れる木陰にいて
同じ歌を幾度口ずさんでも
けっして消えることのない痕跡
その痣を口移しであなたの皮膚に刻んでは
剥がれ落ちようとする人間の ....
大気の継目
深い呼吸に上昇し
仰げば次元の小径 
真鍮の足跡

蟻となり纏った視野は日輪の槍に射貫かれ
せせらぎは大木に流れを受容される
私は硬直した椅子の背となり空間に浸る
それは賛 ....
からだを崩して
水の音が静かに静かに
重力に逆らい天上へとそそぐ

赤ん坊がボールの中で宙返りをしている
老婆は手編みのベストを厳かにまとって
庭木は樹海の水脈を眩しげに浴びる

洞穴 ....
ひとひらの葉に穴を透かして
虫は陽をあおぐ
表皮を緑に染めるため、
いいえ
葉を愛するゆえに、彼はひとひらを枯らすのです

あなたは私を幼いと言う
一足一足がまるで驚愕だと言う
あなた ....
透明なビニール袋に夜闇を包んで抱きすくめたい。耳梁から泡になって消えていく音楽のように、この部屋に息をしている形容しがたいもの/ほら、私の爪先に侵入していながら体温は南極の氷に閉ざされてしまう。いくら .... ひとつぶの光を追う
求められた大きな聖杯が
冷えた水蒸気をまとう
あらゆる渇きに喉が浸せるように

切り裂かれた流星は象徴を保ったまま幾片の塵となり降り注ぐこの夕闇に
君は息をひそめて自身 ....
糸を伝わる震えとぬくもり
声の往信が私達をつがいの鳩にする

時間が道路なら振り返って走ろう
白線にそって回顧の草を摘みながら
あの白い家屋に飾ってある
陽に焼けた一枚の写真を目にするため ....
引き裂かれた純白は紡いだ秘史
振り向く斜陽は
嘆きの夜を引き上げる
むせぶ人の片頬の躓きを藍色に包み抱いて

腐臭の眼に沈む夜
鈍刀は胎盤を貫き
血の海は溶岩流となって皮膚を焼いた
絶 ....
山際に故郷を茂らせて
霧立つ河は唱和する
悠久の径を手引くように
水面には明かりの灯った小さな神輿が流れ
その一つ一つに幼子が蹲っている
名付けられた世界を知らず
生誕の由縁も語れぬまま ....
脳の誤作動だったのだ
満月がこんなにも喝采されるのは
月は暦を変えられないことの杭を打ち込まれているかのようで
好きになれなかった

あなたの中に住まう狩人は
おぼろげな兎の陰に矢を放 ....
「その炎は陰影でしかない」
そう言って私の指先を吹き消した
あなたこそが、明かりを灯したというのに
たおやかさは無機の温もりを織り上げて
巻糸は摩擦熱を怯えて逃げ惑う

潮流の回遊に永劫の ....
耳を近づけて寄り添おうとするあなたの
頬に触れることは赦されない
私の醜さは
あなたの前では祝福となる
強風の吹きすさぶ耳の中では
秘匿こそが美徳である筈なのに
あなたは一枚一枚
そっ ....
ひだかたけしさんの由木名緒美さんおすすめリスト(33)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
どうしたあ- 由木名緒 ...自由詩4*24-8-26
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「イットと呼ばれた子」- 由木名緒 ...散文(批評 ...424-8-9
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メリークリスマス- 由木名緒 ...自由詩11*23-12-15
感じる- 由木名緒 ...自由詩17*23-12-7
中庸の頬- 由木名緒 ...自由詩10*23-12-2
生きている- 由木名緒 ...自由詩9*23-10-18
君のこころは- 由木名緒 ...自由詩11*23-9-2
喜びの詩- 由木名緒 ...自由詩2*23-4-16
銀河の原罪(意訳)- 由木名緒 ...散文(批評 ...3*22-4-16
五線譜の糸- 由木名緒 ...自由詩6*22-4-11
海の揺籃- 由木名緒 ...自由詩4*21-12-12
海の呼び声- 由木名緒 ...自由詩3*21-12-3
無言劇- 由木名緒 ...自由詩9*19-9-11
夢の晩酌- 由木名緒 ...自由詩3*19-9-3
虫のなみだ- 由木名緒 ...自由詩15*19-7-20
燃えさしの煙草と蝉の抜殻と- 由木名緒 ...自由詩6*19-5-31
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宿り木の元で- 由木名緒 ...自由詩8*19-4-18
地殻の節理- 由木名緒 ...自由詩8*19-1-21
昏睡の祈り- 由木名緒 ...自由詩7*18-12-8
君の命が杯になる- 由木名緒 ...自由詩14*18-12-5
世界は泣いている- 由木名緒 ...自由詩15*18-11-16
◎銀河の原罪- 由木名緒 ...自由詩10*18-5-4
◎裸身- 由木名緒 ...自由詩1418-2-7
満月への返歌- 由木名緒 ...自由詩14*16-11-15
◎救済の作法- 由木名緒 ...自由詩6*16-10-31
◎深海からの伝言- 由木名緒 ...自由詩5*16-9-17

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