ある赤ちゃんは公園で

暖かい風に吹かれながら

ベビーカーから見える青い空を見上げる

ある幼稚園児は

ジャングルジムのてっぺんから

人より少し高い所から

雲がゆっくり ....
ざぁざぁ 
それは大雨の日のこと
大きな木にてるてる坊主が

ぎしっぎしっ
太い枝をしならせるてるてる坊主
私よりも大きいてるてる坊主

くるくる
横風にてるてる坊主は煽られ
てる ....
ずん、と重くて
食べづらくて
あーもうめんどくさい

でもでっかくて
うんとあまくて
食べ終わるころには
しあわせ
言葉を持って
大人になって
みんな忘れてしまっているが

赤ん坊には小さな合図がある

小さな両手を差し出して
結んで 開いて
ママ! おっぱい!

切なそうな声で
「ふ〜ん」と ....
ルルルル ルルルル

口ずさむ 歌声 響き

フフフフ フフフフ

笑い声 あなたと 見つめ合う


さっきまでの憂鬱も癇癪も

嘘のように晴れて

あなたの優しさに感謝した ....
忘れかけている遠い記憶のあの子

白いワンピースがお気に入りだった
生まれつき色素が薄かったようで
肌は陶器のようにつるりと白く
髪は太陽に透けるような茶色だった

大人は口をそろえて
 ....
 *
もしも…


この世の全てが
この掌すり抜けて行く風の内に
記憶を留めるのであれば
私は此処に居て
風を嗅ぎ
風を聴き
風を噛み
風を観て
ただそれだけを糧に暮らすだろう


 *
もしも ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる

たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
わたしはちっとも朽ちない
咲いているあの赤い花のように
なぜわたしはいつまでたっても
朽ちていかないのだろう

食パンに生えたカビをまとっても
古くなるだけ
わたしは朽ちない ....
隠すためか
見せるためか
守るためか
攻めるためか
脱ぐために
穿くため

そういえば
昨日はあんなに笑いながら脱いだのに
今日は
とてもじゃないけど笑ってらんない
 ....
 わたしの中の真昼の闇
 闇の中の狼の虹彩
 虹彩の中のおまえの影
 ふるえている

 耐え切れない心を
 掻き毟るための
 1/4拍子を宿した指先

 どうかわたしの爪を切っ ....
 俺は死んでしまったのだ
 死者の言葉は生者には届かない
 世界が違うから
 世界は平行に広がっていて
 二つの世界は交わることはない

 俺が何を言っても彼らは答えない
 そうここには ....
ノックをしても返事は帰ってこない

薄暗い井戸に落ちていくのは

諦めた人達

安心したくていつも命綱を

硬く身に付けていた

辛うじて意識があるうちに

君に会いに行こうと ....
ナゼ?

眠りから覚め

あ もうこんな時間

でも、用事がないと
もっと寝ていたいと思う
実際 寝てしまう

起きている時は
アレもしたい、コレもしたいと
思っていたのに
 ....
考えてみれば終点の西高島平は
笹目橋のたもとにあるような駅で

我が家から結構近いところを走っている
はずなのだが印象が薄い

開業当時の電車はもう引退して
地方鉄道で第二の人生を送って ....
 
今の自分は
きっと
幸せなんだ けれど
 
贅沢な 不安に
襲われて
 
在る幸せ 全てを
感じられないでいる
 
 
幸せと不安は
切り離せないから
 
くるしくて ....
やさしくてみんなあんまり買わんからラッキーストライクが好きという


口の中隅から隅まで知ってるよ だけどよく読む作家は知らない


情けない姿どれだけ見せたってすましていてよ僕の前では
 ....
みな誰でも

夢や思い出を語る

知らない間になくなるのは

お金とほんのちょっとの涙だけ

流石に痛み耐えるだけの人生は嫌だった

希望否それは絶望の親戚

下らない遊びに時 ....
イメージで泳ぐ僕の夢と
かつての神々の残像



ファッショナブルの開放

ラッシュアワーの独唱




イヴの訳解とアダムの髪

トラディショナルの革新





おもいは ....
わたしを見守る あなたの温かさを感じているの

叱りながら、背中を押してくれる温かさを感じているの


あなたは愛に あふれていて

わたしの涙を あふれさせて

手を取り合って ....
明け方に夢を見た
ミントゼリーを張ったプールに
頭から突き刺さる夢

飛板から身を投げ出した時
迫る水面は
まだ薄青く揺らいでいた

伸びきった指先が
水面を割る直前に
プール ....
大切かどうかわからない記憶は
抱えていた膝小僧のかさぶたにある

転んだのは最近のことだったか
それとも遠い過去のことか
鉄さびのようなすすけた色は
かつて赤い液体であっただろうことを
 ....
淘汰の漏れ

受け入れられずに

個を主張し続ける

我々は連鎖

願いではない
 
萌え、

奴らには判らない
のだ。

ホストを囲んでドンペリが最高だと信じている
煌くシャンパンタワーを前にした
派手やかに着飾った色カノ、
そして何を隠そう・・・・この俺だって
 ....
先週の金曜日に係員が
片っぱしから抜いてきた芥子が
車庫に運び込まれて

取りあえず焼却炉に火が入る日
まで
放置していた

 チョクシャニッコウハアタラナイシ
 カゼトオシモイイカ ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
わざわざ好んで痛みを求める必要などない
足場の悪い苦境を選ぶ必要もない
水面に浮かぶ蓮の花みたいに白々と
空っぽの美しさを知ることのほうが重要だ

ぽかんと丸い広がる空の誕生日が
ぼくと一 ....
僕は今日 君に
優しくされたくて
小さな嘘をついたよ

子供のように君をからかって
僕の旋毛に落ちてきた
握られた固い拳

瞳を潤ませて
殴られたてっぺん 軽くおさえて
上目遣いに軽く睨んで

{引用 ....
夏の入り口には、


昨日の過ちの全てを飲み込んで許す程に煌めき澄んだ空の青さと、
我先にと、重なり合って湧き立つ雲に乱反射して飛び交う光の白と、
弾けた海の水面走る波の跳ねる飛沫の頂点を越えて ....
{引用=わたしの家は 田んぼの田の字の真ん中にたっていて 画家が住んでいます
誰も彼の姿をみたことはないのですが 彼は確かにいるのです
どの故郷にも どの町にも どの家にも 彼は必ずいるのです}
 ....
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