腕の中の君
朧月

僕は君がすきだと思う
その細い指で君が
未来みたいなグレープの
ジュースを淹れている

夜のさらりとした空気が
僕らの間に横たわって
少しかしげた君の首を
そっとこちらへむける

なんとなく悲しいと君が言い
言葉が終わらないうちにふさぐ
だれにも連れ去られたくないんだ

君は僕のもの

決まってる道なんて知りたくない
キメゴトもわからなくていいんだ
君の体温だけが僕の
胸を伝ってくればいいんだ

君はもうなにも言わなくなる
僕の手の平の中の
全ての線を読み解こうと
するように じっとただ見つめた



自由詩 腕の中の君 Copyright 朧月 2010-07-24 22:03:02
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