すべてのおすすめ
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく
いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼく ....
昼間、干しておいた敷き布団
どこか小麦の香りかな
ひとまず、嗅ぐ
犬になる
犬になっている暇はない
はやく眠らねば
眠らねば、ならぬのに
やはり小麦の香り ....
キミがそこからいなくなっちゃったので
今はそこにキミのりんかくが幽かにあるだけだ
キミが笑っていたときの
泣いていたときの
壁紙には昔飾ってた額縁の
柱にはねじ巻 ....
いま眠ったら
きっと朝になってしまう
まだ何も変わっていないのに
爪が伸びたり
熱が上がったり
体は息を弾ませるけれど
心はどうなんだ
何も見えなくて
疲れたのかな
寄り掛か ....
強い人に力を見せつけられ
弱い人に夢を見せつけられた
強い人から見たぼくは弱い人に見られ
弱い人から見たぼくは強い人に見られる
ぼくは強いわけでも弱いわけでもない
いたってふつうの1人の人間 ....
ゆうなみ、こなみ
ぼくらのふねは
ながい、ながい
たびじをゆくよ
きいろい、かおした
わたあめだって
まちの、みんなが
わらっていたよ
....
いのちをつなぐものを希望と名づけよう
希望のべつの名を祈りと名づけよう
祈りは清流にすまう虫のごとくに
こころの闇に明滅し続けるのもの
祈りの幼虫が水中にカワニナをくらう
肉食の異形 ....
ぼーっとした子だったわね
みんなが笑ってるとき
なにがおかしくて笑ってるんだかわからないの
でも、「いま笑うときなんだなあ」って、
なんとなく気付くようになったんじゃ ....
圧倒的な魅力さえあれば
すべて
うまくいくのにね
たとえば食事
たとえば逢瀬
圧倒的な魅力さえあれば
願いはくずれるためにある
ダックワーズを
ほろほろ食(は)んで
....
あなたの歩みで星が止まるから綺麗だと思う
欠けていく影 低空飛行で会う街
暗記した電話番号の棘が残る眼
壊れるなら誰にでもなれたね
優しく素材を並べ替える音楽室で
入道雲 ....
世界は終わってしまっていた
ただ 世界が終わってしまったことに
気づかないひとりが
円形舞台のうえで
踊っていた
世界は終わってしまっているので
そこに音楽はないのだが
音楽があるかのよ ....
ぱちん、ぱちんと
爪を切る
飛んだ爪を拾ってみたら
さびしさだった
腰をかがめ
切りにくくなった
足の爪を切る
....
25年前に
「コイツ、こんなこと言ってました」
と非難されて、仕事を奪われるって
結構凄いことだぜ
ナチス残党を追い詰めてる気にでも
なってるつもりなんか?
確かに、腹の中では
とんでも ....
今日もとりあえず元気で行こうハイタッチ
いつも優しいばくだんを作っている
そんなひとが好きだ
ひらきなおれない中途半端な言い訳
落札できまる交換価値とは無縁ではなくても
それでもやっぱり ....
わたしには夫もいない
子供もいない
甘えん坊で手がかからない
拾った猫と平和な日々
幾年かがたち齢を重ね
顔にも手にも無数の皴
....
海水浴場でバイトしている
七月の偶数日と
八月の奇数日が出勤日
つまり、各日ってこと
主な仕事は
海水浴場のトイレ掃除と
浜辺のゴミ拾い
朝八時から午後三時まで
三十分仕事して、三十分 ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て
遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が
風に吹かれて
風に吹かれて
名無しで ....
小さな翅音が聞こえたら
私は思い出す
甘い甘い蜜の滴る
至福だったひととき
刃物を研いで道具に話し掛ける
今日一日の計画を諳じる
目覚めるのがいつも遅い私たち
きっと笑われてる
悪 ....
見る影もなく
下垂の一途を
たどっています
この両の房の中にある
喜びと寂寥、
この歳になればそれはもう
....
胸の上に開いた鍵穴を
溶かしても透かしても
きっと涙しか流れない
遠くで咲いている花や
綺麗なものばかり見ていたし
過去の破片で指を切るような
痛みさえ周り道をする
緩いカーブの ....
ひろびろ青がひろがって
鳥の群れが行き過ぎる
街は熱波に曝されて
子らの午睡を浅くする
*
ちから抜けちから抜け
胸にわだかまる不安感を
呑み込みおれは街を行く
こんなにひ ....
陽が残る夜は
ただ照らされて
その気になるだけだ
世界と同じように
泣いて笑って
影の形をぼんやりと
なぞる風は
どこから吹くのかな
いつもひとりで
ふたりぶんの
景色を用 ....
幾つもの細い絆で
ブラウスを編みました
春になったら古いのを脱ぎ捨てて
旅に出ます
色とりどりの花たち
勇んで会いに行くのです
終わらない争いから遠く離れて
誰と交わしたわけでもない約束 ....
オートバイで悲しいのは
止まっているときに
不安定になって倒れる
立ちゴケが一番悲しい
オートバイで悔しいのは
信号で止まったときに
クルマでの追突で
死ぬのが一番悔しい
人間 ....
『沢村忠、知ってるか
「キックの鬼」で
漫画にもなったんだけどな』
『俺もキックボクサーだったんだけど
ブームが去ってしまって
試合も組まなくなったから
地元に帰ってきて
トラックの ....
私がライカの新品を購入して
撮影に出かける時
いつも感じていたのは
もし落としたり何かにぶつけたら
大変だなぁという事だ
すべてのものを保険に入れるのも
うっとおしいし
....
一つの生をたずさえて
一つの死をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く
今は何もせずぼうとして
うねる夏の光を夢見ながら
美しく深まっていく世界を信じ
....
私の家だと思っていたものは
貴方の家でもありました
「お帰り」と聞こえた気がして
戸を開けて目にしたものは
みんな知っているものばかり
なのに
みんな
私を初めて見るような目をしてた
....
精神科病院で往診の依頼がある時
外来診療で終わる場合は
外来の看護師が医師に同行し
入院が必要と思われる時には
病棟の看護師が同行していた
救急車を運転する職員と併せると
往診は三名で ....
時に心に雪が降る
時に積もれば花となり
今は言葉に出来ない
今は触れてはいけない
明日世界が終わってもいい
背を向けられても構わない
だから繰り返すんだ
続いていくように
泉が何処 ....
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