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唾を吐き出して、溝を入れ換えてみる
(ああ、そうか、悔しいのでしょう、)ね。)
何一つ生まれてはこない、ここ庭の隅で、ですからぐるり
と囲う柘植の柵をいつまでも見届けるのわ、らわら
右に ....
僕たちは
綺麗なものが
似合うように
努力をするけれど
その眩しさより
弱った光の中で
同じくらい
傷付けたら
指輪なんていらない
この身体ごと
転がって
語り始める
....
仮面を被って話をするのと
スマホの画面を通して
話をするのは同じだ
もう好きではないけれど
まだ嫌いではない
画面を通じた話のほうが
穏やかなのはもう冷戦だからか
冷戦のほうが平 ....
先が見えない学校に
行かないのが不登校
先が見えない学校に
行くのが不透明登校
行くだけましだと言うが
行かないと決めるほうが
傷は広がらないとも言う
心が強いなら
行かな ....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。
その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを孕んでいた。
膨ら ....
歩いてきた道を憎むな
歩いてゆく道を憎むな
道に物を捨てるな
道に物を落とすな
再び戻って拾える保証など無いのだから
....
きらびやかな空が 剥がれ落ちて
菫の咲くほとりをたどって
指たちの
踊る環
ひとつ
ふたつ
みっつ
やわらかな綻びから
洩れる調べの
....
いのちを
思う私は
手を合わせ
目をつむり
見つめる
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
物質にも
役割という
いのちがある
私にも
役割がある
私は不安なのだろう
だからこそ
私は安心も出来るはず
余白を持って
ゆったり行こう
{引用= ....
黒いジャケットを
着るということ
その中に
明るい未来を
描いていること
少しの笑みが
壁を越えていかないように
シャッターを切り
尖った肩で
並べていくこと
鏡がなく ....
お姫様が3人もいる
可愛い王子も3人…
それでも物語は成立していた
しかし私には1人の姫しか
目に入らない
そして段々
その愛らしい姿も
見えなくなってきた
ボヤけてきたから
1人の ....
人にぶつからないように
生きても
まだ残ってる
四隅の角で
言葉を交わして
生まれた物語
優しさで晴れた空と
苦しさで切れた糸が
僕等の首を絞めた
この本の重さは
一緒 ....
それは差別だ
まてよ区別だ
ちがう特別だ
私はどこでも嫌われて
居場所が無かったから
ここでもそうならないように
頑張っていたら
何でもできて
解決していくことに
嫉妬されている ....
保湿クリームの温かさに聞く
明日はどんな現実を生きるの?
今日よりちょっと良い?
甘えて聞いてごめんね
どんな風になっても
私が生きてるところが現実
頬にクリーム伸ばしながら
夢 ....
お花があって
それから
けむり?
雨ふりの森の中みたいな
ちがうよ
びゃくだん!
くすくす
しっ!
こえだしちゃ だめ
おそーしき?
そう
おそーしき
ぼわぼわって空気が
静 ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
私にとって詩は、研ぎ澄ませるものではなかった
周りで誰も描いていなかったから、やるだけで飛び抜けた
書くこと自体は好きで、たくさん書いた
随筆のように、物語のように
毎日書いた
ある ....
白く切り取られた窓枠を
鋭角の冷たさで打ちつける
無数の横顔が
冬の静脈に溶け込んでゆく
*
血の色をした道標を
ひとつ、ひとつ
指で辿りながら
埋葬した言葉を
ひとつ、ひと ....
暗鬱としたコード進行が
延々ループしながら続く
僕らは没頭しながら従う
次々開ける光景は白昼夢
明るんだり暗んだり
いずれもそこは極北の地
いずれもそこは極楽浄土
君は泳ぎだし
僕を導 ....
海の鉱石は
どこにあるのだろう
潮水
浜辺の砂の中
海底の岩窟
松毬魚の眼球?
独りぼっちのエメラルドグリーン
ずっと見惚れていたいけど
視線は波にさらわれて
浮島の両脚のように ....
待っていたのは太陽光線を浴び始めた雪の結晶だった
億千の結晶の乱反射が
きら きら、きらと
生き物のように動きながら
わたしひとりの岳人のために
おびただしくひかりは踊っていた
駆り立 ....
仮寓の蝸牛には
やり残したことがいっぱいあるのだが
奇遇という気球に乗って
無音の空の旅をしてみたかった
修羅場という修羅場がなくて
絵になる風景も知らずに
雑踏に紛れて遺伝子 ....
気怠い声を
突き刺さる声を
遥かな地平に放ち
失われた故郷からの応答を待つ
懐かしい高曇りの大気の匂いに誘われ
剥き出される異邦の孤独が
両手を広げ帰っていく場所
振り絞るように ....
「今夜、付き合ってくれない?」
それ程
親しい関係じゃ無かった
けれど
それが最初の切っ掛けだった
カウンターに両肘を着いて
トロンとした眼差しを向けて
グラスを傾けながら
....
二十歳の頃のこと
十三歳年上の既婚の女性に誘われて
ご主人が夜勤で不在の時にだけ
夜の相手をしたことがあった
連絡は彼女からで
人目に付かないよう
夜中に訪問しては肌を合わせ
体を重 ....
日々は坦々と過ぎてゆくようにみえても
沢山のトラップの集積なのかもしれない
科学は未だ心を捉えられないまま
運命の神にすべてをゆだねている
誰も閉塞してはいけないと思う
誰をも不幸に ....
彼は
推測する
私たちの
国が
かつて大きな国で
貧しい
とても
今は
だが
私たちの国の国民たちは
やがて
勝利するだろう
経済的に
と
私は信じている
それを ....
ランチにはならない午後に
食べた
優しい人のサンドウィッチ
トマトとレタス、ちょっと多めのマスタード
が好きだった
歩く速度が速い人だった
未知の世界に憧れて
いつも静かに笑 ....
雑然と立ち止まる地
夜には目覚め
朝には忘れてしまう
記録したはずの/瞬間
径路/不覚
寒さに囚われて
思いだすこともない言葉たち
....
突き破る、一月の低気圧
のっそりと爆弾抱え
明日は雪
ぽかんとひとり
動かない青空を 見ている
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