ニンゲン引き際が大事だけどさ、行き際も大事だよな。
ボロボロだろうが落ちぶれていようが行かなきゃならねえ時ってあると思うよ。
笑われたって、バカにされたってだからソレがどーしたって言うんだ ....
冷蔵庫のなか
ひときわ目を引くふたつの色
重なり合う
あなたのバッカス
あたしのレミー
縦横無尽
その巧みさを知っているがゆえ
余計に腹が立つ
今までに
少しでも考えてみたことは ....
ちょうど私の誕生日の頃、雪が降った。
大きなワゴンでやってきたきみは
車を降りて
不意に お母さんのことを話し始めた。
何年もそばにいたのに。
....
ある時は
雲が山の真似をしたり
ある時は
風が鳥の真似をしたり
ある時は
犬が人の真似をしたり
ある時は
虫が木の真似をしたり
ある時は
夢が現実の真似をしたり
ある時は
子が親の真似をした ....
今からずっと昔
何十代も前の祖先の頃
存在しないという存在を
ゼロという存在に仕立てあげた
見えないものを見ようとして
崖っぷちから恐る恐る覗き込んだ
そこから見えたものは
自分に住 ....
ちらほら
雪が舞う
銀世界
一緒に
駆けていこうよ
真っ白な雪面に
足跡つけて
木々に積もった
雪を揺さぶって
行き先なんか
知らない
舞う雪が
その行き先を
知らないように
一緒に
駆けて ....
木魅 (こだま)
「好きだ」
溢れ出した想いを返せないまま
あなたは土に還り
わたしは朽ちることもできずに
「好きよ」
抱えすぎた言の葉をざわめかせながら
夜毎 すすり泣 ....
年明けの勤務5営業日は、普段より凄く長く感じた。
金曜の夜は、意識が遠のいたくらいだ。
持病の眩暈も表れて、エスカレーターとかホームとかが怖かった。
新年会で酔った女がホームで吐いてい ....
真っ暗闇で光の粒子弾け飛ぶ
誰かの為に命尽きてもいいって想う
上手く息が出来ない世界で
朝靄に掻き消されてしまう様
夢幻回廊 巡る ぐるぐる
息を止めるのは誰よ?
怖気づくのはやめ ....
したたる、したたり、
侵食しはじめた月夜に
手足はどこまでも深く伸びている
やさしく影を包み込むようにして
月は、静かにあたたかい
当たり前のようにそこにいて
闇が照らすはずも ....
全世界のけだるい午後に
垂れ込めた黒雲から
雨は降り続いている
という僕の主張を
すくなくとも日本は晴れだわと笑って
君は信じてくれない
見せかけの天気だと
どうしてわかってくれない ....
今日は一度も傘を差さなかった。
傘を差すのは嫌い。
周囲がいつも気を遣って、
『どうぞ』
って 入れてくれようとするけれど。
大丈夫だよ。
どしゃぶりでもない限り。 ....
月が
30Wの白熱電球の輝きを持って
フラリと空にある
都会の冬の夜空では
どんなに空気が澄んでも
瞬ける星は数少ないから
月は遠慮なしに
夜空を支配できるというのに
少し ....
真上の月
四つの杯
ひとり去る猫
ひとり去る猫
蝶が蝶を吸いに来る
重なりのむこうの波
波のむこうの冬
より硬いものに触れ光は撓む
くすり指のふ ....
やっさん
やっさんは九州から中卒でやってきた人だった。
工場に勤めて、結婚しそこなったまんまで55になった。 なんかの副職長という肩書きがついていたけど、給料は安いまんまで、九州から出てきたとき入 ....
やめてけろ
ひと恋しさにちゃちゃ入れた
わたしの思いを
やんわりと断つように
春の兆しは白い肩口の奥へと隠れた
厳しさだけではない冬の素顔を知ってから
流されるのとは異なる
自ら ....
書き留めていたはずの詩が
一晩のうちに
家出をしてしまったらしい
枕元にあるのは
真っ白な紙の切れ端で
紙を失くして
彼らは
ばらばらになってしまわないだろうか
雨が降 ....
水鏡に
私をうつしましょう
私は醜い
何を基準にしよう
過去の話
自分以外の誰かに
固執した時の話
醜いものがうつる
水鏡には
忘れてたっていうか
....
閃きと思いつきは違う。
置き忘れた荷物を取り戻すようなマネはしない。
必要ないからさ。
くたばり方を考えるよりも、犯す方法を模索する。
考える前に思い知らされて、及ばない時 ....
正月の2日から差し歯の小臼歯が取れる
それもお菓子を食べようとしてポロッと
余りにもあっけなく
松の内のハプニングゆえ開いている歯医者もなく
週明けの月曜日
診療しているのか少し不安にな ....
{引用=
この宇宙は
はたして優しい場所だろうか
}
アインシュタイン、
僕はこの質問に
何と答えればよいのだろう
幸せだと呟くたびに誰かを傷つけていて
何 ....
大掃除の手始めに
なんとなく僕の部屋ということになっている
西向きの洋間
に置かれたまま整理していなかった
書類領収書請求書レシートパンフレット新聞記事コピー
などなんやらかんやら
雑多な ....
裸見て笑う山見て初湯かな
裸あまた見て山笑う椿の湯
まるさんかく女体百態つばきの湯
満ちて堕ちて残る輪郭つばきの湯
垂乳根の銀杏の気根のような乳
吸い物椀二つ伏せたような満ちた乳
....
一人ぼっちに なりたい なりたいって言ってた
私がついに一人ぼっちになった
二人でいることのわずらわしさばっかり
わかったつもりでいた私が一人ぼっちになった
そう思うとこの町は ....
かじかむの夜のすみっこで
たき火を思う指に皮を抱く
ひざが指だった
氷のような でも 押さえていた
僕は幹を見た
未来に青むプラスチックに
僕を霞の僕に作りあげようとした でも
すべ ....
お正月ぐらいはと帰った実家で
思いがけず伯父さんからぽち袋をいただいた
幾つになっても嬉しいものは嬉しい
おめぇにもやっからよ
おとそ気分全開な赤ら顔は楽しげに
崩したあぐらはすっか ....
短針が少しずつ
牛のしっぽに圧力をかけて
時計がまんなかで 手を合わせるよ
まるで「いただきます」
みたいな「おめでとう」だね
それは温もりある言葉だね
新しくなった人々 ....
「あけおめ」って君からのメールが入る
その軽いノリに時々イラつくこともある
けれど
波瀾に満ちた一年を見送ったいまは
それは灯りにしか見えなくなる
なぁ月並みだけど
いまから初日の出を見に ....
たくさんの空白の間にある
酸素の泡みたいな
点々が廃れていく
そのよこで
使いすてられる女の子が
水星のような瞳を震わせて
しん、と涙をながす
宇宙のまんなかで
あの娘の好きな ....
朝と言うか昼に起きて
適当に曲を流す
今日はレディオヘッドか。。。
なんて言うか叙情詩的な
寝起きに聞くもんじゃないね
とテーブルのセブンスターをひったくり
キッチンの換気 ....
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