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ヘリコプターが入道雲を迂回して行くから
早く仕舞わないと
また夕立ちが来るかもね

おおよそ六千年前
あなたは埋められた
たくさん食べ物が採れ
家族がいつまでも一緒に暮らせるようにと
 ....
中央アルプスと呼ばれるこの山々は
今でも年間数ミリ隆起しているという
主峰、木曽駒ケ岳の山頂からでも見えない
はるか太平洋の海底の
大いなる力に押されて

遠州灘で雲になった水蒸気は
天 ....
季節の企みはいつも残酷で
美しい踊り子達が咲き競う
真夏の舞台に素裸で引き出され
お前も踊れと囃されている
毒で相手をとり殺す化け物と
囃されている

あるいは
冬枯れて朽ちた安穏と
 ....
ハナミズキが咲いたよ
あなたが言う
サクラに遠慮していた花たちが
一斉に溢れ出す頃
ピンクと白の並木道、懐かしいね
あなたはまるで植物図鑑のよう
花の名前覚えると楽しいって教えたの
わた ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
思い悩み
どうしても考えがまとまらないときは
一歩外に出て、深呼吸をしたらどうですか

この星は
内なる熱に悩まされ
運行の遅れをとても気にしていました
でも、やはり
一夜で辻褄を合せ ....
人影絶え
陽炎立ちゆらぐ道
夾竹桃だけが
問いかけるように咲く

流れる汗拭おうともしない
これからのこと考えると
ただ、ただ胸苦しくて
先を急ぐ

額縁のような夕闇
これからど ....
春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い

そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い

いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
 ....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため

散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
 ....
山の麓、谷間の果てる所に家はあり
冬場はいつも風花が舞っていた

ストーブは子供の役目で
おっかなびっくり薪を割り
煙にむせびながら火を起こし湯を沸かした

町までは午前と午後に1本ずつ ....
涙、あふれて止まらない
まるで透明な血
鼓動にあわせ
まぶたのずっと奥
体の真ん中から
どくどくあふれて止まらない

もういいからと
誰かが許してくれた
誰? 何を?  ....
「許してやれ」
その声に振り向いたとき
体が溶け始めた
「誰を? 何を?」
その声に問いかけたら
自分が溢れ出し
全てが流れ去った

「許してやれ」
再び響くその声は
天からのよう ....
スッピン知ってる俺の時より
帰省の化粧は気合いが入るとか
親戚のおじちゃん、おばちゃんに
「いやぁ〜、アカ抜けたねぇ」と
言われたいためだけに
いつもの百倍厚く塗る

気張って作る西洋料 ....
鵜飼千代子さんの西天 龍さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
土偶- 西天 龍自由詩116-10-23
Ω(オメガ)カーブ- 西天 龍自由詩713-6-22
夾竹桃__~夏が来るたびに~- 西天 龍自由詩513-6-9
あなたと違う季節- 西天 龍自由詩213-4-14
とても控えめな愛に育まれていた頃- 西天 龍自由詩24*11-2-1
秋分点- 西天 龍自由詩2*10-10-8
夾竹桃が咲く頃- 西天 龍自由詩3*10-8-8
いのちの匂い- 西天 龍自由詩6*10-6-23
次に来る者たちのために- 西天 龍自由詩8*10-5-6
風花- 西天 龍自由詩11*10-3-27
涙あふれて- 西天 龍自由詩4*10-3-20
許してやれ- 西天 龍自由詩5*10-3-8
田舎モンの厚塗り- 西天 龍自由詩4+09-12-28

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