すべてのおすすめ
戦慄の瞬き、濃緑のうねり
冷え冷えとした岩峰、空に貼り付き
街道に沿って、男は進む
連れの女の乳房は揺れて
朝の四時まで密室に二人
都会から、遥か離れ人影無く
恐怖にすくむ、ガード ....
夏が来る
懐かしい夏が来る
一度として同じ夏はなかったのに
懐かしい夏が来る
そうなんです
夏が好きで泣きたくなる
涙を流すのは
恥ずかしいことだと
思っていた少年時
伸び放題の雑草 ....
故障してしまう前に
点検や修繕を行う予防保全は
無用なコストを抑えて快適な
家庭を継続するために
非常に大切な作業です
そしてそれを地味で平凡だと
思わないことが大切です
故障してか ....
火力発電の電気で
暖房をつける
時間いくらで働いて
時間を買う
遊ばずに勉強して
遊べる立場になる
ブツブツ言いながらも
社会は交換に応じている
二〇一六年四月一日 「愛のある生」
愛のある生
それが、ぼくのテーマだ。
「生」とは
いのちの輝きのことだ。
しかし、嘘は、すばらしい。
人生を生き生きとしたもの ....
ついこの前まで
白い花を咲かせていた木が
早くも新緑へと移り変わり
午後の日差しに照らされて
青々と輝き揺れている
その木の根元を
春の青大将の群れが
唸りを上げて進んでいく
....
ちりちりと
夜風が弾ける
肌の面
肉から解離し
タマシイの
涼やか響く
原音が
辺りに木霊し
光っている
脳髄はとろり
蕩けるよう
夜風にうっとり
流れ出す
彼方此方を巡 ....
光線は不規則にそこかしこで歪み、まるで意識的になにかを照らすまいと決めているみたいに見えた、ガラス窓の抜け落ちた巨大な長方形の穴の外は無数の騎士たちが剣を翳しているかのような鋭角な木々の枝で遮られてい ....
人のいる場所を歩いて来なかった
だから怪我ひとつしないで
守った心が大きく育ち過ぎた
重なることもなく
はみ出していくから
ひっくり返せるはずもなく
わがままなフライパンを
目に ....
どこにでもいる野豚
愛されているようだ
とてもまるまるとした体
分厚くて堅牢な肉の張り
つややかな桃色の毛並み
支える四肢の尖るつま先
飛び出た大砲の黒い鼻先
与えら ....
真夜中の真ん中に
透明な樹がある
繊細にひろがるその根は
夜の宙に満ちている星々の気を
吸収する
その気は幹をとおり
繊細にひろがる枝葉から
放散される
樹の中をとおるあいだに
....
水しぶきをやり過ごせよ
虹の架け橋
背負わない傷跡を見せたくないから下着も脱がないわ
お尻の大きい外国人のお姉さん
牛さん牛さん、ダッシュダッシュ! ああ腕が回らないお年寄りな実態把 ....
暗い動物には影が出来る
それは四つ足になってはじめてわかること
明るい動物には影は出来ない
トコトコと
トコトコと
死んだ長女の生年月日が思い出せずに私は
区役所でチューインガムの紙を剥い ....
自転車を
練習している子供
を見守る父親
をベンチで見据え酒を飲むオヤジ
を横目に通り過ぎるカップル
を素早く避ける宅配の自転車
が行き交う
駅前広場
をホームから見ている会社員
....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の奥処に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
かつてこの星には100万の
小世界があった
1億の集落と1千の都市国家
黄金の旗がなびくここちよい風が
すべてのサーガがいまでも生きている
きみは英雄でもなくパーティーもなく
大河 ....
詩人は黒ジャンパーに
ポケットハンドで
凍てつく街を歩いている
転んで手をつくよりも
言葉を書き留める
指先を温めている
ごめん違った
自動販売機で立ち止る
コインを入れるために
指 ....
外へは行けなかった
気持ちは列になり
この部屋で待ち疲れたよ
洗いざらしのシャツと
過去の自分にアイロンかけても
折り目に負けずに
歩いて来たから
胸が焼けるほど熱く
君を愛した日々も ....
あぶくは、空襲の記録フィルムを、逆回転させているみたいに
なだらかな曲線を描きながら、届かない水面へとのぼっていきました
遮断された現実の世界の中で、わたしは
眩しくない光というのはこん ....
慄け優しい昼の日差しに
女の帽子の湾曲の叫びを
手を差し延べるのは誰だ
静かに発酵していく発泡と発疹
すべては突き刺さったアイスピック
それはそうだとしてなんでもない
バスが曲がっ ....
二〇一六年三月一日 「ブロッコリー」
いま、阪急西院駅の前のビルに自転車をとめたら
めっちゃタイプの男の子が近づいてきて
わ~
さいきん、ぼく、めっちゃ、もてるわ~
ってなこと ....
そこにいたねこ
にげてった
ねこどこいった
そこにいたねこ
どこいった
にげたねこ
こっちみてたよ
もうこないかな
あのねこは
ねこにげて
ねこのいたとこ
い ....
旅先などで撮った
二人で映る写真
ポジティブな想いしかない
愛し合っている証拠しかない
眩しいぐらい輝く写真
数々の想い出は色濃い
色褪せることはない
旅先で喧嘩しても
些 ....
種明かしは
いくつすべきか?
欠伸のせいにした涙や
大丈夫と笑ってみせたこと
本当は
と
言ったそばから
嘘になる
さしあたっては
感傷を俯瞰しよう
一歩下がって
....
食パンくわえてダッシュして、遅刻遅刻〜、曲がり角でドーン、ぶつかったわけだけど、この曲がり角ってのが厄介でね、本当はかくれんぼしてたはずだったんだから、それがどうしたわけか、曲がり角に差し掛かったとこ ....
● (曙)
薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
光に触れ ....
水面を何度も跳ねる小石のように
弾けて走って抱きついて頬を合わせて
近づいてまた離れていく潮のように
傍にいてでもそのままひとり自由でいて
嵐の中でうねる波が静けさを取り戻すように
圧倒的に ....
ちょっと寂しいけれど熱っぽい宇宙
ワンダークールな時間の始原をゆめみる
いつも隙間だけで君を愛せたのだろうか
それともそれはただの幻想だったの
いつも反論がむなしいように
そのひとが ....
{引用=カルボナーラ}
authentic
{引用=本物の}
classic
{引用=古典的な}
genuine
{引用=純正の}
original
{引用=原 ....
もしもあなたが詩人になるというのなら
その時点で未来はすべて捨てなさい
あわよくば名を上げて、などと
考えるのならはじめからやめておきなさい
もしもあなたが詩人になるというのな ....
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