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坂の最後に名が落ちていたら
さかなにあげてください
と坂が頭をあげて願いでた
ひとに頼むなら頭を下げろ
と坂をふんであがっていくと
坂が途中から逆立ちをして
先に下げておくべきでした
と ....
歯がはえて、歯たちがきれいにそろったら
きみはもう、はたちをむかえたおとなです
居ならんで、自他がひとつに緊密し
糧をえる、顎の砦を築くのです
歯のひとつ、それがきみの立場でも
べつ ....
――彼の眼中には、アッリア・マルチェッラのあの漆黒の黒い眼と、
多くの世紀に打ち勝ち、
天変地異すらそれを保存しようとした、見事な胸しかなかった。
....
――完成された時のなかでは、空想だったあの人も、生まれ、生きて、心をふるわせ、
すべてのとまってしまった血をもういちどあたためてくれる。そのとき、わたしの血は、空想から現実へと輸血さ ....
――その信念が彼の妄想を厳粛なものにし、
ぼくにとって真実と同じくらい印象的で興味ぶかいものにしています
メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』
....
うちらのいのちはこんもりとしげった森ではありません
そこのわれてるひと匙にすくわれこぼれる朝露です
かの俳優はめをとじて出ばんがくるまでうごきません
さんりく産の朝採りがとかいの露店にならぶ ....
ワニのひっくりかえった庭 ~きょうも仕事づくえに牙たてて~
――ではみなさん、
喜び過ぎず悲しみ過ぎず、
テンポ正しく、握手をしましょう。
....
こんな歌はいかがでしょうかともってきたのが鍋のうた
お湯をたっぷりいれてから強火で強気にあっためて
ふたをおいたらあたふたと歌いだすのが鍋のふた
ぶくぶくいってる熱湯にあおられまくりのパッシ ....
おれらのマミーはすっかりダミーでどれが実母か実像ぼやけちゃってる
あっちじゃ酒マミーれ、こっちじゃマンマミューズ、そっちじゃ年じゅー夏休マミーさ
オウ! 擬態にあけくれるヒビとヒビ割れるマミーの愛 ....
死んでも旬でいるために
生はどんよくに波をかく
波うつことで脈ありと
信じていけるその日まで
脈動はきざまれた
きざまれてわかたれた
脈動はわかたれた
わかたれてきざまれた
わたしとあ ....
異端シャレ問の黒い影がついにオラの詩にも忍びよって喉元を強くおさえつけた。
・・・・・・しゃ、しゃ、しゃれべない、とようやくオラはどうにか自白すた
シャレべないとはいかにも結構な苦しまぎれの抗 ....
――詩的であるということは存在をやわらげること。
いまそこに、照明とわかれたレイがいた
「おレイをいわなければならないね」
そのレイではないが、失レイしたらしい
「まちがったレイをしたなら ....
しぼ虫はしぼんでしぼんでしぼみつくして
しょんぼり虫とであえたころには四月の宵
単四電池にまきついてだきついてころがり
ベッドの下にまで旅にでたらわすれられて
からっぽのリモコンの席にほこりが ....
政治家は
捜査を受けて
強くなる
立件逃れを
恥じずに誇る
河原で石をひろう人たち
貴方に触れない私なら 無いのと同じだから
鬼束ちひろ『流星群』
蔵王の河原で石をひろう神の子たちがいる
名もない石に名前を ....
声
にもうすぐ会えるところまで来た角で、
呼びとめたのは、
声
だったから、
ふり返って思わず
声
をだしてしまった
平熱からの逸脱線、
超え
たのはいつだったのかと、
....
ぽっとでの自由は、老いたる自由にむかってスリッパでもつっかけるように言った
「おじいさん、あなたはすっかり、不自由なご様子じゃありませんか?」
巨匠とよばれて久しい年配の自由は、寝椅子のなかで遠く ....
これから星めぐりのしらべはもっとよくなることだろう、
それよりもすばらしいのはわたしのなきがらが蟻にはこばれること
そこでながされる血は路ぼうのおくちをたびするだろう、
はじめて ....
長年カーよいなれた湖畔のドライブインがゴールインしたというので、祝いにいった。
助手席には白樺がフロントガラスをくりぬいて座り、はやくも車を湖沼にみちびいた。
故障にしずむクラッシュカーに枯葉がお ....
詩をさがしても必シになることはない
糸をたらして蜘蛛のようにおりてくる
視点と蜘蛛の交差点の上に支点がある
蜘蛛を息でゆらしても支点はぶれない
背と腹を交互にむけながらまわる蜘蛛
あたか ....
