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あなたの部屋にどういうわけか
一本の木が生えてくるでしょう
勘違いしてはいけません
それを自分の一部なのだと
脈を通わせてはいけません
それがたとえ同じ血をひくものだとしても
それ ....
きみんとこ、自動倉庫できるんだ、
ようやく工事物件の話をひとつ掴んだ
いまある自動倉庫を移設したいんだけど、きみやってみる、と現場のコガネイ係長が声をかけてくれたのだった
カタヤマの言い ....
百まで積んだら
零まで崩して
千まで積んだら
零まで壊して
万まで積んだら
戻れなくなる
知って積むのは
罪になるのか
知らず積むのは
恥になるのか
戻れないなら
もう戻 ....
どしゃぶりの雨がふった
桜がようけ咲いたのう、
事務のおじちゃんが
きのういってたのに
はなびらが日差しに透けて
枝と枝のすきまから
春がちらちらもれて
ああ、うらやましいなあ
....
ざぶんざぶん、ザブンザブン。
引いては寄せる波の音
月が見える。
潮の臭い
命の根源
懐かしい風
ここから全てが
はじまった。
時間が止まる
自分が消える
宇宙と繋がる
....
三月の飛鳥山
王子駅から望むと
厳冬時とさほど変わらぬ
枝振りの樹々が
何の衣も纏わず
剥き出しではあるが
陽光に透けて
半月後の桜色の
淡い期待を靄のように
纏っている
穏や ....
サイトーさんの常備薬のひとつに釣り針があって
咳の止まらない日にはそれを喉に引っ掛けてミチさんを釣り上げる
ミチさんは体長数ミリの小人で
だいたい寝ている間に鼻から入ってくる
ミチさんが何 ....
貝の中で眠る
エナメルに身を添わせ
なめらかな肌に
潮騒を聴きながら
貝の中で歌う
孤独とは空間原理
反響して丸く閉じていく
原初細胞の相似形
世界の外では日が昇り
また太陽 ....
この世という巨きな檻で
誰もがひとつの「非常口」を探している
それぞれの足首に鎖でつながれた
鉛の玉を、引き摺りながら
背後から迫る炎の手の、一歩先を
脇目も振らずまっしぐらに ....
そっと抱きよせ
髪をなで
唇を重ねる
何度もキスをした
全てが始まる。
ちょっと苦しい。
見返りを考えない
愛情を与える。
心を尽くし、体を尽くし
愛を捧げる
手をつないで ....
ゆるして
あたまのうしろの
いちばんやわこいところを
食べてしまったこと
知らない間に
食いしばるのが癖になっていた私の歯は
削れてひどく不格好になり
喋れば口内を傷つける
春 ....
{引用=
降りてくる朝の手綱を引いて
静寂の中にひっそり佇む戸口を叩く
小径を満たしてゆく血潮が瞼を温める
レンズの向うに産まれた半透明の結晶が
ぶつかりあって溶けてゆく
あらわれ ....
私の皮膚に
とても近く触れて雨がある
どこからきたものか
わからぬ雨がある
ところで
どこからきたものか
知っている君からの便りは
私からこんなにも遠い
遠い君を想う
今 雨 ....
噎せ返るような鉄錆の匂い
ぞぞぞぞと這い上がる、
正体不明の警告
止まない水音
ひたひたと忍びよるのは
影のない、
転がっていたのは物だった
しなやかな筋肉は硬直を始め
この眼 ....
庭園を吹き渡る気流に乗って山脈を越えると
なだらかに広がる山腹の緑の森と
森に囲まれた湖
そして川があり滝があり
庭園を巡る園路は地形に沿って這い回り
緑の平原は地平まで広がり
その地 ....
発光し続けて
磨耗するフィラメントの
舌打ちみたいな最期の音
疲れた寝床で
その音が何度も弾けた
落ちようとする
意識に
電流を流して起こすみたいに
じ ....
さざなみがさらっていった
いつしか悲しみが
すべすべとした滑らかなものに
変わっていくように
すこし冷たい雨が研いでいった
行き先を見失うときはいつでも
はじめに心をひらいた場 ....
横にずれる
時折見え隠れする
交代の時
予感する
もちろん
偽りだ
話の焦点が合わないのは
君のせいなんかじゃない
月は満ちてる
高架下の恋
囁いたね
過ぎ去ったね
色褪せ ....
階段は途中で空につながる
これ以上は歩けないかな、と思って
これ以上は歩けないかも、と思った
風がとても心地よい季節のことを
寂しさを微塵も感じないで過ごした
短い時間のことを振り返 ....
動き出した特急が
午後の太陽のように
去り行く僕の影を
ゆっくりと引き伸ばす
まだ知らない場所も
通り過ぎた道のりも
結局ここからは見えないんだ
僕はこの町が
好きで嫌いで
....
白いペエジにバラバラと落とそう
もうこんな方法しか思いつけない時間なんだ
空洞はごうごうと風の音しか響かせない
なのにすがりたいほど 指先は震え探す
君の温もりなんて知らない
愛さえ ....
雨が降るよ
春がくるから
雨が重たく降るよ
肌にむずがゆく、すいつくように
風が吹くよ
春がくるから
風が海から吹いてくるよ
タンポポのわたぼうしをとばし
空に白い雲をころがし
....
野良猫がなにかを待っている駐車場
壊れた街灯がまばたきしている路地
さびしげな風が吹いて扉が閉まる
いつもこんなふうに僕は
君の影を追ってばかりいるわけじゃない
冷たい窓ガラスに当てた指先
....
終わるくらいなら
あのこであった、あったあのこじゃない
あなたを貸して
あなたが作ったんだ、揺れてる私
風がくるよ、音が漏れるよ、窓を全部閉めて
私の妹はどこだ
こ ....
あなたが笑っててくれればそれで良い
あなたが生きててくれればそれで良い
あなたの笑顔で存在で僕は生きていけるんだ
戦闘機が買えるくらいの端た金なら要らない
地球を買い戻せるくらいのお金なら欲しいけれど
貰っても使えないさ
ドブに捨てる事なら出来るけど
そうだろう?
友達も恋人も入れないような
そん ....
ねえ
どうして記念日が必要なの?
どうして特別な日が必要なの?
まるで
それが法律であるかのように
型にはまって恋をする人達
そんなの関係ないよ
とに ....
そいつはこの上なく獰猛で
このうえなく強い顎の中に
鉄をも貫きそうな頑丈な牙を備えている
だけど死体だ、死体だ、死体だ
建築計画が頓挫した
コンクリが剥き出 ....
チョコレートを頬張って
寝る前の歯磨きをさぼったら
真夜中に
頭がうなり始めた
甘い甘いチョコレートの逆襲だ
虐げられたカカオ豆農奴の
怨念だ
うなる頭を抱えながら
積み重ねた ....
先生は言いました
あなたも自分で選んできたはずでしょう
と
とと
か
かか
こ
ここ
ボタンから指をはなせば
な
なな
て
てて
折り畳まれた頭をもったの ....
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