音楽の途中でぼくは飽きてしまう
ゆうと


音楽の途中でぼくは飽きてしまう
本当は好きじゃないんだと思う
無理してるんだ、きっとそう
だってまた別のこと考えてる

ゆるやかにリムーブしていく
ああ、ああ
こんなはずじゃなかったのに
大切なものなんて
すり抜けてしまう
最初からぼくのじゃなかった
知っていたけれど

寂しかったぼくを
可愛がってくれたのは
きみだったから
忘れられないよ
時々疼くと
喉の奥が苦くなる

やっぱり好きだと言いたくなるのは
わがままなのかもしれない
美化していくのは過去だからかな
プラスチックのダイヤモンドでも
大切にしてみたくなる
そんなふうに
ただの憧れだとしても

やっぱり好きって思うのは
本当のことだけど
ぼくはひねくれているのだと思う

音楽の途中でぼくは飽きてしまう
醒めても夢の中にいたい
それは叶わないことだとしても
ぼくは夢みてしまうんだ




自由詩 音楽の途中でぼくは飽きてしまう Copyright ゆうと 2021-05-20 13:06:23
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