下半と上半をつなぎとめているのは腰の骨
(やれやれ腰がついに口をききはじめた)
つまりは天と地の神聖なむすび目も腰にある
(口をひらけば不自然な違和感もおきてくる)
神がつかわすロープは言葉と ....
あなたと見た県境のダムはゆたかな思い出をたたえ
ときをへて今もわたしのもとに春の潤いをとどけてくれる
ふたりでダムのうえを歩いて堤体の縁をなぞり
底にしまわれた互いの想いを胸にだきいれたあの ....
必要のない階段がわたしにとって必要なのは
閉鎖(とざ)されたスクラップ工場の壁にひっつく残骸で
時代にとりのこされた孤独の分身そのものだから
この苦々しい感傷をくろい笑いでわたしが踏 ....
雪のように白くても白は色で尻にはなれない
どれほど尻にしかれようと色は椅子ではない
白の住まう城が尻であっても尻の穴はくろい
とはいえ尻の家が白かといえばいいえだろう
白は色であり家にしろとは ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている
地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない
花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって
さまよえるその ....
―ハーバート・ウエストに―
いまでは はっきりと 聞こえる 書物の なかの 足音を
それは まさしく 死の 忍び足
音なく しかし だからこそ 歴然と
ペー ....
濃密なすきまによって武装された道化師の衣装
時代の手綱を放れて八頭だて馬車がもぐりこむ
目をこらす間をうめてミクロはマクロを着服し
際限のない馬蹄の音で布袋腹をリピートさせる
いついかなる ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
....
ついにわたしの頭から木こりは離れなかった
そこでわたしは木にいった
「切ってしまうぞ」と
しかしそれはわたしのもっともお気に入りの四季であり
秋だった
....
夏まっしぐらの緑したたる峠にあって
世のくさぐさは置き去りにみちている
だれがいったい気にかけてくれるだろうか?
路傍の瀬戸際でひんまがったガードレールを
曲がりなりにも身を呈して明け暮れ ....
アラガイsさんの菊西 夕座さんおすすめリスト
(36)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
かさなる坂には逆らえない
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
25-1-9
せめてきみの歯くらい人間であれ
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菊西 夕 ...
自由詩
6*
24-12-21
くぼみをうめるあやかな幻想
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-12-15
しあわせよりも血あわせ
-
菊西 夕 ...
自由詩
1*
24-11-10
愛の影
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-11-4
虚を磨く
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-11-2
ワニのひっくりかえった庭_~きょうも仕事づくえに牙たてて~
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-10-27
3時間のパッシブドライブ
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
24-9-7
病におかされちゃってもダミーのダメージにマイっちゃダメーさ( ...
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-8-15
死んでも旬でいるために
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菊西 夕 ...
自由詩
6*
24-6-22
異端シャレ問
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
24-5-19
灯りがついて、霊が消えて、灯りをおとすと、レイが現れる
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
24-5-5
しぼ虫
-
菊西 夕 ...
自由詩
7*
24-4-6
恥を知れ
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菊西 夕 ...
短歌
1*
24-3-17
河原で石をひろう人たち
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
24-3-10
頭が煮つまったときにこころみる詩薬
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
24-3-2
証券死場
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菊西 夕 ...
自由詩
5
24-2-23
再生_―空洞という名の根のしらべ―
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
24-2-18
めぐる季節にドライヴィン・ローリン・クリスマス
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
23-11-26
無重力の殺意
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-11-12
腰痛の懐妊とそれをすこしでも緩和するための詩
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菊西 夕 ...
自由詩
8*
23-11-5
ダムは今もゆたかな孤独をたたえ
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
23-10-9
必要のない階段_ー下り編ー
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
23-9-25
知りえようもない恍惚の槌で頭骨に築城する
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菊西 夕 ...
自由詩
5*
23-9-23
雲の披露宴Ⅱ
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菊西 夕 ...
自由詩
6*
23-9-3
眼鏡は明瞭_かければ_迷妄~死人がやっぱりふらついている~
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
23-8-27
花のない満開の春
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菊西 夕 ...
自由詩
2*
23-8-20
よみ人しらず―死因は「熱中症」とだけー
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菊西 夕 ...
自由詩
4*
23-8-15
きこりとスゥイーパー
-
菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-7-29
美の真髄は置き去りのガードレール
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菊西 夕 ...
自由詩
3*
23-7-22
1
2
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