朝の絵具
末下りょう

過ぎ去らない過去に消し去られそうな朝になら



ゆびさきは美にとどくだろうか




コバルトやミーヌ  オランジェ、クロームの2番


なけなしのチューブ数本の匂いが

朝の歴史を語るとき   単位として一つの部屋では狭すぎて  世界では広すぎる


愛情がなければなにもわからない


色めき生きることは絵








自由詩 朝の絵具 Copyright 末下りょう 2022-01-23 15:34:25
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