未だ幽かに蒼い山の向こう
嵐の後の風が吹く
気だるい身体がバスタオルを引きずって
一つの光に吸い寄せられる
あれは星なのか
いや、人々の営みだ
あれは星なのか
そう、淡く ....
一つ夜を越えたなら
また新しい夜が其処にいて
また一つ越えて行かねばならず
繰り返し
繰り返し
夜を越えて行く内に
新しい年を迎え
それでも新たな夜はやって来て
満たされず
満たし切れない
埋め ....
この僕を表すなんて
そんな物好きな奴らはいない
理由とか証明とか真実とか
そんな答えを求めた覚えはない
雨降り喜ぶのは
カエルとカタツムリと紫陽花位か
大概は夢の中 ....
暑くなり
子どもたちは、オニのように
炭酸飲料を飲む・飲む・飲む!!
1日と半分で
1.5リットルが空
パックで作る麦茶も
日に1リットルが2回なくなる
その昔、
ほら、水 ....
パラパラ
パラと
中途半端に雨が降る
傘を持って行こうか躊躇する
空は薄曇り
天気予報も曇
曖昧なことが
日常には多すぎる
学校では
正解がある問題ばかり
教えられてき ....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ
膨らみかげんにチェックをいれてしまう
どれくらいのひとが知って ....
例えればあなたは
この砂漠に育った
風の紋様のように
年輪を刻んだ
太陽の灼くように
苦痛と恵みとがあって
月の照らすように
癒しと哀し ....
{引用=「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」
神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
....
どっちを向いて眠っても
涙がこぼれて来る。
やっと眠りについたと思ったのに
自分の泣き声で目が覚めた。
時間を戻せたら。
出 ....
ああそうだったのか
机に書かれた小さな頃の落書きに
思い出し笑いをして
俺にもこんな時期があったんだなと
不覚にも年老いた感じになっていた
家の柱につけられたせいくらべの ....
ことばは何に支えられているの
きみの口がにくい
いつだって嘘を孕んでいるくせに
あたかもそこにある、
ひとつのリンゴのようなフリをしている
(それは限りなく現実のようなもの)
....
きれいに舗装されていない夜道は
鳥目のわたしには危なっかしく
雨上がりであることも重なって
慣れた道なのにつまづいてしまう
自動販売機にコインを入れ
ミネラルウォーターのボタンを押す ....
優しげなまなざしで
君は僕についているタグを探す
僕は僕
誰にも似ていない
決して強くはないけれど
他の誰かに成り済ましていない
はやりの自然体を
君は不自然に着こなして街を ....
梅雨明け前の海
太陽は精を出しているが
海から吹いている風は
涼しさを運ぶ
少し汗を拭ってはいるが
心地よい空気の中に
忘れていた夏を感じる。
子供の時以来の夏に
僕は捕まった ....
寂れた港町に居る
風が唸りを上げて
右の窓から
左の窓へと
飛び込んで来ては抜けて行く
部屋には何も無くて
退屈さえも無くて
何もない部屋の隅っこには無気力だけが転がっている
みんな、風が運んでし ....
神田方面から三越本店を通り過ぎた
交差点の向こう側が日本橋だ
高速道路が橋の上を覆って景観が
損なわれているとテレビでも書籍
でも当たり前のように言ってるか
らゴチャゴチャ閉塞的な景観に ....
今日も月が出ていない
夢の中で迷わないように
照らしてくれる
君がいない
ぼくの願いをいつも黙って聞いてくれる
無口な君だけど
そっとあの子に伝えてくれる
ほんとは気のいいやつな ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち
仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた
良くない
一日の訪 ....
偶数月は呼吸が苦しい
奇数の月は頭痛が痛い
『痛』が2つで ツーッ、ツーッ
―― 貴方のおかけになった番号は、
現在使われておりません。
電話番号をお確かめの上、
改めて、おかけな ....
脳がとろけてる
この前の暑さと汗で
あたしのなかの全部が
流れ出していった
かろうじて残った感覚で
指令が下る
眠い、眠い、眠い・・・
弱い弱い感覚は
義務感でカラダを ....
僅かに感じる視線に
蛇に睨まれた蛙のように
小さ角においやられていった
繋いでいた手は
急に離されまた掴もうとしたけれど
追い付くことはできなかった
人は誰でも大き ....
成年したてのきみは、
やっぱり煙草をすわなかった、
そのおおきなての、
骨のめだつ指のフォルムに、
{引用=白煙}
似合うとおもうんだけれどな、
{引用=で}
と ....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい
人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
....
入り口の ない、
壁のような表情をするから
どこから
くすぐるべきか
自らのはらわたを探ってみる
息を、
してないかもしれない
はっと思い
こないだ埋めた
種々に耳をあて ....
やせっぽちのきみは
ちょっとやそっとじゃ
笑わない
女の子はなんでも
くすくすけたけた
笑うんだと思ってたけど
あっそこでは笑うんだ
栗色のベリーショート
奇跡の歯並び
....
月のひかりに近い
比重の
愁いが
瞳から溢れたとき
あなたはすでに
詩人であった
淡い湖に半身を浸して
何かを探し求め
深層に沈む
リングに手をのばす
ひと ....
{引用=
ハイビスカス
なき濡れる ハイビスカスよ 咲かないで キミに会えない 夏はいらない
「あいつって…」 噂話が 気になって ゆるゆる溶ける チョコレ ....
叫び出そうよ 暗い暗い午前4時
眠れぬ夜は まだ続く見込み
お似合い黒の花広げ
懐かしく新しい傷を背負う
谷から這い上がった後に
さらに深みにこける
雪でできた砂時計は
落ち切る ....
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
ぶつかった
君は少しへこんで
すぐ元にもどる
僕は角がつぶれたことを
いつまでも気にしている
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
はず ....
夏の陽射しの眩しさの中から
隔離されたような
ひんやりとした影を落とす
白さに飲まれた暗い部屋
鼻孔を抜けていく他人の匂いが
なんだか心地良くて
初めての記憶が懐かしい過去を
呼び起 ....
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