外野を抜けた白球を追って走る
走者が一掃して
試合が終了しても
ひたすら追いかける
悲しみも寂しさも
ただの退屈だった
人の形を失っていく
それでも最後の一ミリまで走る
(午前7: ....
神楽坂から平井まで
定期を買って通勤してた

神楽坂下、艶やかな夜
お先に失礼して
飯田橋から黄色い電車で
平井まで、カタンコトン

恋人と暮らす川の町で
アサガオの紫を見ました
 ....
音楽の途中でぼくは飽きてしまう
本当は好きじゃないんだと思う
無理してるんだ、きっとそう
だってまた別のこと考えてる

ゆるやかにリムーブしていく
ああ、ああ
こんなはずじゃなかった ....
 人と人との意思疎通

 向かい会って言葉を交わしていた時代から

 離れていれば郵便手紙

 電話にて感情を推し量りながら

 時が流れて電子メールとなり

 ラインへと簡素 ....
初夏の太陽光線をいっぱいに浴びて
鮮やかに咲けよ
ミモザよ
遠く去ったあの人に
薫りよ届け
あつく胸を焦がして
触れた指先が未だにあつい
君を悩ませる
哀しみよ、去れ
君の胸に
喜 ....
水面を何度も跳ねる小石のように
弾けて走って抱きついて頬を合わせて
近づいてまた離れていく潮のように
傍にいてでもそのままひとり自由でいて
嵐の中でうねる波が静けさを取り戻すように
圧倒的に ....
鮮やかな轍を残しつつ
決して姿を現さぬもの
いつかの時を夢見ては
永遠にさらに逃れゆく

底に沈んだ泥団を
清められた手で掬い上げ
透過する心の底
遥か彼方の源頭に
耳鳴り繁く接続す ....
哀しみあるいは悲しみを
膝の上に乗せて
よく眠ってくれるから
ひと時煙をくゆらせるように

ギザギザした鍵を
胸に刺したり抜いたりして
酒と音楽でにじんだ幻を孵したい
ああこの夕暮れが ....
海と空の写真を逆さにすると
水の惑星が現れるのに

海が 水に変わるこの瞬間は
たったひとつのフィルムにしか収めることができない

随分むかし
ひとつでじゅうぶんだから、と
父と母がも ....
木々は枯れて葉は落ちて
遠く鳥の群れが過るとき
裸木の梢に三日月が
白銀の色を散らしながら
ぽっかりうっとり浮かんでいる

)あゝやっぱり今日もまた
)永劫宇宙の営みが
)ここそこかし ....
きみがわらう
わらうことを好きになれる

きみがなく
なくことを見つけたとおもう

きみがおこる
それはまるで宝石みたいだ

これから先
どんな気持ちが飛び込んで来るのだい?

 ....
けっきょく
思いようによってみえる雲

雲からすれば
流れようによって思われて
かなしみの
青が降る
透明、
ただ透明に
なっていく
己の体
幾億もの幾兆もの者達が通った道
途、未知、溢れ
枯れ果て、移行する
光の奥の
ふるふる震え揺れ
時の間隙縫い
開く ....
生きてることが
かっこ悪いとき
そのことこそが
生きる糧

ある種のかっこ悪さは
逆説的に
かっこいい

生きてることに
実感ないとき
ふと訪れる
現実感の不思議さ
 ....
ひまわりに虫がとまっている
指で触れると
驚いた様に飛んで行ってしまった
どうしてひまわりには羽がないのだろう
羽があれば私の肩にとまったり
驚いた様に飛んだりできるのに
ただ土の ....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか

青、蒼、碧

陽光余りに眩しいこの真昼

俺の ....
{引用=銀杏一葉}
フロントガラスのワイパーの圏外
張り付いた銀杏一葉
冬の薄幸な日差しに葉脈を透かして

用途を終えて捨てられた
ひとひらの末端 美しい標本
飛び立つことはないはずなの ....
 緑の映える公園に人は少なく、秋の入り口に私は立っている。
 涼しい風があなたを通り過ぎる。
 小さな肩が私に寄り掛かる。
 あと何度こういう時が訪れるだろう。
 冷たい現実を前にして ....
あなたのタイムラインが
わたしとは違うと忘れ
選ぶ傘の色
吸い込む煙
小雨の冷たさ
日向、すぐ傍の日陰を見ないで
一緒に音楽を聴いても

