すべてのおすすめ
僕はなぜこの道をすすむんだろう
ボロボロになっても
誰からも認められなくても
ほんのかすかな気配しかなくても
この遙かな険しい道を ....
『椅子』
もしここに椅子がなければ、
自分だけ
椅子がなければ、
どうするだろうか?
立ち尽くすのか、床に座るのか
だれかの椅子を奪うのだろうか
それとも黙ってその場をさるのか
....
妹が甥っ子をあやすとき
そこには亡き父がいて
二人の顔を眺めては
歌って声をかけつつも
小さな頭をなでながら
いつでも笑って
あやしている。
冷たくなった父の手の上に
菊の花をそっとのせて
石で棺に釘を打ち付けた
冬の昼下がり。
微かに差した日差しの中で
手を振る父の姿が見えた。
それは
我が子を育む願いのように
手 ....
結露が零れて
四季を忘れていたことを
思い出す
煮詰まった思考から直視しか
成らない耳鳴りのように
雑音のろ過を辿る ハッと思い出す太陽からの
折鶴 息の白さ
師走に敷かれ ....
小さな生きものが私に教えてくれる
『必要な分だけで充分だよ
暖かな日差し
綺麗な水
新鮮な空気
全部取ろうなんて
野暮なことはしないよ
....
漏電を思わせる低気圧の真夜中には生焼けの肉の臭いがする、一息に喉の奥に流し込んだハーパーのせいで身体はまるで蒸気オーブンのトレイの中でぶすぶすと少しずつ焦げ続けているみたいだ、ベルベッド・アンダー ....
一日中縁側で過ごす人は
陽の目を見るのが少なくなった人だ
何を話すでもなく 寄る猫を追い払うでもなく
牛乳屋を見送って 小学生の登下校に目をやりながら
物干し竿がハンガーごと錆びていくのを ....
昨日見た夢
全く意味不明
何もないビジョン
いっそ鳥になろうピジョン
先の見えない迷路
俺の未来は何色?
俺は勇者のはずだった
今は家でシーシャ吸ってる
自分に何もない ....
人間というものは
孤立したものではなく
だれかの子どもであったり
だれかの孫であったり
だれかの友だちであったり
だれかの父母であったりする
そういうつながりの中で
人を見ることである
いつからかどこかからずっと聞こえている小さな悲鳴は僕のものなのかもしれないしあるいはまるで関係のない誰かのものかもしれない、ポータブル・ラジオがたまたまどこかの国の電波を拾ってしまうみたいに僕 ....
修学旅行で長野の永平寺に行った
若い坊さんが
俺たちのホストだった
晩御飯を食う前に
「いただきます。」
て何をいただくか知ってるか
奴は得意げにそう言った
そんなネタ俺は知って ....
願えば願うほど
現実は薄まって
縋れば縋るほど
細くちぎれてしまう
時間でしか埋まらないこの距離を
終着駅へ 少しでも先へ
願えば願うほど
現実は薄まって
縋れば縋るほど
細 ....
海に近づくと一瞬の真空がある。
漣は失望のように浜辺につもり、
明日を生きる人は海を捨てた。
漂白した回想が水泡となったころ
海は思い出したい人を抱いて、
漣はやはり、つもるばかり。
....
遠すぎて寂しく冷たい距離を
縮めるための光が溢れて
眩しさを知った心臓の痛み
ガラスの中の記念写真みたい
美しいものはどこにあるかな
今ならきっと教えてあげられる
君が瞼を閉じ ....
僕の心は、僕の思い通りには全然いかない。
思いもしないことで、僕の心は傷つくし、
思ってもみない何かを、今も僕の心は想ってる。
僕の理解を越えたところで、僕の心は何かを感じ続けている。
だ ....
落ち葉が集まる
回転ドアの中
振り返る季節に
折り目をつけようと
頬を叩いた紅葉が
赤くなって
蟹みたいな歩き方で
立ち去る
人に踏まれながら
指を捨てたら
大事な約束を
....
最近、寂しいところが少なくなった
宅地開発が進み畑はなくなり
無人化した団地は壊され
樹木は切り倒され、インフラ工事は進み
ホームセンター、リゾート・ラドンセンター、
24時間営業の店、 ....
あゝ、それにしても
時代の騒音は
どうしてこんなに胸に残るのか
夕べ、楽しい
笑顔の写真をみた
懐かしい、カーニバル
踊り狂った
ふたりの距離は
どんな不幸も忘れさせてくれ ....
架空少女事典
あ から ん までの
きみ のこと
ろくがつ だけが
かすんで る
水田
帯解寺の帰り道
奈良の盆地の五月晴れ
水田若穂に渡る風
....
世の中、
人間からや自然から、
悪意や理不尽を、
感じてしまうような時、
わたしたちは普段を試されている
普段、世の中を、どう感じているか、試されている
日々、 ....
枯葉のように
舞い落ちた
夏の日の恋
白いボートで
あそびながら
エメラルドグリーンより
コバルトブルーのほうが好き
紅葉のころに
また来ま ....
暗い色のカーテンを閉めて
部屋に閉じこもっていると
雨が降っていることにさえ
気づかない
それでいい
寂しい雨が降っているだなんて
むしろ知りたくはないから
気づかないふりを ....
ワイフは僕によく言う
「わかっているのに
なぜまちがえるの?」
それで僕は返す
「わかっていても
まちがえるのが僕なんだよ」
君の世界も僕の世界も
ある
それは
ここかもしれない
ここではないどこかかもしれない
ありをりはべりいまそかり
あしたのためのむかばなし
りくのさ ....
とにかく大谷はすごい
生きてるうちに夢を叶えてくれる
動物たちがみな
肉食でも草食でもありたいように
ピッチャーでもバッターでもありたいのだ
あなたがそう言うので
じゃあ、ロボットの私はど ....
青い鳥 幸せの
とはいえそれは
細い翼のその先の
先の先まで青いとは限らない
けど青い鳥
刈り上げられた田んぼの畦を
歩いてくるのがカツオさん
古びて背の高い人で 猫背で
....
きみの呼吸は、いつもきみの近くにいる。
きみの温度も、いつもきみの周りにある。
いつだって、きみの命はきみの味方で、すぐそばできみの全てを見守っている。
だから、一人ぼっちでも大丈夫。
き ....
日陰に隠れていた
雪の子が見つかり
陽の下に散らされ
きらきらきらきら、と
子どもたちや猫たちの
軽やかな足音と踊って
あの空に昇っていくよ
だれもが春めくなかで
ひそやかにひ ....
何がいけないのだろう
何が咎められるのだろう
信じていればいいではないか
自分を、他人を、何かを
「これでいいのだ!」
とバカボンのパパは言い放った
これでいいのではないか
....
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