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雨が強くなり始めた頃傘も差さずに泣いていたのは
怯える事を忘れかけていた少女の遊び
似合わない化粧と行くあてもない二本の素足が生を感じている
泥がはね、ワンピースも下着も先程までカールをしていた ....
封筒の端をハサミの片方で割いて
中身を確認すると
手紙の束が入っていました
一枚一枚丁寧にさくさく切っていくと
文字の欠片だけが残りました
あとはノリと台紙があれば
なんだって盗めそうなく ....
重力を入れたポットが
加速しないように
減速しすぎないように
飛んでる
月は火星のように赤く溶け始めて
人のいない地球は緑色だった
空が消えて海が浮かび
サテライトの寿命が点滅す ....
ミニバンをドライブインに停めた
好きなものを食べなさいと言った
電話してくるからと席を離れ
子供たちを捨てて逃げた
ドアを閉めると大きな音がした
ハンドルを握る手が震えた
もっと離れた ....
私の
右のてのひら
左のてのひら
載っているのは
目に見えるものばかりではない
見えないけれども
無力でもないそれらは
良いものとは限らず
悪いものとも限らない
間違えて捨て
間違 ....
コウノトリが
光りを運んできてはじまる一日は
約束に満ちている
四丁目への福音
聞いてほしい
聴いているよ
ほほ笑みの爆ぜる音が
煤けた下町に響き渡る/わたしは
泣いているビル ....
ふつうってなんだろう
格差ってなんだろう
おかねってなんだろう
傷つけたらいけないよ
おどしたらいけないよ
どうでもいいことだよ
傷つけたらいけないよ
....
くたびれた我が身に
赤い旗がいくつも立つ
宣告は容赦なくて不要物に
なる日もとおくはない
息子達のために生きているつもりでも
やつらからはなんの音信もなくて
CSN&Y
ぼくたち ....
(この密室の中に)
(メモを残すから)
(いつか見付かってほしい)
(短い言葉しか書けないけど)
−・−・−・−・−
密室の中で
白骨化した遺体の書き残したメモ帳
そんな不吉な
メモを ....
目の開いたバラバラ死体を私はずっと捜していた
手はお喋りだと口がくちぐちに言うので
うるさい手を切り落として 口に食わせた
口は満足そうに 黙ってくれた
足は突っ立って進むことしか ....
きれいきれい
爪も髪も肌も
靴も上等 生地も最高
そんなまるまるちゃんを裏がえしたら
たぶん手に入れやすいブランドのタグついてる
小さなへびかと思ったら
いつかちぎれた
しましま模様の靴紐だった
だとしてももう
それをくぐらせるズックの穴がない
わたしにはもはや必要ないものだったので
さよならを言って
立ち去るくら ....
右、右、右、もうちょっと左、
あふれだす切実
あのひかり
かなしみ
ほこりやにおい
おんなが語り出す
床の間の水仙までが冷たく見えたお正月
馬鹿もいたろう ....
人間といったところで
革袋に詰め込まれ
骨に抱えられた
一本の管
一日一日隠し事が増えてゆく。
ゴッホはどうだ。
モーツァルトはどうだ。
あなたはどうだ。
言葉に気持ちを乗せてみると意外と楽になるね。
何を望んでいるのか私にはわからない ....
空が無い
靴紐を
勇気を振り絞って
結んだってこの町には
せいいっぱいに踵を上げて
みあげても、みあげても、
空が無い
空が無い!
150528
二者択一の条理を尽くす侍の目が光る
もうすぐ壊されるお堂の屋根を通して
月の光が見えた
寂しさも無常も感じなくなって数年間
獣に近い感覚と感性を懐に何 ....
おとなになれなかったこどもは
おとなロボットに乗った
大きくて頑丈 パワーがあって
こどもには持てない武器をたくさん搭載していた
こうしておとなロボットは戦場へ出て行った
いったい誰がおとな ....
梅雨が深まった頃
家の庭で蛍が飛び交う
毎年家族を楽しませてくれる
蛍を見られる場所が減っている
環境が悪くなっている
綺麗な環境に戻していきたい
綺麗な水に吸い寄せられて
....
何年も前の事だけど
「紀伊国屋なう」というメールを
貴方がくれた
その時は
電車に6時間も揺られなければ
紀伊国屋のあるその街へ行けない土地に
住んでいたから
「今その町に私がいれば、
....
東京は神保町にてプードルが買える柏水堂が閉店
したのを知った昨日は悲報から二カ月あまり経ち
立ちっぱなし待ったなしの洋梨あんまりなかった
なってイチゴロゴロめりーべりーくるしみますな
撮影は冷 ....
すずめたちがやって来て
シーツに吹きだまる夜を食べていく
身体があんまりかるいのに
心ばかり重たくてやりようがない
びしょびしょにつかれるまで身体をつかいあって
腕もあがらないで笑っ ....
ガンジスをゆくものはすべてガンジスの速度をつたってゆくのだ
ひかりはかげだしかげはひかりだあるはないだしないはあるだ
両手からあふれるガンジスに詩の本を読みながらつかっている
石のう ....
そうだったよね
くねっとすること
ぺとっとして もぞもぞして
変な感じがそのうち分からなくなる
それって変態じゃない?
とわたしが言うと
とてもすまなそうな顔をしながら
胸に ....
駅のホームで
卵が列車を待っている
やがて快速が到着すると
卵は意を決したかのように
勢いよく転がり
身投げをした
このことは明日の朝刊に
ダイヤの遅延情報とともに
小さく ....
夕暮れの秋に立って
冬の陽だまりを眺めている
そこの冬は
春に向かってとても急いでいる
私は檸檬を齧りながら
言葉にしたくない願いを持て余している
渋谷文化村ミュージアムをくだって
H&Mを左に見ながら
道玄坂下へ至るあたり
雑多な国籍の若者や
清掃するおじさんや僕のような納品車
いつものスリムな店長は
つけまばっちりのかわい ....
森の道を歩いていると
くるくると
糸を垂らした葉っぱが
目の前で少し風に揺られて
くるくると
じっと見つめていると
おもてうら少し色が違うから
綺麗にはためく
ぱたぱたと
わたしもお ....
肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている
夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
腹にダイナマイト巻いて寝ている
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