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部屋に雪が積り、川が流れている。真っ白な部屋で僕は一人、翼をもいだ。
君の背中に僕の、羽根を付け足して、人差し指で星を描いた。
人魚姫の石化した歌。ぼくらはきっと、石に戻れる。
空から石が降って ....
かつて見たことを撒き散らす
夜の遊覧船
僕は見ていた
幸先を試す
二人の老婆を
※
花だけを手折り
匂いにとらわれ
忘れてしまっていた
胞子状の軋轢
※
長い道の ....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋
生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた
それだけ ....
すごく鬱陶しそうに言われた。
「私たち疲れてるんだから、それぐらいしてよ」
だから鍋の中のシチューを温めた。
べつに、なんともおもわなかった。
ちょっとぬるかったかな、とか意識の遠くの ....
私の背中に包丁を入れてください
あーそこそこ
丁度かゆかったんです
そのまま まっぷたつに
お願いします
キャベツというのは
幾重にも丸まって
ドカンといるでしょ?
自分が大きくな ....
人生は時の缶詰みたい
冬の午後に眠りから醒めてそう思った
左手が痺れてる
私の腕は男の腕に絡まっていて
わたしはそれを乱暴に解く
男は寝ている
ああ痺れた腕がうっと ....
暗闇のつくりかたはおしえてくれなかった、調剤を違えたことで淡くにじむ夜に、わたしたちの薄い網膜は死にかけたダイオードのようにうつくしく墜落していく、埃を纏ったディスプレイの熱を、いくつ ....
(嘘っぱちさ)
どうしてこんなにも世界そのものが
深刻さを
どこかに放り投げてしまったのか
深刻な問題はもっと
根深く地中に張り巡らされて育っている
というのに
これはなにかの策略か
....
うごくと
あたっちゃう
にがいとげ ふゆのやま
すぐには
こえられない
わたしなんかに?
とんでもない
やさしさに
ぼたぼたする、
これは
もろさじゃない、よわさじゃない
....
ふりあげた手に握り締めているのは
あれは種播く人の姿
オリオン
秋の夜中
秋の夜長
宇宙塵たちのゴッサマー
去年のそれはとても良く走ったようです
光る尾を長く引きながら
フ ....
貴女の雫の溜まった沼に
私の身体を投げ入れた
赤い月夜の酔う晩に
蒼い夜露に濡れる葦
貴女の雫の溜まった沼は
澄んだ水色 月明かり
藍より深く沈む我が身の
淡い心は宵の口
貴女 ....
あきれるくらいに騒がしい日々
今日もだるい体を無理矢理起こした
歴史の教科書は重くて
過去の寸劇をかきしるしていた
落とし穴を掘っては自分がはまるのを繰り返していた
更新 ....
朝起きて湯を沸かす
洗濯機を回し
仏壇と神棚のご飯を変えて
玄関を掃く
するといつも通りに学生が登校し
その向こう側では山が欠伸をする
洗濯物を干し
朝食を食べ
珈琲を飲む
夫を送り ....
隠れた月、光と闇
一つに混ざり合う時
何処にあるか、何もないか
それも定かでない夜
海も枯れて、土地も絶えて
新しい世界の主
唯密かに、舞い戻るは
輪廻が委ねた箱船
沈む夕日、 ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました
重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない
瀬
壊れ物だけが集まる遊園 ....
詩が何のためにあるか
詩っていますよ
あらゆるものを
名づけてしまうことなく呼ぶために
どの言語も
単語のひとつひとつは
一々長ったらしく説明してられないがための
高速言語
符 ....
モノトーンの本棚に
黄色いちょうちょ
アルマジロはフランス産
きのこの鍵
ポケットにがま口
ゆりかごにコルセット
リンゴ チョコ コーヒー ドゥナツ
ピクニクラララン
にわか雨で ....
どうしようもないことなんか
考えたくもないのに
どうしようもないことしか
考えたくない時間になる
昼間あれほど楽しかった想いも
すっかりふとんの中へ旅立ってしまったから
いい人ぶっ ....
以前のニュースで…
雪山遭難者が自力で生還したというのがありました。
その必死の想いの根本には〜
自分しか老いた母親の面倒を見る者がいない…
という強固な想いだったと言います。
....
こうやって真っ白な入道雲を見つめながら無人駅のホームで涼風にあたっていると
私は永久にこの季節の住人で
それ以外は旅しているだけなんではないかと思う、昼下がり
何もかも果てなく親 ....
車輪を空転させ
巻き上がった金色の砂埃の中で彼は踊るが
石に躓き足首を捻挫する
家でじっとする
永遠に陽のあたる家
しかし彼は照らされたくはないので
びっこをひきながら外へ出る
彼は ....
砂の楼閣。白昼夢の続き。暗黒巫女の暗黒舞踊、白い窓、白い景色、白い歌。
遠くの水溜り、赤い空、滲む夕焼、曇った片目と光。海。空。掲げた腕と祈。
近く、歌う鳥。消えた。光った、あの星の ....
指のさき
雪がひとひら、消えました
わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました
うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました
す ....
アヒル顔の男が道端で鳩を貪り食っている
雨が少し降ってバスが男を消した
蓮根を持ったおばさんが「アバンギャルド」と呟いて横断歩道を歩いていく
空はもう黒
海のように黒
日光浴をしていた男の腹 ....
神様 あんた いたんだね
てっきりいないと思ってた
苦しいことばっかりだから
てっきりあたしは神様に
愛されてないって恨んでた
神様 あんた いたんだね
こんな最後の最後に ....
雨の日のアメリア
ザラメ細工の薔薇は
きれいに溶けてなくなりました
Euglena、みどり、夕暮れ
アボガドもアボカドもワニナシも
わさび醤油でいただきます
スルーするルールなんて ....
負った傷と都合の悪い過去は
片っ端から切って捨てる
少し 尾骶骨が痛い
道端に捨ててうっかり拾われてしまっては大変なので
その都度回収して箱に収めた
赤いの
....
賀正正正正正正正正正正正正正正T
数え切れない ミカンの皮を
今年も 数えて 正の字一つ
数え切れない 悲しみを
今年も 受け止め 正の字一つ
数え切れない 溜息を
今年も 見 ....
裁判員も
考えにゃなるまい
法廷戦術を
ひでえ犯人だ
ひでえ写真を見せられた
隣りの女の裁判員は
ハンカチを口に当てた
本当かな
けど俺だって
衝撃と憤激を表 ....
{引用=ジャンクフードからドッペルゲンガーまでを
わたしの小さな世界の一員と認めて陳列したストアで
コスモポリタニズムを宣言するの。
エキセントリックな彼を愛する彼がとても好きだから
シャネル ....
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