「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある
まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽
ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
明日で一学期が終わるので
仕事用のパソコンを持って帰る
念のため個人データはすべてロック
ああ、重い重い…肩が外れそうだ
エスカレータ登ったら
電車 行っちゃったよ く、くやしい
肩が痛い ....
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風
よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
....
あの螢祭の夜
ミルクの河 渡った
ボクの手が少しギュッとして
キミは 痛い 顔を{ルビ顰=しか}めた
力の加減を知らない
ボクを許して
少し折れてしまった指
キラキラしながら
....
ねがいはかなわない
なんてねうそだよ
雨上がり、祝福されたまぶしさの中
君がいってしまった
眠らなかったけだるさと家に帰れないかんじ
寝てるひとは何もしらないはずだ
なのに
見ていた
....
わたしはまだ熟していませんと
果実が云っているのに
かまわないよと
あなたは嬉しそうだ
故郷の味なのだろう
枇杷は好きじゃない
けれどそれは枇杷も
知っているようだ
わたし ....
甘い甘い過去の細工すかして何がみえる
べたついた
喫茶店の濡れたストロー袋と下品なガムシロ
実力は中の上
ちゅうのほっぺに
ペリカンの中で待つ54歳の
水のにおいがする ....
あぁ 今日もまた 鳥かごの中から世界が見えるよ
ほんのちょっとした、ありふれた病気
なのに体が思うように動かない
心には沢山の傷がついて紅い血を流してる
きっと助けて欲しいのに ....
肺の病で
彼はもう煙草が吸えない
禁断症状は
仕事とゲームで紛らわす
けれど
私は煙草を吸う
くわえ煙草で空を睨んで
足元を見下ろして
死んだ灰を捨てる
私の肺は
彼と ....
雨がしとしとと降り 家の中がじめっとするこの季節が 私はあまり好きではない
肌にまとわりつくようなべたついた じめじめした感じが
絡み合う男女の一時を思い出させるからだ
「好きだ。愛して ....
綿ぼこりが部屋の片隅で
クルクルと回っている
小さなつむじ風が
部屋の中で起こっている
ふたつ、みっつ、
意志を持って踊るように
寄り添ってクルクルと回る
部屋に吹き込む風が ....
{画像=080617003626.jpg}
かつて私の心は安らぎを知らず、
盲目の内に両手は前を探っていた。
手は悴(カジカ)み、
指先は熱い火傷を負い、
心は暗い深淵の内に浸かっていた。 ....
天国には行きたくないな
規則が厳しそうだから
天国には行きたくないな
真面目なだけで面白くなさそう
良い行いをした人だけが
天国に行けるという
心の中身はどうなのか
....
真っ白になりたいから
ゴシゴシゴシゴシ
汚いものを洗い流した
真っ白になりたいから
ゲロゲロゲロゲロ
汚いものを吐き出した
真っ白になりたいから
プースカプースカ
汚いものを放 ....
ふくろうを売りに来た人は
中年の腹が出た女だった
彼女のお腹の中には
不満や悲しみや欲望が
脂肪の姿をして蓄まっているに違いない
ふくろうなんて飼えません
と断ると
玄関に置いておく ....
混沌を抽出したような
音楽に溺れていると
時おり
冴えた月光だけが支配する
澄みわたった湖畔の風景だけが
浮かび上がるんだ
ノイズとスクラッチと
サンプリングと器楽音
音の ....
さっき そこの角で 天使の羽根を拾ったんだ
君が落としたんじゃない?
嗚呼 なんて神々しいんだ
人間だとは思えないよ
ねぇ どこに翼隠してるの?
僕を置いて天国に帰らないでね マイ スイ ....
{画像=071201103546.jpg}
水底に力つき
沈んでいるそれは
たった一人で
この大きな川を遡って来た
独り流れに逆らい
早瀬をむりやり腹で押し渡り
波のうねりを越えて
....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど
きっと
自分にとっての幸せってなんだろう
って考えて
探求できる子にはなると思う。
って今日着た手紙には書いてあ ....
どこにあるの?
あっちらへん。
どっちらへん?
あっち。
どっち?
こっち。
そっち?
こっち。
どこ?
あそこ。
どこ?
そこ。
ここ?
ここ。
....
何から食べる?
何でもいいよ
とりあえず流れているやつ取って
次は何食べる?
何でもいいよ
君の食べてるやつ美味しそうだから
それと同じのが来た ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない
白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める
踏まれている 足の痛み
知らない ....
{画像=080612025137.jpg}
デジャヴ 昔あった情景
窓から見えるカップル
通り過ぎるファミリー
どこかで見たような記憶
*
デジャヴ 昔 ....
枯れ色を顕わにした麦畑は
豊穣の実りを得て
収穫を待ち受けている
その風景を見慣れない僕は
寂しい色としか捉えられない
咲き競う花々
明るく輝く若葉
新緑が萌え立つ季節に
....
扇風機なあなたに。ふきとばしてください
シャワーなあなたに。うるおしてください
百円ライターなあなたに。もやしてください
植木鉢なあなたに。うめてください
そばにいたくなる。なにかをください
日曜日雑踏
街は喧噪
祭の爆破予告
車の激しいクラッシュ
辺りに満ちるフラッシュ
眩しすぎる照明に映える紅
心地よく吹く風に舞うように
鮮やかに凄惨なHero
まるで作り物
主人 ....
プール清掃の前 ヤゴ捕り大会があって
捕まったヤゴたちは巨大なペトリ皿に移される
ヤゴはそれぞれの教室に置かれ、トンボになるまで観察される
子どもたちが最初に目にしたのは、なんと共食いだった ....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
身動きを許してください水底は26時のネオンさえ青
息継ぎを忘れた彼女が電池式だったと知った火曜のメトロ
遺失物届けの欄に書くべきはリセットキーか押す指なのか
「き ....
青いユニフォームが体育館にいます
3人の外国人選手と2人の日本人選手は
背が高くてスマートな18歳です
彼らはスピーチの後にゲームをします
体育館がいつの間にかコロシアムになり
ボールが ....
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