R
ミナト 螢

胸の上に開いた鍵穴を
溶かしても透かしても
きっと涙しか流れない

遠くで咲いている花や
綺麗なものばかり見ていたし
過去の破片で指を切るような
痛みさえ周り道をする

緩いカーブの中で
鍵穴に落ちて
足を汚せば良かった

人の気配に怯えても
猫の毛並みに微笑む日もある

好きだったものを諦めて
本当はどうしようもなく
地球を丸には出来なかった

僕の生きた時間が
狂いなく息をして欲しいから
胸に手を当てて
僕の一秒にしよう


自由詩 R Copyright ミナト 螢 2021-07-17 12:38:59
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