すべてのおすすめ
今は動かない家電が動いていた頃、きみは子どもだった
今は子どもじゃないきみが子どもだった頃、きみは子どもだった
いらなくなったものは捨てたはずだけど
引き出しにとっておいたおもちゃは今でも必要な ....
150623
迷子の迷子のこねこちゃ~ん
一部屋で開催されているのに迷子になるなんて
でも、あの子にはスマホは早過ぎます
どんな使い方するか分かりませんからと
こねこ ....
『難破船』 あおい満月
(書きたいなら、食べなさい)
誰かの声に瞬きをすると硝子の壁の向こうに、
肉や魚や、
色とりどりに切り刻まれ、
煮込まれた野菜たち ....
始めたことを終わらすのはとても難しい
なにをしてなにを考え生きていけばいいのだろう
心は体に引っ張られ 体は心に引っ張られ
お互いをすり減らしながら伸張を繰り返し
伸張の隙間か ....
光は5感を解き放つ
闇は5感以外を育む
いつでも どこでも 受け止められる
いつだって どこでだって 受け入れられる
愛 風 色 音
感覚 欲望 感情 思考 ....
どうしてわたしと
出会ってしまったのだろう
わたしのこの気持ちは
どこへ向かっていく
貴方には彼女という
存在がいるのにも関わらず
抱いてはいけない気持ちを
抱いてしまった
....
きのう
電線の張替工事があって
声が途絶えた
それからというものの
すずめの親鳥が
トランスのあたりをちょろちょろしている
巣は
除去されていたよ
それから
ふだんはこの街にいないは ....
最後の日に神がのたまわり文字を走らせる
全ての血と肉や
まだ見ぬ命はあらゆる予言を生むだろう
すべては若者となり
すべては具現化し
すべては老いぼれとなり
やがてふやけた夢を見るだろう
....
はたしてこれは幸せなのか
休みの日には朝にどか食いをしておなかをこわし
追い打ちをかけるようにビールをあおり
家のことはそこそこに
気がつけば一日中NHKを見ている
いつもなら国会中継の日に ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ
鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
透明なインクの入った透明な万年筆で透明な紙に透明なうたを私は書きたい
想像上の鳥
想像した空を飛ぶ
想像した空に
想像した月
想像した太陽系は
想像した私の住む世界
五感に塩漬けされた記憶の味が
酸っぱくなってゆくようだ
母は既に亡くなり
カビの生えた世間知らずの正義と理想を
空は紐で繋いで晒し者にする
生温い風に扇がれて
都会のビルの間で尾鰭を振 ....
部屋に海が落ちていた
魚の姿は見えなかったが
遥か遠くを
タンカーが航行していた
朝のうちは
キッチンの方へと吹く
潮風にあたり
そのように過ごした
午後 ....
あたしの母親の両脇腹には
あずき色に腫れあがった
おびただしいインスリン注射の痕がある
あたしの母親は重度の糖尿病で
両眼は白内障で目が見えない
向かって右目は
塩焼きにしたあ ....
全ては存在しないのです
憎い顔 愛おしい顔
その相手のことを思うのでしょうか
でもほんとはそれらは影で
自分ができなかったことやらなかったことを
悔やんでいるということでしょう
形を憎んで ....
だれもきょう
ここにいなくても良いのだ
錆びたてんびん座
図形
意味なしのことば
切り分けられる空間
ここにいなくても良いのだ
うつむかなくてもいいし
生きていなくてもいい
....
殺されたモブキャラにも家族がいる
「死」というものは、笑えぬもの。
五年前の冬
八十九年の生涯を、閉じた
婆ちゃんについては、笑えるもの。
在りし日の婆ちゃんの
面影が今も座る食卓の席に
遺影を置き
孫の僕は冗談 ....
地下鉄は人工知能で操縦されていた。昔はひとが運転していたそうだ。信じられない話だ。
ぼくはマイケルジャクソンと田中将大に挟まれて座っていた。ふたりからか、ふたりのどちらからか、車両からか、虫の匂いが ....
かぎられた空間で
いびつな自分が
腕を伸ばそうとしている
何かを食べる。
咀嚼する。
ばりばり、
見えない何かは消えていく。
(求めてはいけないよ、自然にかえればいい。)
そう肩を撫でられても、
わたしは雑踏の海を
溺れながら ....
ルールを写真に撮る
それをまた写真に撮られる
西日本一の鮨屋で待ち合わせをする
そんなのだれの舌が決めたんだ
拍手にぼくは押し出される
馴れ馴れしいざわめきがぼくを包む
....
くろい満月が
手のひらに浮かんでいる
あたしの腕はあなだらけだ
あなのうえを歩いている
面接にいくまえに
立ち寄ったスターバックスの
本日の珈琲の黒いあなに
あたしはすいこ ....
蒸発しそこなった昨日の雨は
道路の上で
小さな鏡になり
今日を映している
赤犬がうわずみを飲むたびに
現れるさざ波は
やがて左岸に消える
わたしは
人生において しそこなったことの
....
「生きて 在る」 ということを想えば
やはり不完全だ
「生きて 在る」 ただそれだけでは
感じ 考え こうして思念で交信する以外
何もできることはない
私たちはどんな姿をしているのか
....
刃で
切った左手
痛みが、
手から背中
脳髄に達するまでの
みじかい時間
はじめて、
檸檬の酸っぱさを
知った。
左目がつぶれていく
顔が崩れそうになる味
....
あなたを焼く炎は
煙さえ立てることなく
空に消えて
後には
黒枠の中で
ほほえむあなただけが
残っている
空に
光りの砂
さざめき
大地に広がる
夏草の波
....
神社に行くのが好き
大木が神社を見守っている
力強さだけではなく
癒やしと安らぎをくれる
母なる存在
昔から大事にされている
抱きついてみた
惜しみなくパワーをくれる
惜し ....
雨音がすべての音を掻き消していた。
この町に人はまばらだが、誰もが何か特別なことが起きるのを待っていた。
不謹慎極まりない人々なのだ。
小さな町では誰もが監視されている。
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490