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たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定す ....
三本の吸いがらを並べて
川の字にする
川の字は実際の川を
上手に簡潔に表現している

私が漢字なら
縦に一本、曲線をひいて
右上にちょぼ


と書いて「ぬふ」と読む
 ....
老婆が手押し車で
自動車がなければ生活できない
田舎の道を歩いている
どこから来たのか
どこへ行くのか
始まりも
終わりも見えない
一人ぼっちで
寒風に吹かれて、それでも
歩かなくて ....
電気スタンドの明かりに
積まれた本やらは
箪笥の戸にくっきりと影をつくる
曖昧さのない
算数のような稜線を滑っていく
ジャンパーが着地したのは
真っ白な雪の上でした
ぬくい炉の夢でした
柿が自らの重みに耐えかねて
落下するのはいつだろう
近くで見れば黒ずんできているが
遠くからなら変わりなく
まるく楽しい色を放っている
俺は葉の落ちて実だけになった
この柿の木を美しく思う ....
暗い空を
赤いランプを点滅させて
飛行機が飛んでいる
私はそれを地上の片隅で見ている
空をゆく機械鳥
乗客やパイロット
キャビンアテンダント
あんなところにも人がいて
呼吸をしたりして ....
最後尾の車両の
最後尾の補助席に座り
乗務員室の窓から見える景色は
猛スピードで更新される
乗務員室にいる車掌は
言わずもがな運転しないが
駅に着くたびに外に出て
小さな動作をしながら
 ....
山が燃えている
だれにも危害を加えず
火を使わずに山は燃えている
煙だけが上がる
複数の山から同時多発的に
白い粒子を立ち昇らせる
遠くあの山では
山から発せられる煙と雲が溶け合い
標 ....
夕暮れの梢は影絵になって
本に綴じられるのを夢見つつ
黄昏に黄昏られなくなった
昭和の人を慰める

今朝は霧が深かったが
あの夜とちがって私を不安にさせない
霧の配慮だろうか
舐めて ....
薄暗い町になり
日も落ちないうちに
車はライトをつける
年季の入ったシャツは
悲しみを吸い込む

雨はスカイダイビング
それも一斉に
真っ直ぐに
特攻隊のように

果たしたかった ....
ひだかたけしさんのmmnktさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
二分休符- mmnkt自由詩220-1-14
ぬふ- mmnkt自由詩2*20-1-8
手押し車- mmnkt自由詩320-1-6
ぬくい炉の夢- mmnkt自由詩219-12-28
- mmnkt自由詩419-12-18
夜空の飛行機- mmnkt自由詩319-12-16
後ろの車掌- mmnkt自由詩119-12-15
この陰鬱な空の下では- mmnkt自由詩319-12-2
- mmnkt自由詩119-11-23
薄暗い町- mmnkt自由詩319-11-18

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