すべてのおすすめ
街路樹の隙間から
バス停が見える
あれに乗れば
会えるのかも知れない
曲がり道で別れた人
咲き果てて枯れた花
泣き疲れて眠った猫
日曜日の時刻表は
当てにならなくて
それより ....
壊れる前に補修するのは
もったいないから
壊れるまで使う
もったいないオバケが
救うべきは
もったいないオバカだ
怒りとも悲しみともつかない咆哮が脳裏でずっと続いていた、目蓋と眼球の間に、書き上げることが出来ない手紙が、皺にならないように丁寧に慎重に差し込まれているみたいで、そんな行場のない思いは瘡蓋の下でじ ....
アルマイトの弁当箱には
頭の焼け焦げたメザシが
白い飯の上に載っていた
梅干しが隅に添えてある
崩れた厚焼き卵もあった
新聞紙に包まれた弁当は
開ける前から魚臭かった
あまりにも見栄えが ....
もういいのです
きみは鼻血をださないように
恋も科学なのです
かったるいものもぶっ飛ばして
でも恋は愛よりもましかもしれません
たくさんの恋の集積と
未知の涙や動揺とともに
初め ....
通りすぎる街並みには
金木犀が甘い香を放ち
賑やかだった蝉の鳴き声は
示し合わせたかのように静まり返り
秋が熱した夏の背を押しやって
青く青く立っていた
あゝまた来たのだな
わたしは ....
良かった
猫を見た時の私の思いは
可愛い だったから良かった
私の中にあるそれは
確実に私のものだ
それは絶対に
誰にも奪えないものだ
驚いた
仕事でミスをした時の私の思いは ....
酸いも甘いも
からすみもこのわたも
かみわけてきたこの私だから
若い女性からよく相談を受ける
「結婚しようかと」
「僕と?」
「まさか!」
「結婚ねえ」
「どうなんでしょ?」
「 ....
僕は
なんのために
生まれてきたんだろう
なんのために
生まれてきたのかは
わからないけれど
生まれてから
父母、祖父母、おじおば、学校の先生、近所の人たち、友だちなど
たくさんの人た ....
剥き出されている
神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した
何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょ ....
やっとわかったよ
地球上で人間だけが
服を着たり文明を持ち
殺し合ったり自殺する
おかしいと思っていたら
どうも宇宙人による
地球征服は終わっていたんだ
拝啓 お元気ですか?
私は今看護学校に通ってます。
でも今めちゃくちゃ後悔しています。
出来たら普通の中年として存在していたかった。
看護師なんか目指さなくてもいい人生を前半から生きていたなら ....
外界があるのに
自分だけに関わり
ひたすら孤独な創造作業をしていかなければならない
彼方から打ち寄せてきた世界を
創造して 創造して
内的な孤独に没頭する
宇宙の闇の時間、
宇宙の真夜中 ....
○「気持ち」
愛があれば
気持ちまでわかる
愛があれば
愛猫や愛犬の気持ちまでわかる
○「変わらない心」
嵐がきても
変わらない心こそ
愛という
○「生きる」
世の中には
....
閉塞してはいけない
開脚もしてはならない
同じ条件のなかでプログラムするならば
遁走する豚の尻を追わなければならない
複雑なきみはミニマムな自己を取得したかい
僕はきみをいつ ....
天国で切れた糸が
ピアノみたいに
足を踏む
痛くはないけど
指に宝石を
残したりして
拭えない夢が
きらきらと光る
運命とは違う色の糸を
選んでしまったから
繋がってい ....
カブールのニュースを見ていた
七つ釦に憧れた少年だった祖父が
「あれは昔のあれといっしょやな」
ふと思い出してつぶやく 諦めたように
いにしえの教えに戻りたい人たちが
キリスト教 ....
○「泣き声」
隣の双子の赤ちゃんの泣き声が
毎日聞こえてくる
愛あるお母さんは
「何で泣いているのか」
わかるんだろうな
○「居場所」
何をやっても許される家庭で
育てられる子ども ....
開いた手には
夢が一つ あったのだった
バスの向こうの通りに漂う
夏の匂いのしていた日
あの日の思い出の風景
手には いつも
はまぐりの味 そして
歩いていただけの海
ここに来たのは
いったいどれくらいぶりだろう
遅い昼下がり
海岸沿いの辺鄙な道の駅は
物産品を買い求める人々や
ソフトクリームやドリンクを注文する人々で溢れかえっている
少年たちが ....
これは墓まで持って行く。
そういうひみつがひとつくらいあるのではなかろうか
わたしにはそれがある。
これは墓まで持って行く、と
目をつむり見つめる
ひみつを見つめたあとに
見あげた空は ....
静けさ 揺れる
にわかな雨、
光の空から
降り注ぎ
宇宙を回遊する言ノ葉たち
凝集しては散開し
思考の流れをこの界へ
屈曲しながら艶やかに
在る物、在る物、造形する
静けさ ....
寝返りを打てば
星が消えるような夜
邪魔者になって
夢の中から
光を奪ってやる
暗い部屋には
悪いことばかり
襲ってくる気がして
枕ひとつでは
身体を守れずに
腕を ....
街を越えて
町を越えて
村に辿り着く
山間の静かな場所
湖があり広い心になる
都会の渦に巻き込まれ
狭い心になっても
故郷に戻れば楽になる
都会を離れて村に戻る
全身が喜 ....
幼さ
若さ
無鉄砲
向こう見ず
傷痕
教訓
女のお尻は男よりも丸い
僕に耐えられぬ、痛みをも知るひとよ
あのなかにはもしや
青い小さな惑星が回っているやもしれぬ
さよならが
折り目のない小説みたいに
積み重なっていく
その時はきっと
少しの哀しみで
瞳の色と同じくらい
光を受け取れるから
前を向けるように
全てを忘れるわけじゃない
....
思考が蠢く
蟻塚に居るかのよう
思考は生きて息していて
感覚を楽しませるために!生きている
感覚を楽しませるために!生きている
そして抜け落ち墜落していく
そして抜け落ち墜落していく
....
吊革につかまる
リュックを背負った妄想の列
モノクロフイルムの
買い出し列車
一応に皆、リュックを背負い
何があってもリュックを手放さない
網棚には何も無い
大したものが入ってい ....
きみの笑顔が欲しくて
生きてきたのかもしれない
きみの苦しみは あたしの外側にある
その時が流れ去るのを待っているしかない
いくら寄り添ってもたどりつけない
深い井戸の底から見上 ....
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