思い出になったあなた

お願いだから あたいをよばないで

この一本道、途切れるまで



 
ある時
私は気がついた

私は
鳥ではなかったと
羽ばたき方も
囀りかたも
思い出せない

確かに
飛んでいたはずなのに
しなやかな翼に風をはらんで
束の間の夕焼けに
淡く染 ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
「忘れる事が幸せ。」だと
誰かが言った。

「娘は、父親を忘れてゆくものだ。」と
誰かが言ったのだけれども
私の横にはお父さんが居るようで
切り裂くよりも重く苦しい痛みが身体を痛めつける ....
電子端末の光に目が眩んだ。

目玉は乾ききったまま
情報の波に飲まれ
いくら沈んでも底は見えず
ドットの粒の集合体だけが
跡切れもなく発光するだけだ。

自分はただ好奇心の流れ ....
生かされていることの 苦しみはないの

ネコの目が檻の中で光る

愛されて可愛がられて 生きてきた

イヌの呻きが 壁をなぞる

人間の心持ちと 医療技術で

生かされている
 ....
あちこちに 弱音を吐いて歩く


だまりたい


自分の傷を みてみてって ひけらかす


だまりたい


大切な人との秘密も 口走ってしまう


だま ....
こんな青い青い日に
額を一発撃ち抜けたら
どんなにスッキリするだろう 
看護婦さんは皆フレンドリー
大変な仕事なのに溌方若々しく
人の話も良く聞いてくれる
ついつい込み入った話もしたくなる ....
 ひだまりの

冬に
春をおもうのは
にんげんだから

そもそも猫は
冬という言葉の意味を知らないから
まるくなってねむるだけ
ふゆ、と呼べば
ニャッと短い返事をするのは
冬、と ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
日が暮れて 時の進んで八時過ぎ
地平にどろんと浮かび上がる
巨大な下弦の月女
濃く黄緑に鈍く輝き
顔半分を失ったまま
うっとりどんより横たわる
朱に染まりひかる千切れ雲散らし


死 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている

昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
冬が通りすがりに蜜柑をひとつ
窓辺へ置いてったようだ

不用意なこころはすぐ凍傷にかかってしまうから
ちょっとした季節の気遣いにも丁寧に礼を言おう

ざわざわとした毎日を蹴飛ばし
転がし ....
日光を反射した光は
触れようにも
手の中に収まりはしない。

触れようとした途端に
手の甲に滑って流れてしまうから

私が触れようとしてることさえ
太陽の子どもは
気付いていないよう ....
白い都会の硬い土塁の中
あなたが灯をかかげれば
わたしは虹を灯す

遙かなやまの森の中でも
あなたが歌えば
わたしもさえずる

海の彼方の小さな島で
あなたが跳ねれば
こころは ....
愛し合っていたのだから
奈落の底まで堕ち溺れ
ポッカリ共に浮上
ソンナコトも
出来たハズなのに
一人だけ先に逝ってしまうなんて
また哀しみ打ち寄せる 広い病室 独り夜
『白い箱。』
それがお父さんだと
どうやって信じれば良いのだろうか?

両腕の中は
最後に抱えた身体よりも重く
悲しい位にのしかかった。

(八ヶ岳の青さに混じり、遺影の輪郭線がぼやけ ....
お父さんが白い箱になって帰ってきた日の晩、白い布と木箱に覆われた陶器の蓋を開けて
一つまみの欠片を持ち去った。
指先に付いた欠片の粉を口に含んだら、あまりにも苦くて・・・・苦くて・・・・身体はお父 ....
 
言葉はいつも裏切るから

唇をあわせて

せめて、ぬくもりをちょうだい



 
「仕事、首になった」
今にも泣き出しそうな顔で、
「別れてもいいよ」と言ったきみ


半年探して やっと仕事が見つかったから
長い間 待たせてごめんねって
プロポーズさ ....
午後八時になると
地下の廊下と階段を降りていき
つきあたりの牢にアイオンスはいる

アイオンスは
青い毛皮に
五本の足と三本の尾を持つけど
顔だけは犬に似て整っていて
嘘ばかりしゃべる ....
エネルギッシュなはずの街を見回しても
私以外は答を導くことが出来ない

時計が回るだけの何の変哲もない日常
下を見ても上を向いても川は流れる

なぜ いないのか
なぜ おまえだけがいない ....
吐く息で散り 
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
枯れているふりしなければ雪月夜 雪の声酸欠により消えゆく火 呼ぶ声の向こう側には
私はいない。
呼ぶ声の内側に私がいる。
声の内側は、
鮮やかな肉で、
血を吹きながら擦りきれている。

擦りきれた肉の隙間に入る風は、
冷たく心地よい。
無関 ....
風を知らない無知な私を、
笑う子どもがいる。
子どもは殖えていく。
げらげらからから、
騒ぐ鰐の口になって、
私を咀嚼する。
咀嚼されながら私は、
私から反時計回りにまわる
星の輝きを ....
流されていく 高いところから低いところへ

流れていく 目から頬へ

流れてしまう 重力に逆らえない

流れて 流されて 流れていく

嬉しい時は 踊るように流れる

悲しい時 一 ....
静かな夜
波の音が響く夜
月がよく見える夜

あなたと強く抱き合う
気持ちを一つにしたくて抱き合う

明るい今を抱き締めて
明るいあなたの光が眩い

幸せの波が今を満たしている
 ....
旅人が蜃気楼に眼を奪われるとき
北極の海を渡る鯨の親子は水平線を越えた
ちから尽きて風が砂粒を運ぶ
まぼろしと磨きあげられた凸面鏡(レンズ)
囁きが星座を紡ぎ舵をきる
真夜中の帆先をみ ....
吉岡ペペロさんのおすすめリスト(10515)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
よばないで- 殿上 童自由詩16+*16-2-8
冬のうた- Lucy自由詩13*16-2-7
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
かえられないからかえれない- 梓ゆい自由詩2*16-2-7
ネットサーフィン- 自由詩5*16-2-6
動物病院- 佐白光自由詩2*16-2-6
『だまりたい』- 座一自由詩10*16-2-5
- たけし自由詩616-2-4
冬すみれ- そらの珊 ...自由詩1516-2-4
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3
魂の己- たけし自由詩5*16-2-3
観覧車- 自由詩14*16-2-3
蜜柑- 梅昆布茶自由詩11+16-2-2
光の感触- 自由詩5*16-2-2
あなたに- イナエ自由詩16*16-2-2
諦念〇病床おセンチ- たけし自由詩616-2-2
お帰りなさい。- 梓ゆい自由詩216-2-1
寂しい味。- 梓ゆい散文(批評 ...116-2-1
せめて- 殿上 童自由詩15*16-2-1
『たとえば_キスできる範囲にいること』- 座一自由詩4*16-1-31
アイオンスはないてない- 村乃枯草自由詩1216-1-31
おまえだけがいない- 宣井龍人自由詩14*16-1-31
抱かれて抱いて- ただのみ ...自由詩19*16-1-30
枯れているふりしなければ雪月夜- 北大路京 ...俳句316-1-30
雪の声酸欠により消えゆく火- 北大路京 ...俳句216-1-30
- あおい満 ...自由詩516-1-30
- あおい満 ...自由詩416-1-30
ウォーター(水)- 佐白光自由詩1*16-1-30
抱き合う- 夏川ゆう自由詩216-1-30
惑星- アラガイ ...自由詩13*16-1-29

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