AB

車輪を空転させ
巻き上がった金色の砂埃の中で彼は踊るが
石に躓き足首を捻挫する

家でじっとする
永遠に陽のあたる家
しかし彼は照らされたくはないので
びっこをひきながら外へ出る
彼は走った、
どこまでもぎこちなく走った、
だれもいない海を目指して

そんな場所は
あるのだろうか
行き着く先には必ず陽があたり
いつまでも家の外には出られない
扉の外は
太陽の墓地
永遠にたどりつけない場所


自由詩Copyright AB 2010-01-07 15:34:30
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