すべてのおすすめ
いま闇の底トカゲになる
あたしはすごく疲れてしまって
家までたどり着けるのかひそかに心配で
空気はきんきんに冷えていて
闇を泳ぐようにふらふら歩けば
月が煌々と夜空を照らしているんだった
なのに街灯の明かりの下で ....
モノクロームの写真に 影だけが見える
真珠の耳飾りが 揺れる 泣いているのに
あたしの瞳は 無垢な少女のように
耀いている 嘘をついている
アンリエット… きみの墓は 毀たれた
....
時々どこからか音が聞こえる
目を閉じて耳を澄ませばよく聞こえる
それは多分自分だけの音
ほら耳すませばいろんな
音が聞こえるだろう
僕にも君にもあの人にも
世界中に音があふれてる
....
見つめ合う 香水と煙草
出会いと出会いが通過していく、お互いの横目で
記憶を垣間見る 痕
口紅では 押し付けがましい
ネクタイでは 束縛し過ぎる
灰色の街を 太陽が落ち ....
夜と朝が交差する一瞬
藍色の空めがけて解かれる
淡い黄金(こがね)の帯
その真中を引き裂いて
真っ直ぐに飛んで行く
お前は名も無き一羽の鳥
霊妙なる森の奥深く
未だまどろみから醒め ....
垂れ下がるこうべ五十数個、
効きの悪い空調がため息と空咳を掻き回すのを不可動式の椅子に座って眺めた、
ノートと感度は真っ白け
夜光心理学概説b/後期金3
蛹谷 空二郎
隣のヨシザ ....
長距離ランナーの
100%の全力って
98%出し切る力と
2%の余力を
温存するってことかな。
人を信じることって
98%本気で信じて
2%は騙されてもいいと
覚 ....
テーブルクロスが
一瞬にして失せたけれど
食卓の上に置かれた
皿やグラスは
微動だにしなかったので
私たちは
それについて話すこともせず
もちろん
見つめ合うこともせず
そのまま
....
(善いものも悪いものも美しいものも醜いものも高いものも低いものも、平に成りますように、祈りを込めた反証)
8-octo Pulse
紙に記された文字を読み上げる
それは神示、
拍動を失 ....
猫の寝息は
眠りの根
夜もよろめく四つ脚お化け
可愛い蛙は冠おろし
月をまるめてまたあした
雨樋は 壊れているので
わたしたちは
きちんと運ばれることができません
愛してさえいれば
正しくなくても
許されると思っていた
傲慢でも
思っていた
ひとつも本当でなく ....
ダージリンティーに
浮かんでる小指の面影を
タンバリンを割るみたいに
掴んでおきたい
二階堂って名字が
妙にイカすから
ツーバスを踏むみたいに
連呼してやりたい
きびだんご作ってよと
....
冬
誰もが道行く姿に目をみはった
くすんだ家並の下町
それは何よりも奇異に映えた
女は山の手の私立病院に通う
病人ではない、看護師で
給料とボーナスを貯めて八年
恋人のひとりも作ら ....
おもい
おもい
だして
ゆび
くち
いと
くびに
ほねに
にしび
ささやく
ずっと
とおい
うみで
きえていった
みどり
さがして
さがしても
....
丸ごとの白菜は
野菜というよりは
赤子のような
生きている重量があって
大切な預かり物のように
抱きかかえれば
ここは冬の入り口
ひと皮むくごとに葉は
正しく小さくなる
まるで
....
ある夜 それはそれは窓の会話がひどくうるさい夜に
乱暴な風に乗り なにかが天井から落ちてきたようだった
パーンと心地の良い音を鳴らし 森丘の低い頂上にやってきた
あたりは靄がかかるように ....
泣きはらした顔を凍らせたいのに
きれいな星がぼくのそばに
どんどん墜落する夜で
つちぼこりが目に染みる
感受性を死守したいだけ
ぼくの左胸に生える樹も
切り口からどろどろと泣いてい ....
中指がスマートフォンの画面こすっても音なんかでない
たぶんそれが重星だったらチキチキって音がする
近づきすぎたらキチキチキチってのに取って変わるから
ラーメンがのびる前にそこの箸取ってよお願い
....
横殴りのことば
ひ び 割れた
音 階
吹きっさらしのあなたの庭で
浮浪者のよう
わたしは 火を焚いて 鍋をかけ
煮ても焼いても喰えやしない
虹色の肝 ....
箱の中に入っている人のこと
何も知らないのだがな
どんな仕事していた人か
どんな声で話す人か
葬式だから来いと言われてやってきたけれど
母の従兄弟と言われても
母はとっくに死んで ....
他人の詩ばかり読んでいると自分の詩が書けなくなるよ。
僕は優れた批評家には成れないのだから 。
すり抜けて通すのは 藍色の液体
なぜに アンタはいつもそうなの?
ソンナこと アノ人に聞いておくれ
いやいや 責めているのではないの
ヒトリ歩きは・・・
できないのよね?
....
人生に設定した目的に向け
一直線に生きていける人はあるまい
散歩先に目的地を設定しても
一直線に歩いて行くことはない
前方の橋
大型犬を連れた女性がこちらに来る
わたしは 当然の ....
様々なモノ達がきみを常に誘拐して行く
TVや学校であやしい人にはついていかないように
言い含められてはいるのだが
国家がすでに誘拐犯でもあるので気をつけよう
きしむ胸を金平糖で満たす
ゆき ふる まち
色がきえゆく、きえ ゆく、ゆく、ゆく、
ぼくの指がそれをなぞるまもなく
きえゆく、ゆく、ゆく、ゆく、
きえ。行ってしまう。
「いってしまう。」
....
【見えない力】
桜の葉が
秋の雨に打たれて
石畳や道は艶めいている
やがて すべての葉は落ちてしまうのだろう
しんやりとした風に心を寄せると
桜の匂いがした
たとえ花はなくとも桜 ....
うーん、と
背伸びをした
うなった、のも
少しだけあった
ふわふわしたものは
予想外に予想以上に転がっているから
わたしは口を大きくあけて
酸素がほしくて
どろ ....
どうか、私を弄んで下さい
その熱く燃える掌で
私の輪郭を全て辿って
白く滑らかな肌に頬を寄せて
息を吹き掛けて
どうぞ、私の中に入ってきて
わき腹を鷲づかみにして
何度も何度も私を翻して ....
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