厩舎
Giton

  .
痛くされて泣きたいわけじゃないんだけど
また来てしまうきみのところへ
そしてまたきみの何でもない一言に傷ついて
また泣いて泣いたと言って叩かれて
   .
また泣いてもうきみには会うまいと
何十回目かの決心をする痛みとともに決心する
ふたりでいっしょに年をとるんだと言われた
あのころに戻りたいわけじゃない恋は過ぎてゆくものさ
   .
ほら約束どおりぼくらはいっしょに年をとっている
ぼくらといっしょに暮らしていた猫も年をとり
その子どもの猫が今は走り回っている
   .
年はとってもきみはいつでも子どもさぼくは
いつでも子どもさわがままな子どものままで年とって
いっしょに子どものまま死ぬのもいいじゃないか
   .


自由詩 厩舎 Copyright Giton 2010-10-24 22:07:49
notebook Home 戻る