畑のまん中に
猫が座っていた
「おまえなにやってんだ」と
声をかけたら
聞こえないふりをした

じっと見ていたら
しっぽがピンとなって
顔がまじめだった
「おまえなにやってんだ」と
 ....
重ねると傷になるからね
特に完熟

「桃太郎」は品種名
「トマト 妻せつ子」はブランド名

品種による
大玉、ミディ、ミニは、あるけれど
それだけではない、育て方で
品種の普通より小 ....
秋になったら家を出る
軍手とシャベルを持って遠く遠く
九月いっぱいは歩き続ける
十月は釣りなどして過ごす
十一月が木々を染め出したら
場所を決めて、あとは待つ
落葉を敷きつめてその上に座る ....
鋭角に奔る超高層の上空/オレンジに浮かぶ雲をジェット気流が切り裂いた。
このところ帰宅してもパノラマで立体画面を見るのが怖くなる
昨日も、定期健診と偽って診察に行ったB級高齢者が、百人近く飯 ....
手つなぎしはじた

たわけた空

ジャン・ポール・ベルモンドのくちびる

かじった林檎からおやゆび

ぬるり

かわいたかわ

勝手にしやがる
婦人服リサイクルの店「るうぷ」は
九年目で十年を待たずして
閉店せざる得ないことになった

彼女の夢の一つが消える

二台あった軽自動車も
彼女の車は手放すことになった

税務署から ....
君のことを
煙草1本分だけ考える
はずだったのに

君のことを
煙草3本分考えてた

煙草の煙は
君への

想いのように
柔らかく漂ったり

ため息のように
切なく漂ったり ....
細くても勁(つよ)い芯に
四枚の葉が大きく広がっている
四つ葉のクローバーの形は調和と安定の象徴
故か
かつて飛行機のすべてにプロペラがついていたころ
最終的に四枚羽が理想とされ
それ以外 ....
かつて、私の泣き声の
代わりに歌ってくれた小さな川
その横を闊歩する

今の私の泣き声は
私の子宮にうずまいているから
軽やかに
川縁を散歩することが
できる
水の流れる音
さらさ ....
2004/03/04(Thu) 19:50 投与物質無し

詩とアフォリズムとの架け橋 その過程であること

今回に於いては ただ実験自体であること 
その未完へ向けての 矢の飛行であること ....
陽が射してきた
ジメジメした心の片隅に

気色悪いカマドウマを
光の矢で刺し殺せ

奴は生きる気持ちを
食い荒らすから

陽の光
君の言葉
手の温もり

暗く湿った心の片隅
 ....
初挑戦レモンアイシング粉砂糖 小さなボールに粉雪積もる 親子で罵りあいの口げんかした後は脳みそがカラのまま膨張したみたいで
このまま大見得を切って飛び出してやりたいと思うのだけれど
空を見上げれば虚しくて
大地はちっともわたしの味方をしては ....
  .
きょうは自転車には乗っていない
耳をぴんと立てて伸し歩く尻尾が揺れる
学生ブレザーを着た猫と肩を並べていると
人間の格好をしているのが恥ずかしい
  .
猫だけのことはあって歩いて ....
路地というか、街というか
繁華街というわけではなくて
うちの回りとかでもいい、住宅街とかでもいい
特定のここというよりも、人がいっぱいいたりするよりも
うるさいところよりは、誰もいないのもさび ....
地球にない道を僕はオルゴールとともに歩いている
そんなことを想い描いていると、うしろの誰かが遠い神秘な世界を指差しながら僕の小さな肩をポンとひとつたたいた。
「おまえの遊び相手は田んぼの蛙に ....
ドモ、ロボトデス
ヒト、スキ
モノ、スキ
コトバ、スキ

キセツ、ハ、メグッテ、ハナヤグ、コロニ
トリヤ、ムシラモ、カナデル、コロニ
プレリドッグノ、デアタ、コロニー
・・・ボク、コユ ....
夢を見た久しぶりに
夢だから
起きてすぐ霧散してしまって
途切れ途切れにしか覚えていない
けれど
目覚める瞬間の光景だけは
辛うじて覚えている


四国だかどこかの地方都市
何処か ....
猿子 「詩はお肌に良くないですね、髪は速く伸びる気がするけど」
流砂子 「そうね。あたくしの主人は詩なんぞ解さないへっぽこですから、あんなに眉が薄いのだわ。気味が悪いくらい」
猿子 「智恵子抄なん ....
「じれったい!」と叫んでいた男の背中にすがりつこうとして
彼が必要としてたのは私じゃないことに気付く

う〜ん、淋しいかも

開けてはいけない扉を自らの意思で開けてしまったのだし
それが愛 ....
魚の小骨のように胸腔にナイフが引っかかっております。
子どもの時分からずっと引っかかっているのです。

(おかしいですか?
 たいして悩みでもないのですが、
 やみつきだなんてとんでもない。 ....
栗をむきました
それだけで
私の友達のもみじの木が
さらさらと笑いました
私は今、手に抱えきれない程の
難題を抱えているというのに
栗をむくのに必死だったのです


ねえ、君と私
 ....
やがて忘却の海辺に打ち寄せられた白い欠片、
朽ちた流木や貝殻の転がる旧い別宅の荒れ果てた庭に
ある日。螺旋に絡みつく二本の蔓の梯子が垂らされていたが
それはあたかも、私には儚い夢の終わりのようだ ....
喫茶店の窓から覗く
街の風景は
透明で美しい
ガラス細工のようだ。

道往く人々の足取りは軽く、
今宵のクリスマスイブの準備に追われる
幻想的な蜃気楼。

漂う煙草の煙に人々の心奥を ....
僕はケータイで
ニルヴァーナの
「十七歳の娘の匂いにむんむんむらむら」
を聴いていた
そうしながら
いつの間にか
旦過市場の異次元に迷い込んでいた
魚屋で一匹の
真っ赤な
鯛が
「 ....
父のためにメザシを焼いている。
メザシから出てくる
もうもうとした煙

父のためにメザシを焼くなんて
つい最近までは
思いもしなかったなあ
留守中の父が戻ってくるまでに
焼いておいて差 ....
あんたぁ ちょっとぉ みかけに よらない 日本一のくるくるぱぁー

ってなぁ

あほぉいうたひとがあほぉなんですぅ、あほぉ
 とぎすまされたナイフのように
 口元にはいつも
 ふっきれたような不敵な笑み
 藤木くんはそういうひとだ

二十歳すぎ
鼻と耳にピアス、眉毛なく黄金色の長髪をふりみだす姿はライオンのよう ....
分岐する世界の壁が壊れるとき、わたしはユートピアを求めてまた飛び立つだろう 急に寒くなったから
カロオチノイドはさらに加速する
銀河鉄道に乗って
木枯らしを追いかけて
ここまでおいでよ
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