詩集の表紙には闇夜に浮かぶ舟の漁火が、誘導するようにふわりと灯り、
誘われるまま詩集を開くと、霧の中に佇む一艘の小舟の写真が出迎えていた。
山中以都子さんの詩集『水奏』は、もうここから始まってい ....
たばこのヤニで煤けたリビングの壁に一箇所
まるで雪景色を穿ったような真新しい壁紙が気になる

あのひとがわざわざ買ってきては飾っていた
贔屓にしてる野球チームのカレンダー
縦じまのユニフォー ....
{引用=


ごめんねとさよならばかりを繰り返し わたしの傍で疲れて眠る


なんでかな、沼のような沈黙は 全部わたしのせいだと思う


20センチ高いとこから見られると おなかのう ....
{引用=

呼吸をしていた
それなのに産声じゃなかった
あなたを呼んでいた
それでも求めてるわけじゃなかった

願いが響くなら
言葉の海に声を沈めて
それがあぶくになれば今すぐになれ ....
僕は星が好きなんだ。とくに月が好き。
 地球や太陽や月も星なんだよ。ときどき忘れちゃうこともあるけどね。
 
 月。
 満ちたり欠けたり。
 細くなったり太ったり。
 丸くなっ ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子供が唯一カギを持つこの城で
誰も知らない自分だけの
誰も知らない自分だけの
宇宙へと旅立ちます ....
雨が好きだと 聞きました

コンクリートを細く打つ
水粒達の音を聴き
空間の糸筋楽しむよう
貴方は窓辺で薄い雨
気だるく眺めているのでしょう

お願いです

雨を愛で入る貴 ....
{引用=

雲の崖から
流れ落ちる虹

光は水に沈み
黄昏の彼方に
風は失われた
日々を呼ぶ


夜の匂いの中
思い出は座礁し
波のはかない仕草に
古い傷は{ルビ火口=ほく ....
路面電車から降りた羊飼いのみる夢

葡萄酒はとっくに尽きて月が出てる

錬金術師は金色のイングリッシュハーバーを

一杯の砂漠の水と共に ほんの少しの干し葡萄を

小さな箱で あい色の ....
酔いに任せて
川を下り
逆行という逆行を
すべて成し遂げた。
僕は一羽の
白い鳥であり
羽は
すすけて汚れていた
年相応だ、と
誰かが僕に言った。

夕暮れから
夜に
世界が ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ

 古びた床へと無数の疵を残して

錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
小雨の中の交差点
寒さ厳しく 小走りで
自動扉がウィーンと開く
その店に入った時から
異様な空気。

フロアの中央に
背の高いテーブルひとつ
天井にはミラーボール
窓際のカウンターに ....
わたしは勿論あのひとを
大切に大切におもっているが
もしかしたら実は
あふれこぼれんばかりの
「愛したい!」という
エネルギーのかたまりを
ぶつけられる相手ならば
 ....
あ・うん の呼吸を探していたら
思わぬところに落ちていた
なんと
小学一年生で 宝の地図は
手にしていたのだ

あいうえお の 35文字を超えた時
や行が やってくる
いえ を重ねて
 ....
  ∞ おわりに


私はこれまで
数々の冒険について述べてきた
世界はかくも荒々しく美しいことを
伝えたかったからだ
最後に一人の青年
カントリーボーイの話を記して
筆を置くことに ....
{画像=100104083022.jpg}


その時は
あなたのその手で いっそ
あたしを殺してくれますか

それができぬのならば
最初から好きにならずにいてください
恋心とい ....
 
 
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
切り倒したばかりの白木 刳り貫いて

船をつくろう 船をつくろう

亡くなった人の骸を入れるため

船の棺に入れて 愛しい亡骸を入れて

白浜へ挽いていこう 海まで挽いていこう ....
モノクロームの
夢を見た後は
必ず
部屋に月がぶら下がっている
月は
蛇みたいに
神秘的だと思う

胸の空白に
薄い風が吹いている
風で砂漠の砂が
少し飛ぶと
君の心に
届く ....
   コーヒーを飲んで、ふと思った

   抱きしめればよかったのか

   抱きしめて、抱きしめられて

   そうすれば

   ふたりの間のなにかを埋めることが、できたかもし ....
音楽はやまない
いつまでもその唇から
風に
風に乗って
その唇に

やわらかい草のゆれる
広い野を越えて
人々の雑踏を超えて
あなたの街を超えて
音楽は続く

とどまる場所があ ....
文字達を咀嚼しようと思って本屋へ
沢山の活字たちに囲まれて気分高揚


どんな文章に出会えるかが楽しみで
どんな自分と向き合えるか嬉しくて


明日はどんな私になっているのかな
そん ....
真っ白な ノートの上に 書く文字は 私の記憶の 旅をしている



思い人 お元気ですか 文字に込め 白い便箋 黒く染めゆく



冬空に 浮かぶ白雲 風に乗り 行方を見つめ 夕日が沈 ....
私たちはつながっている
滝つぼでせめぎあう水のように
ときには去りかけている手を
つかむように

私たちは引き合っている
玄関にあるクツや
座っているイスのように
それは確かなこと
 ....
 
ねえ
世界と上手く交わるには
どうしたら良いのかなぁ
 
いつまで経っても
ふわふわとして
現実味が感じられないの
 
命の重さ
愛の暖かさ
涙の美しさ
 
全ては幻のよ ....
吐いた息は透明
空気が綺麗だと深呼吸

肺に運ばれ
動脈を通り
体を巡って
静脈を通り
肺に運ばれ

吐いた嘘は透明
空気が綺麗だと笑った


もうかなしくないよ
そう言っ ....
雪がたくさん 降ったから
きゅっきゅっと
アーモンドカステラ
こしらえて

にぎりずしをつくるよに
片手のひらで
雪を 食む         / ハむ
耳がふたつできたから
隣の垣根 ....
舌足らずな声と
舌の麻痺した声と
酔いの回った声と
光る声と
舌の先に憂鬱を乗せた声と
舌の先で転がす欲情の声と
だらしのない生活
すべてが連結して
みなぎっている
血が騒いでい ....
僕には、
何もなかった

夏の蚊のごとく
生き急ぐことしかできなかった
何もないのに求め続けた
何もないのだから
何も得られる筈がないのに
なのに求め続けていた


僕には、
 ....
僕は傾いたまま
あの人の吐息に走っていった
そういえばあの人の笑顔はとても絶望的に見えたが
騙されたい人が辞書を担いであの人を抱きしめていたのを良く覚えてる

日曜日限定のせいか不気味に見える顔で街 ....
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