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雨を収めた油燈を持ち
光の先を追っている
呼吸の近く 銀は増し
振り向くたびに水は映え
標と標の会話をふちどる
沈む沈む
水は遠く 地も遠い
話しながら髪留め ....
大きな空の真ん中に
言葉にならない穴があって
その奥の色は群青色で
いろいろなランプが
つり下がってる。
いつでも自分は一人なのですが、
このごろますます一人なので、
言葉に ....
貴方の家とあたしの家の距離は遠い
片道電車で一時間と千円
高校生にはちょっと厳しい
貴方は忙しい働き者であたしは時間のあるのんびりや
時間が合わない
貴方に合わせて深夜に二時間
....
箱舟の寡黙 見えざる夏の稜線を
朝まだきに眺めて 路上にあり
消えよ消えよと啼く鳥の声が
15年前のように息苦しくさせる
目を閉じて生きてゆけば良いのだと
あなたが言ったのだと
誤解し ....
ここに戻ってきた
狭いけど おちつく
あたしのキッチン
安い焼酎の炭酸割りの
グラスをもって
シンクの扉によりかかり
へたり込む
このひんやりとした感じ
ほどよいスペー ....
公園の芝生と歩道の段差くらいの
遠い昔のあなたを思い出すと
とっても小さかったのに
空がさわれるほど近かったことが
さほど不思議でないことは
どこかで覚えているものです
黒いベールを外す瞬間を
思い浮かべて
銀の食器を並べている
今宵は月夜
一夜の逢瀬
誰よりも会いたいって
自由に伝えられない
私を可愛がって
空に浮かぶ
闇夜を切り取って ....
ひまわり病で
上ばっかり見てる君は
あたしが大切に育てた
小さい芽をけとばした。
突然にドアが閉まり外は雨で晴れた嘘で
求めあってそれを拒みそれを受けて袖を噛んで
意味を探す世界中の老いたメディア無為な学者
帰る場所はやがて私原子核の雲のように
情熱は延焼する劣化しつつ ....
この草の匂いは
懐かしくない
どこか
遠い所で育った
草だ
この周りの
草ではない
どこか
知らない場所で
育てた
草だ
自分を責めるたびに
馬鹿らしくなって
結局わたしは変われないのだと、思い知らされて
他人を責めるたびに
申し訳なくなって
結局わたしは嫌なやつなんだと、思い知らされて
わたしにこの ....
僕は君がすきだと思う
その細い指で君が
未来みたいなグレープの
ジュースを淹れている
夜のさらりとした空気が
僕らの間に横たわって
少しかしげた君の首を
そっとこちらへむける
....
ゆがんだ
細長い背もたれのいすに座って
ぼくたちは半日を
大きな絵のように過ごした
首筋を汗が
降りていく牧場で
太陽が庇の縁をなぞって
ゆっくりと半円を描き
ぼくたちは昏い絵 ....
季節風を操作して
思い出を計測するための
単位を探している
藍色の総譜には
奏でられない音符
アレグロの雲の行進
秋の実りにむけて
受け取りきれない
痛みと喜びを
....
仲間面して
左手の銃をぶっ放す
撃ち抜かれた心臓から
どす黒い血液が
・・・・・・おれが
人間だって
わかったか?
裏切られた右脳が
風に吹かれて
泣いてた
貨物列車が
運んでいく
悪夢を
受胎する 駅
怒りで熟した
果実を齧り
したたる 未来
過去と未来の反復→恍惚
君の名前を叫んだ
花の名前 可憐な響き
嘘
が
舌 ....
スーツが似合うようになりましたね
わたしは褒めているのではないよ
代わりに隠してしまったあなたの素顔が
しかたないさとため息つくから
あの誰にも壊せなかったあなたの庭を
閉ざした扉は ....
りゅうおうがせかいのはんぶんを
お前にやろうとか何とか
そう言ってるが
....
ぼくは一人で
柱の陰に背をあてている
柱の外の
広がる世界のそこここに
ヤスコとトシユキとマユミとアキラと
たぶん立ったり座ったり けがを負ったり
だれかの太ももをたたいたりしているけ ....
冬瓜は夏の瓜
翡翠色に煮あげて冷やして食べます
石敢當さんの好物で
石敢當さんは
「これを食べると力が出るんだ」と
夏中ほくほく食べてたそうです
今では季節以外にも見かけるようにな ....
{ルビ迸=ほとばし}るような闇を消す
{ルビ脆弱=ぜいじゃく}な朝の光が 嫌い
せっかく隠すことのできた
僕の醜く{ルビ霞=かす}んだ心を
いとも残酷に {ルビ曝=さら}け出す
....
なんか違うんだよね
しっくりこないんだよ
居心地が悪いっていうか
今日一日ずっとだぜ
ずっと
最悪だ
ああ嫌だ
実を言うとさ
本来は
右寄りなんだ ....
グレープフルーツは嫌いだ
皮をむくのも 半分にして食べるのも
じょうずじゃないから
取り切れない実を見ていると
罪悪感で目が細くなる
なのに夜に飲んでいる
コップの中にジュースとして入 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景
角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
眠らないバスにのった
眠れないぼくは
あの野性化した雲といっしょに
あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう
写真でみただけの
マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
100722
90日間で世界一周!
80日と君は言う
休みを入れない旅先で
10日間が惜しいのか
元気いっぱい歩いてた
どこかに消えた十日 ....
ある夜
金平糖を舐めながら
階段を上っていると
月がけらけら笑うので
気分を損ねた僕は
ふっ!っと金平糖を月にむかって
吐き出した
すると金平糖は鉄砲玉のように
月を貫いた
ぎゃ!っ ....
古本をさがしに
町に出たのですが
足をひねって
歩くのがつらく
花屋の前に
すわりこんでしまい
どこからか来た
蜂の羽音に
彼の目的が
花だと思いながら
か ....
{ルビ顎=あご}を上げれば ほら
水面が見える所まで
来てる
蒼い天辺で {ルビ揺蕩=たゆた}う
陽光の揺らぎが
手を犯してゆく 日を夢見て
砂を{ルビ踵=かかと}で慣らしながら
....
灰色の道を 千切れた
白い線が 刹那に通り過ぎ
目で追っては 疲れた瞼を
こすりもせずに 遥か地上の
景色を見下げる
椅子に座った身体は
いよいよ速度を 上げていき
目まぐるしく ....
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