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しぼ虫はしぼんでしぼんでしぼみつくして
しょんぼり虫とであえたころには四月の宵
単四電池にまきついてだきついてころがり
ベッドの下にまで旅にでたらわすれられて
からっぽのリモコンの席にほこりが ....
政治家は

捜査を受けて

強くなる

立件逃れを

恥じずに誇る
河原で石をひろう人たち

   貴方に触れない私なら 無いのと同じだから
                鬼束ちひろ『流星群』

蔵王の河原で石をひろう神の子たちがいる
名もない石に名前を ....

にもうすぐ会えるところまで来た角で、
 呼びとめたのは、

だったから、
 ふり返って思わず

をだしてしまった
 平熱からの逸脱線、
超え
たのはいつだったのかと、
  ....
ぽっとでの自由は、老いたる自由にむかってスリッパでもつっかけるように言った
「おじいさん、あなたはすっかり、不自由なご様子じゃありませんか?」
巨匠とよばれて久しい年配の自由は、寝椅子のなかで遠く ....
これから星めぐりのしらべはもっとよくなることだろう、
   それよりもすばらしいのはわたしのなきがらが蟻にはこばれること

そこでながされる血は路ぼうのおくちをたびするだろう、
   はじめて ....
長年カーよいなれた湖畔のドライブインがゴールインしたというので、祝いにいった。
助手席には白樺がフロントガラスをくりぬいて座り、はやくも車を湖沼にみちびいた。
故障にしずむクラッシュカーに枯葉がお ....
詩をさがしても必シになることはない
糸をたらして蜘蛛のようにおりてくる
視点と蜘蛛の交差点の上に支点がある
蜘蛛を息でゆらしても支点はぶれない

背と腹を交互にむけながらまわる蜘蛛
あたか ....
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉と ....
あなたと見た県境のダムはゆたかな思い出をたたえ
ときをへて今もわたしのもとに春の潤いをとどけてくれる
ふたりでダムのうえを歩いて堤体の縁をなぞり
底にしまわれた互いの想いを胸にだきいれたあの ....
必要のない階段がわたしにとって必要なのは
 閉鎖(とざ)されたスクラップ工場の壁にひっつく残骸で
  時代にとりのこされた孤独の分身そのものだから
   この苦々しい感傷をくろい笑いでわたしが踏 ....
雪のように白くても白は色で尻にはなれない
どれほど尻にしかれようと色は椅子ではない
白の住まう城が尻であっても尻の穴はくろい
とはいえ尻の家が白かといえばいいえだろう
白は色であり家にしろとは ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている

地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない

花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって

さまよえるその ....
               ―ハーバート・ウエストに―

いまでは はっきりと 聞こえる 書物の なかの 足音を
それは まさしく 死の 忍び足 
音なく しかし だからこそ 歴然と
ペー ....
濃密なすきまによって武装された道化師の衣装
時代の手綱を放れて八頭だて馬車がもぐりこむ
目をこらす間をうめてミクロはマクロを着服し
際限のない馬蹄の音で布袋腹をリピートさせる

いついかなる ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
 ....
   ついにわたしの頭から木こりは離れなかった
   そこでわたしは木にいった
   「切ってしまうぞ」と
   しかしそれはわたしのもっともお気に入りの四季であり
   秋だった
     ....
夏まっしぐらの緑したたる峠にあって
世のくさぐさは置き去りにみちている
だれがいったい気にかけてくれるだろうか?
路傍の瀬戸際でひんまがったガードレールを

曲がりなりにも身を呈して明け暮れ ....
神に祈りを捧げてみても

祈りのなかにも神がおり

神は透ける祈りを楽器にこめて

あたかも空気が氷と化すように

不変の裸像を音色でかたどる

かくして私がいつも祈るは

心 ....
アメリカのボスがみたびやってきた。
「ヘイ、アナタマダ無職ラシイデスネ」
「ムショぐらしだよ」
「オウ、無償デ奉仕?」
「ほうしなんかするか」
「オウ、ホシクナイデスカ? ホシャーク」
「 ....
神から見捨てられた者でさえ

人の手によりて熱く掬われる

神が手に余るほどの破廉恥も

人に宿りて救わせる神の御業
         幻想は果実をおおう皮のように一枚また一枚と落ちていく
                    ――ジェラール・ド・ネルヴァル


森の奥、池のほとり、古城の豊かな眠りの中で
 ....
転倒しそうで、転倒しない、てんとう虫。
背が裂けてわれ、血がふきだすかと思いきや、
背中はふたつの羽となり、身はかるがると天に舞う。
そのようにして文字虫も 裂けて詩へとなればよい。

重か ....
アメリカのボスが最後に向かってきた
わたしはすぐに口火を切った
「アイム ソー ソーリー」
アィマレバ ソレデ スムネー
「アイム ソー ソーリー」
アィマレバ ソレデ スムネー
「アイム ....
アラガイsさんの菊西 夕座さんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
しぼ虫- 菊西 夕 ...自由詩7*24-4-6
恥を知れ- 菊西 夕 ...短歌1*24-3-17
河原で石をひろう人たち- 菊西 夕 ...自由詩5*24-3-10
頭が煮つまったときにこころみる詩薬- 菊西 夕 ...自由詩5*24-3-2
証券死場- 菊西 夕 ...自由詩524-2-23
再生_―空洞という名の根のしらべ―- 菊西 夕 ...自由詩3*24-2-18
めぐる季節にドライヴィン・ローリン・クリスマス- 菊西 夕 ...自由詩3*23-11-26
無重力の殺意- 菊西 夕 ...自由詩4*23-11-12
腰痛の懐妊とそれをすこしでも緩和するための詩- 菊西 夕 ...自由詩9*23-11-5
ダムは今もゆたかな孤独をたたえ- 菊西 夕 ...自由詩5*23-10-9
必要のない階段_ー下り編ー- 菊西 夕 ...自由詩3*23-9-25
知りえようもない恍惚の槌で頭骨に築城する- 菊西 夕 ...自由詩5*23-9-23
雲の披露宴Ⅱ- 菊西 夕 ...自由詩6*23-9-3
眼鏡は明瞭_かければ_迷妄~死人がやっぱりふらついている~- 菊西 夕 ...自由詩2*23-8-27
花のない満開の春- 菊西 夕 ...自由詩2*23-8-20
よみ人しらず―死因は「熱中症」とだけー- 菊西 夕 ...自由詩4*23-8-15
きこりとスゥイーパー- 菊西 夕 ...自由詩3*23-7-29
美の真髄は置き去りのガードレール- 菊西 夕 ...自由詩3*23-7-22
ガラスの外れたあばら窓- 菊西 夕 ...自由詩3*23-2-25
アメリカのボス_みたび(たびたび修正)- 菊西 夕 ...自由詩1*23-2-12
神の見えざる手- 菊西 夕 ...自由詩1*22-10-16
白ユリ~またの名をシルヴィ- 菊西 夕 ...自由詩2*22-10-10
てんとう虫- 菊西 夕 ...自由詩1*22-9-25
アメリカのボス- 菊西 夕 ...自由詩1*22-9-11

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