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雑居ビルの片隅の
空き部屋みたいな光景が
心情として焼き付けられていた
雪の夜
悪魔が暖炉を探して
往来を彷徨ってる
人々は戸を閉ざして
気の早い春を待ちわびてい ....
単純な答をぼくはたぶん知っているのだろう
人生って単純だけど優しい遊園地だなんてね
知性あるいは悟性とかいろいろあるけど
現実を処理できなけばとりあえずぼくだ
珍しい動物新しい道具予測 ....
音楽室
あなたが好きな曲を何でも弾きこなせるようにピアニストになるよ
あなたが好きな曲を何でも弾きこなせるようにピアノになるよ
高原
今はもう存在しないかもしれないその星に
....
心を奪ってしまう
Eテレのくま
まつ毛の下で
すばらしく跳ねる関心
持てないマグを
もとうとする指
区切られた
きみ
裏方のママは腰痛で
でも
わらってる
きみがジュースをこぼす ....
何のはなしだかわかっているわね?
「え?」じゃないわよ
あなた、飛んだでしょ、また
空を飛んだでしょ? 夕べ
何とぼけて眼から光線出してんのよ
こっち見なさい、 ....
段々自分、
ひとりきりの自分を思い出している
昔からいつもノートを持ち歩いているので
「何を書くんだ」とよく父に怒られた
詩を書くとは言わなかった
ペンのインクが減っていきます
インク ....
コロナはただの風邪だって
あなたは言うけれど
たぶんそれは間違っている
恋はただの勘違いって
あなたは言うけれど
それもたぶん間違っている
恋
にわかには覚め難い
肺いっぱいに ....
頭ん中の電球が破裂して
覗き込んだ心ん中は真っ暗闇に変わっていた
俺は口が下手で
上手く意志と感情を伝えられないし
無理してそれをしようとしたりすると
緊張してしまうから
声が引きつっ ....
人に話しにくい夢をみた
その夢はこんな夢
杉の樹だった
長い事ずっと杉の樹
星や森の理性が
ティンカーベルの様に幹を交流してた
そして山火事
白亜層の匂いで
目が覚め
さめた目をさ ....
僕と君はお互いに色を塗り合いたい
おしゃべりは絵筆の一刷き
互いにおしゃべりすることで
相手に色を塗り合っている
君は思い出話で僕を桃色に塗る
僕は仕事の話で君を水色に塗る
そうして互いの ....
残念だけどこの物語はここでおしまいです
眠る前に何かを思い出そうとすると
こんなふうに説明を受けて眼をさます
残念だけどね、残念だけどって
あのよ俺んちにガレージがあってさ
下だけコ ....
憧れ、夢、予感の
余韻の奥に輝くもの
わたしが私であって
私で在らぬもの
未知が胸奥から押し寄せる
感覚を越え
溢れ流れるこの今に
透明な姿になってしまう前に、
好きだった景色をこの目に焼き付けておきたいと思った
一喜一憂の中に浮かぶ心
きみの記憶に降り積もっていく色彩
過ぎ去って風よりも透明になったもの
寒い夜 ....
あやされて育った。雲の切れ間から赤い赤い血が滴る。
ヒロイックな風儀に巻かれないでください。
遊泳する中でも、これ、この指は本物です。
操るのでなく、触る、目を瞑る、と
この指先が、世界の中心 ....
真っ逆さまの光の頂
集めた八重歯を笊で濯いで
女は大きなアサガオの
白い蛾に似た花を吸う
小さな蜘蛛が内腿の
汗の雫に酔っている
生木の煙 風の筆
飛び交う無 ....
人類誕生から6千年
輪廻転生を信じるなら
何十回も生まれ変わって
進化して来たのかな
それでもこの程度の人生か
ちょっと計算してみようかな
例えばこの世で75年
あの世で75年とする ....
生来 勉強についていけなくて成績最悪だったけど
何としても高校だけは出たいと思い必死に頑張った
そして
地元の県立を受験したら合格した
だけど高校生活三年間もイジメにあってしまい
私 ....
閉館前の図書館の灯りを後にして、その子供は夜道を、ひとり自転車を漕いで帰った。前輪の上の籠の中で借りた本が揺れていた筈だ。それは、遡って、学校から帰るとすぐに団地の住まいから4キロメートル離れた図書 ....
いつもよりも暖かい
元旦の寒いイメージとは違い
過ごしやすかった
親戚が集まって賑やかになる
お節料理を食べながら会話
愚痴のようなこと
全く話すことはなく
新年に相応しい内容ば ....
死の影を踏みながら咆哮する血液の垂れ流しざまを嘲笑して落陽を迎え、薄い刃物のように刺さる冷気を抱きながら二十世紀の昂ぶりに打たれて我を忘れていた、過去は嘘に近いリアル、現在はただの空気、未来は夢物 ....
俺は朝から何も食べていない、
ひたすら吐き気の塊だった
静けさに沈む
何もない
静けさに沈む
足場を欠く
俺の肉体と意識は解離したまま、
冬陽の芳香を嗅いでいた
それは明る ....
ここは独房
ここは当直室
ここはギアナ高地
ここは素敵な草原
ここは最後の病室
ここにいるということ
どこであっても わたしがいるということ
外にいるのは刑務官
外にあるのはたくさ ....
一個
半分こ
二個
丁度
三個
幸せ
四個
満足
五個
アンバランス
六個
拒否
七個
怒声
八個
終了
一個
丁度
仄かに明るいこの冬日
雪は遠くで降っていて
陶然と一陽に木霊する
数千数億の銀河の渦が
降ってくるよなこの今に
艶めく若芽の燃え出づる、
感覚知覚を越えてゆく
未知なる時を紡ぎ出 ....
普段は気にも留めないのだけど
ふと気づくと
時があっという間に過ぎている
それにはしっぽも前髪もないので
つかまえることができない
天気予報では雪だったのに
外れてただ寒いだけの日にな ....
「アフリカ大陸は残してもらう」
金に困って
地球は質にいれた
おやじにどうしてもと頼み
アフリカ大陸だけは
手元に残してもらった
帰ってすぐ
如雨露で水をやる
サバンナに
雨 ....
着信
始め
友達
次
本人
三度目
警察
合掌
黄色い昏冥の家路
その途上 突如
視界に広がる路地裏は
「こんな場所に」
学習塾兼文房具屋が
塗装が剥がれた看板のパン屋が
足踏みオルガンの音
....
ひんやりと
聴診器があたる
「生きています。
だいじょうぶ、あなたは生きています」
そう言って
次の患者をまねき入れる
「そうか、生きてるか・・・」
受付で千五百円をはら ....
ツリー
クラッカー
紙鎖
ターキー
ケーキ
ワイン
物悲しさ
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