ただ、何もしたくないだけなのに
なんて難しいんだろうと思います
嘘をつきたくないだけなのに
本音かわからないギリギリを主張してしまいます
明日は明日の風が吹くのに
明日の ....
できるだけ神の御意志に添えるよう感覚を研ぎ澄まして
できるだけ私利私欲や雑念を払って
それを探っている
そして、これだと思うものを
打ち込んでい ....
悪に限りはない
善には限りがある
だからどうした
他人の命を犠牲にしても
自分の命は守らなければならない
だから何だよ
他人の痛いのは平気
一年でも二年でもぜんぜん平気
....
黄身の大きさが違う目玉焼き
食べれば同じ味がするのだから
きっと左右のバランスが違う
この眼にだって夢は見えるだろう
頭は嘘を付かないプロペラを
心で回して不安定になる
前髪で ....
純いろの砂浜で
ともだちいたんだね
夢遊病者のあしどりで
忘れものを取りにいく
ガソリンをまく
火を放つ
ほうむる
自分をやり直す
純いろの砂浜 ....
のびた爪を夜に切ってくれた
妻である人が切ってくれた
爪が指の先でのびる
切らずにおいたらどこまでのびるかなんて
普段は思わないけれど
思ってしまった
のびた爪であたしの体を触られ ....
雲が楽譜の白みせる
空に水いろたちのぼる
不思議の国のアリスたち
ゆく年くる年踊ってる
その悲しみに冬光る
日ノ出を祈りに愛しいあのこ
夕暮れのダンスが来るまえ ....
風の招きに集められ
ひとつの夜に出逢う僕等は
互いの盃を交わす
この胸から
静かに踊り出す…心音の行方に
物語の幕はゆっくり上がる
誰にも知られぬ遠い夜よ
{ルビ蹲=う ....
私の中に
永い間眠っている
マグマ
涼しい顔してほんとうは
体内を巡る真紅の血が
いつも渦巻いている
そろそろ目を開く季節だ
あの空、葉脈、
一本の水平線を
( ....
夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに ....
たまや
ほんとうはそこにいたかった
冬花火
どこかでだれかが虐待される
たいせつにしてくれなかった
くもりぞらのゆうがた葦の原
たまや
ほんとうはそこ ....
太陽が硝子を撃つ
それはいつ頃からだろう
じぶんがいなければ
壊れてしまうようなひとが好きだ
光が刺さる砂浜で泣いた
たいせつにされたかったひとに
たいせつにさ ....
室戸岬の
先端に
向かって手を
ふってみた
室戸岬の
先端からは
ぜったい
見えやしない
この
ちっぽけな
沖堤防から
恥ずかしいから
声は出せないが
こころの
こころの
....
直七が
転がっている
道をぬける
ぽっかりと
あいた
筍の跡地は
そのままになっている
五月からずっと
ちらほらと
落ちた
つつじの花弁は
じっとりと
しみている
ぽつん
....
遠巻きにして人だかりができていた
始発電車まではまだ時間がある
上野駅の構内でそれを待っている人たちは皆一様に張りつめた冬の寒気に震えているに違いなかった
まだ入れない改札口周辺の通路になぜ ....
全てを失くしたような顔をして
覗けるショーウィンドウなど
ここにはないよ
きっと汚れてるファンデが落ちて
心の毛穴に詰まらせながら
どうしようもなく哀しい涙は
手の甲で弾くピアノ線 ....
体臭と口臭
そして
お互いの獣臭さを嗅ぎあう夜は
同じベッドの上で汗垂れながし
軋みあった
小柄で背は低い
美人でも可愛くもなかった
髪の毛は短くて化粧が無理矢理だった
スカートを ....
憧れが溢れて来るこの夜、
空間は全くの無音で
誰かの透明な吐息
遠くわたしが聴いている
年末年始の休みは若い二人にとって
一緒にいるだけで十分だった
ただ大晦日の大掃除の時は派手な喧嘩もしたが
弾ける二人に年越し蕎麦なんて関係もなく
ましてはおせち料理なんて気にもしな ....
消えない泡が
夜の空を見つめ
やがて
もうひとつの夜になる
曇を見るたび痛む目に
雨は常に降りつづき
左側が
見えなくなってゆく
縦の紙を手に取る
....
純白の気
立ち上がる
動いていく底から
純白の声 木霊する
風は木の葉を散らし
人は言の葉散らし
瑠璃色の地球は
冴え冴えと
自我の意識の奥に座す
(光ひかり、光の輪)
人は ....
割れた幾何学が
積み上がっていく夕
雨のような寂しさを身にまとうひと
抽斗は
開けられることはないのだろう
無機の
果実
歯欠けの道化師は
朝 マンドリンを焼く
駅前公園で
どんなゴミ袋にだって
夢を詰めれば
膨らむプレゼント
受け止めながら
生きていきたいから
名前を書くのさ
大きく正しく
恥ずかしくても
笑われてもまだ
諦めきれずに
空気を ....
季節はたそがれ、満ちてゆく。
幸福と不幸の狭間に立って漏らすため息。
願い事を信じる力はあるか。
心は風に舞い、静かに溶けてゆく。
古時計のぜんまいを巻いてみるが、過去に戻る ....
とっくに
日が暮れてしまった
今、正に
俺はこの白い部屋で孤独を貪る
完璧な自由
ハ
完全な孤独
冷える今宵に
エアコン壊れ
ますます真っ白に
ナッテイク
行き場なし
....
白い上空から
手紙が来る
ここに届く頃には
破れたまま
何て書いてあるのか
解らない
砂時計に入れた
紙切れが舞う
逆さまにして
空へ送り返し
もう一度だけ
僕に宛てて欲しい ....
ゴリゴリゴリって描くんだよ
なるべく新鮮な方がいい
血の滲むくらいがいい
ラバーの指サックはめて
己の魂を伝えろ
ゴリゴリゴリって
頬をきざめ
額を
鼻のハイライトを
....
白い紙が浮き上がる
この静かな夜
孤独になり
孤独に孤独を塗り重ね
真っ白になる
真っ白になり
巨大な破壊音
脳髄に響き渡り
次々襲う音の洪水、
噴き出す粘性の音柱、
絶えず絶え間 ....
今 この瞬間、私の
魂の模型を造るとするなら
あの烏瓜とほぼ相似かもしれない
止んだ歌が まだ聞こえているうちに
あの人の髪の毛に指をいれたい
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