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花屋敷のジェットコースターが
崩れ落ちそうに走り抜けて行く
いいじゃない
ガタガタが新 ....
女の面影や身体の柔らかさのことを
夜道を歩きながらぼんやりと思い出そうとしていた
半月に照らされた王都の白い石畳が
南島の短い冬に冷えていた
(あれは、まぼろしではなかったのか)
....
淡紅色の水水しい肌に結びつく成長ホルモン
その道すじを振り乱して泳ぐ姿は
それぞれ脂の乗った、見事な鮭
美しい女子高生の群れです
信号の向こう側に居る人々
の
仕立て上げられた
....
(目覚め
君に融けてしまいそうな
早朝の輝き
池の氷がざわめき出す
ほら
滑ったのはピアノの鍵盤
射し込む光の挨拶
おはようございます】
窓辺から延びる ....
流星群が来るんだって
ベランダで受話器を耳につけて
ぼんやりとあなたの声を聞いている
広がる夜空を見上げながら
....
初めて君と会ったのは
空の碧い夏だった
君は微笑みながら
僕の元に駆けて来て
....
弥勒の雨の降り初め
緑青の音階が透きとおった
川はもう
市街地に集合して海に戻りたがっている。
手のひらに(砂の塩)
29℃の残り香が開け放たれた窓を過ぎ、
鉄の雨が降った
クリーム色を ....
夢幻(まぼろし)のごとく
無常なるはこの世の業なれど
桃の薫りは確かな証(あかし)
移ろいゆく華の舞に
一筆の恋の文(ふみ)散るなかれ
*
望月の宴(うたげ) ....
こぼしちゃいけないってがまんしているきみの
その眉間のしわが好きなんです
吐息が融解していく夜の海に
降りしきる雨はひそやかな銀
さようならをうまくただしく言おう
そのためにわた ....
桜の花が咲く 花が散る
花の影がわたしを斑に染める
晴れた空はうつろに息づいている
わたしにきららかな憂愁が降る
胸のうちをほの白い人の列がゆく
半透明に やや蒼ざめた横貌を見せて
....
雪の降り積む
季節の頃に
じっとつぼみを
育んできて
やわらかな光が
いま やさしく包む
きょう、桜の花が
咲きました
これからずっと
幾年も
ふたりでいつも
過ごします ....
お月さま取ってきてよ
些細なことでボタンを掛け違えて
へそを曲げてしまった私に
ちょっと待ってろよ
今、長いハシゴ作っているから
そんな我儘を言ったことも
すっか ....
おでこを触らせてと言ったのに
駄目ですと
触らせてくれなかった
照れているのかなと思って
もう一度 ....
ヴァージンロードを歩きたい
――ある難病の女性の話から
歩いてみたい
この道を
車椅子から立ち上がって
遠い道
遥か彼方にあなたがいて
本当は ....
子供の心を忘れない大人になるんだ
いつもそう 思っていた
マックで子供あつかいされるの
嫌だった
....
チョコの形は?
と聞かれて
僕は
恋を想い
デザートな時を飾る
チョコの色は?
と言われても
名も知らない君は
黙ったまま
バナナ一本のその日の食事に
ホワイトな明日が見え ....
{引用=
縦にいっぽん白い線のはいったおなかが
すこしずつふくらんでいく春です
わたしの下着が汚れずにいたから
とてもとても不安でした
赤いものを疎ましく思っていたはずが
今はほん ....
鉄道都市にある高層ビルディングのてっぺんにて
皇帝ペンギンが一羽
光ったり消えたりしている。
(蛍みたいだ)
西方から見るといくぶん寂しげな東の巨人のなかで
光る皇帝ペンギンは真夜中の迷える ....
友人のパペットは詩人です。
有能な助手である腹話術師は、実はシャーマンです。
もちろん彼は左利き。
そして真白いシーツの手術台にいつも乗せられて
セルロイドの顎をカタカタ鳴らして話しているのが ....
白い光がふちどる窓辺で
二人はふるえる菫の口づけを交わす
二つの華奢な心臓が
透きとおってしまいそうだ
G線上の旋律を
独りぼっちの風が流している
聴衆は
梢たちの林
純白のドレスを着た君に似て
痩身な それでいて 気高く聡明な
巡る四季に彩られることなく
いつまでも白い壁
ひっそり ....
(月を黒い種に、太陽を色彩の影のない輝きの雨にして)
ほんのりと甘い、果物の匂いがした
乾いた風が吹く緑の丘の上から
眼下に広がる果樹園を見下ろす
頭上の雲から誰かに見張られていて
けれ ....
君がオールを漕ぐ
水色の湖にガラス底のボート。
ゆらゆらと
水面に浮かぶ午後の光が
君を映す柔らかな鏡になる。
水中にはいくつも
小さな白い花
手を伸ばして拾いあげる
頬と頬を寄せ ....
人魚が落とした真珠のピアス
水の都の旅人を
沈む陽が遠く海を染めるまで
静かな寂しさに導いてくれる
遠い日の面影だけ映して
消えた貴女を追いかける
黒く塗られた渡し船は
揺れる水面の ....
心はいつも溢れる洪水の岸にあるけれど
この身は独りモロッコの砂丘にある。
鳥が落とした棒切れを拾い上げ
星形の砂漠に
蜘蛛と猿の地上絵を描く。
砂紋を横切るように
てんてんと残 ....
俯いている
苛立ちはこころを駆け
涙は机に下垂る
ー愛に育まれた女たちは
夜は眠る時間だと
知っているから
....
気がつくと、俺は漂流していた
大洋のど真ん中に、俺ひとりだった
広い海は恐ろしいほど青く、そして黒かった
小さな板切れに横たわっていた
頼りなく波間に揺られながら
自分が置かれている状況 ....
海と陸に幾つもの水爆が落とされて
夕日が消えてしまった
森林が砂塵に帰して
息が止まりそうになる
人間が
スピンオフエイプの化石として
砂漠に埋められた
世界は焦土に食べ ....
出勤まえにアイラインを引く
鏡の向こう側で
いつも私の代わりに私を演じてくれているもう一人の私と目が合う
季節外れのプールみたいな彼女の眼球の中央に
黒い硝子の宇宙、
私の魂の出先機 ....
富貴の塔は
早春に
ほろ苦くでる蕗のとう
早めに摘んで
あくを湯がいて
油でさっと炒めます
ああ、その青菜の
名は名の花です
花の名もまた名の花です
八百屋と
花屋の両 ....
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