曇り空を見ていた
コンビニのベンチで
缶コーヒーを飲みながら

部屋に篭っていると
自らの身体の痛みに
意識が集中してしまうから

近所のコンビニのベンチで
ずっと空を見て座っていた ....
*エロス

熱い唇が夜に溶ける
重ねた皮膚は
殻のないぬめやかな二枚貝

弄ばれた魂が
半周遅れの月影に
しろい波濤を刻んでいる

脱ぎ捨てられた衣に
まだ残る体温が
生温い喘 ....
待ちわびて 

待ちわびた

桜の季節は逝ってしまった

春風と共に逝ってしまった

桜並木の写真の中に

小さな貴方が花を見上げて立っている

確かに二人の春は此処にあった
 ....
「ぐーぐー」

ぐーぐーを聞いてから眠るのが習慣になって
ぐーぐーを聞かないと眠れなくなった


ぼんやりと豆電球を見てたら
玄関を開ける音が聞こえる


「先に寝てて良いよ」と言 ....
田植えが終わって
福島の祖母の家に行って
山菜を食べて
車の中でうたた寝をして
帰ってきて
隣の家から頂いた筍を灰汁抜きして
なんだか冷たいものが食べたくなって
サイダーを飲んだら
し ....
はい、と返事をせず
あい、と返事をする
言葉に力を入れない
あなたに呼ばれるときは
もたれかかるように
あい、と返事をする
美しき季節に

身も心も癒されてゆく日々

若葉は風になびき

わたしは

頬に風をうけ

穏やかな時を過ごしている

憂いの雲はなく

初夏の日差しの中

全てが輝い ....
風光る

目に染む景色

こころ燃ゆ
アダムとイブは

神のように

みえるようになった

そして

古代人は

バベルの町を築き

言った
                
神などいらない

祈りも

 ....
肉を蝕ばんでいく
命を物へと粉砕していく
サクサクシャリシャリ響き
その処刑機械の不断の作動が
私から生き続ける気力を奪い取る

もう疲れたよ休ませてくれよ

夜底に転がる一つの自我が ....
【人間になれなかった】
人間になれなかった
野原をひたすらつんのめり
海原を懸命に切り裂いた
だが
人間になれなかった
人間はずっと向こうにある
どこを走ったのか
どこを泳いだのか
 ....
休日のぎょうざ割引き75円
つい貧乏性で買ってしまった
詩にしがみついた死神と言われたくないが

売れないホステスに肩入れするみたいに

研修中の保険屋さんになった50過ぎの彼女がちょっと ....
すでに起きたのか 
これから起きることか
おまえの吐息 ひとつの形のない果実は
始まりと終わりを霧に包み
不意に揺れ 乱れても 損なわれることのない
水面の月の冷たさへ
わたしの内耳を し ....
像の消失した世界、
ふとした瞬間に立ち上がる
 全て失い弱り果てている時に
 神経尖んがり一杯一杯の時に

無視しても無駄だゾウ
ソレは混沌を超えた
異様な響き力動の界
剥き身の形象世 ....
迷子のアリスの足跡は
ぐるぐると同じ場所を辿る

寝ぼけたイモムシが躓いても知らんぷり それとも気付かない?

紫の花が垂らす甘い蜜も
今のアリスの気をひくには足りなくて

ガラス瓶の ....
真っ白になった心は柔軟にわたしの体へと帰ってきた

どんな形にでも変化をするのだから

彼のソレとピッタリくっついてくれても良かったのに

彼の穴にピッタリ嵌ってくれれば良かったのに

 ....
ちいさな公園で
ブランコをこいでいる
あれはともだち

ほうりだされたカバン
あそびすり切れたクツ

おりおりのかわいい花
うつりかわる葉のいろ
近くなる遠くなる空
すりむいて熱い ....
神に反対するものは
痛打される
象を飼って居ても駄目だ
太陽が光り輝き
湾の海水は塩辛い
スライド登板の日だった
ニセの胃が泳いで行って仕舞って
コラージュを背景に投げる
神であるキャ ....
雲の隙間から降りてくる
やわらかい陽射しから

「  」

って聞こえた


それが
はじまりで
それで
おわりのようだった

結局
きみにとっては
ってつぶやいた
空 ....
脇目も振らずに走ってきたよ
余所見をしている余裕はなかった
家と会社を往復するだけの毎日

ケースに入れたままのギター
若者の音楽を受け付けなくなって
大好きな歌も歌えなくなっていた

 ....
樹木の恥じらいが小鳥の逢瀬を覆う頃
光を浴びてあなた
光を断って歩き
文字から浮き立つイメージのように
境界を越えて往く
今朝の雫にふるえながら幼さを脱いだ
蝶のように 華やぎながら
― ....
いつもより早く起きた朝は第六感が冴え渡ったみたいで
天窓から降り注ぐ朝日に特別な事が起こりそうな気がした
ホットプレートの上では忙しなくウィンナーが走り回り
どこかへ連れて行ってよとはしゃぐ子ど ....
手と手が触れ合う少し前に
ためらう私の手を引き寄せる
普段は鈍感な貴方のことを
好きになってしまったのは
きっとそんな些細な理由

定位置なんて無いけれど
左から見た貴方の顔が好き
目 ....
学校の4階に到着するまでにレベルが20も上がってしまった

放送室で行われる試練では98%の人が脱落するらしい

準備室の扉の前はすでに長蛇の行列が出来ていた

自信の無い人達は屋上への階 ....
たましいが
夜に錆びたぶらんこのように鳴っている

どこへいったの ねぇ わたしの半身たち
あざの浮かんだ あなた
詩を書くのがじょうずだった あなた

半身がふたり 抜け落ちた わたし ....
駱駝に乗って砂漠を越えるため
旅人たちはこの町で準備を整える
ウサギの餅を乾燥させたものは
長旅の大事な食料となる

中でも水は大変貴重で
高値で取引されている
どこかで水脈を見付けられ ....
ダースベイダーを
ダーツでは倒せぬので
エドモンドケンパーを
呼んで来たら
母は眼科へ行ってしまった
歯の中は秋で
狂言回しは青くて
小腹が空いて来る
車で北へ向かう我等に
歩きで南 ....
肩越しに
LEDがにじんでた

それはやがて
朝焼けに溶けてった

いつの間にか
さよならだった








(即興ゴルコンダより)
台所の窓辺に
葱だけが青々と伸びている
ほかの葉っぱたちは項垂れて
もう死にますと言わんばかり
葱だけが青く真っすぐ伸びて
葱好きではないけれど
すこし 
刻んでみたくなり 
ぱらりと ....
月の町には丸い月のしずかなあかりが射していて、住むのは齢三十をこえた少女ばかりだ。

つねに満月夜、手入れのゆきとどかぬぼろぼろの町並み、つかずはなれずに点在する住居は、彼女たちのそれぞれのこだわ ....
吉岡ペペロさんのおすすめリスト(10515)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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デジャヴ- 小原あき自由詩3*17-5-12
あい- 小原あき自由詩4*17-5-9
祝福の季節- 星丘涙自由詩3*17-5-9
_- 星丘涙俳句1*17-5-9
バベルよ- 星丘涙自由詩2*17-5-9
夜底にて(改訂)- ひだかた ...自由詩217-5-5
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分裂- 間村長自由詩417-4-27
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月の町_お題、即興ゴルゴンダ(仮)より- 田中修子散文(批評 ...3*17-4-23

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