吐く息の白、見上げる闇に薄ら
同じになれない ....
見上げる時
既に喪っていると知った光を見つめて
立ち上がり歩いて行ける

いつもいくつもの
波長を受け止めて生きてる
科学的に生物学的におかしくても
星の子

満天にあるのを知ってか ....
稲妻は夫であり稲を探して地に落ちる
結実する為の交配であると
古代のあのひとは言った
必要不可欠と考え
受け入れてきたのかも知れず
あのひとらに私たちの生活があれば
どのように立て直そう
 ....
夏は哀しい季節
全生命が伸びようとする
それ故に
哀しいのです
言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
何かが何かが ウマレテイル

  〇

夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
兄と弟、汗流し
その頃青大将たちは
群れ ....
この夜に目醒め
この夜底に触れる
私にはもはや
親兄弟家族親族はなく
現世的無縁仏だ
円やかな現世孤児だ

そこでは
 私という存在が剥き出しで
そこでは
 私が真っ裸のすっぽんぽ ....
朽ちた葉を踏むと
乾いた音がする

傍らに歩くむすこが
聞いて、と
教えてくれる

朽ちた葉を踏むと
風の音がする

今まで気にしなかっただけの
あまりに満ちあふれた
音がする ....
淋しい金魚は
ひらひら、きれい
冷たい水の
いちばん冷たいところを
その身に負った
見事な絵の具で
ぬくめて渡る

淋しい金魚は
なんにも言わない
わたしにわかる言葉など
ひとつ ....
祈りの数と同じだけ
祈らずじまいの人もあろう
頑なに
従順に
知らぬ間に
祈らずじまいの人もあろう

ねえ、言葉が在るのは幸せなことかな
その掌に
この掌に
言葉が在るのは豊か ....
 音のない部屋の窓からしっとり濡れた庭が見える。
 泣き濡れた空に向かって紫陽花が優しく微笑む。
 ゆっくりと窓を開けると夏の匂いがした。
 季節が移り変わろうとしている。

 やがて誰 ....
 

今夜は魚の塩焼
ちょうど良く焼き上がって
美味そうだ
食べようと箸を近づけたそのとき
そんなはずあるまい
魚と目が合った
どうかしたのと向かいの母が尋ねるので
なんでもないよと ....
冷気が肌刺す深夜だな
まだこんなに冷えるのだな

窓の外では月と火星が
煌々とランデブーし
窓の内では初老の男が
悶々と起きている

この不思議な惑星に生まれて
この不思議な惑星に居 ....
朝焼彩茜色さんのおすすめリスト(5183)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つぶやかない(四)- たもつ自由詩1321-5-23
神楽坂から平井まで- うめバア自由詩621-5-23
音楽の途中でぼくは飽きてしまう- ゆうと自由詩321-5-20
テレパシー- 佐白光自由詩3*21-5-19
鮮やかに- 渡辺亘自由詩121-5-18
春の海に小石を投げる- かんな自由詩321-4-20
思考体- ひだかた ...自由詩621-4-11
この夕暮れが- ただのみ ...自由詩5*21-4-7
現像- ぽりせつ自由詩421-4-5
裸木と三日月- ひだかた ...自由詩5+20-12-18
きみがわらうと- 道草次郎自由詩5*20-12-18
二本の線- 道草次郎自由詩2*20-12-18
ハレル- ひだかた ...自由詩920-12-2
生きてること- シホ.N自由詩220-12-2
ひまわり- たもつ自由詩420-12-1
魂の深淵- ひだかた ...自由詩1020-11-29
空論のカップに口を付ける冬の横顔- ただのみ ...自由詩5*20-11-29
秋風- メープル ...自由詩4*20-9-23
ひとり- よしおか ...自由詩320-9-9
星の子- よしおか ...自由詩120-9-9
古代のあのひと- よしおか ...自由詩220-9-9
哀しい- 渡辺亘自由詩220-9-6
森宇宙(改訂)- ひだかた ...自由詩420-9-5
宇宙の風道- ひだかた ...自由詩620-8-21
風のおと- 千波 一 ...自由詩620-8-17
淋しい金魚- 千波 一 ...自由詩420-8-16
歴史- 千波 一 ...自由詩420-8-15
音のない部屋- メープル ...自由詩5*20-6-12
命日- 自由詩13*20-5-23
月と火星と初老の男と(改訂)- ひだかた ...自由詩520-5-15

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