宇宙のはなし ‥Ⅰ
アラガイs



夜明けまえ 午前五時の街の空は 僕を女にさせる
精液を吸いつくすのだ
その滑らかな静けさに
まるで 見たこともない両性具を着けた生き物として
この世には自分一人しか生きる権利はないんだと
なんとも傲慢で官能的な細い指先が、薄暗い湖の端をひょいと蒼い布で包みあげる
それは選ばれし神官にでもなったような錯覚で
実はそんなときにみる人々の浅い夢は
拾い集めたことばの屑を、糸状にぐるぐると巻き付けてはひとつの皿に盛る
そして
涙腺に弾かれたゆらぐ意識の消失点
その宇宙に吐き出される生命の一粒一粒が
すべて扉から一直線上にあり
ひょっとしたら一万光年も離れた君と僕が、同じ分泌を共有しているのだと
いつか現実が君のまぼろしと出会うとき
夜明けまえにみる浅い夢は時空の歪みを飛び超えて
むか∵む∴しあるところに・そう言い聞かせてくれているのではなかろうか








改訂あり




自由詩 宇宙のはなし ‥Ⅰ Copyright アラガイs 2010-10-18 05:44:35
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