上着から落ちた雪のかけら
ストーブの上すぐに 色を失くし
ふるえ悶えて消えて往く
あっという間
案外 ねばりもしたろうか
無になった訳じゃない
見えない つかめない 形がないだけで
身軽 ....
身は灰となっても
言葉は残る

世の中の信用は
言葉で成り立つ

言葉がなかったら
人間も木石とおんなじだ

言葉は
神が人間に与えた
最高の贈り物だ!

「大切に使わせてい ....
きみは春の日差しみたいにあたたかい。
きみは夏の空のように澄み渡っている。
きみは秋の夜風みたいに優しい。
きみは冬の雪原のように美しい。

どの季節にもきみの匂いがする。
きみを想えば、 ....
香辛料で必要以上に

欲を満たす食べ方より

薬になるような

からだにいい食べ物を

シンプルに調理して食べる

それがいちばんの食べ方なのだそうだ


夜空いちめん星の絵 ....
 僕は僕の書斎でもうしばらく忘れ去られていた小箱を眺めている。
 小箱の蓋には何かで削られたような痕が残っていた。
 その時、ふっと風が吹いた。 
 壁に架かる絵画の中で少女がブランコに乗っ ....
別に天国の歌声に耳を奪われている訳じゃない
地獄の底から湧き上る苦悶の呻きに眠れない訳でも

聞いているのはこの世界 尽きることのないお喋りと
拮抗しながら 解かれて往く 形あるものの軋み
 ....
腰まで雪に埋まり
全身で空を指す暗緑色の矢印
風に翻弄されないしなやかな直立

透明を深める濃い青の奥から現れる
最初の星屑に
放射冷却を告知する
 
耐えているのではないが
嗤 ....
君と僕が

同じセーターを持っているのを

君も僕も

知っていて

僕が着た次の日に

君が着てくる

君と僕が

同じセーターを持っているのを

君も僕も

知 ....
ひとりで生まれ落ち

みんなと生きて

ひとりで死んでいく

孤独でも自由でもない

楽しくて悲しいだけだ


素朴な色彩の楽しみ

飛翔して行く悲しみ

悠久も刹那も
 ....
目覚めの薬

始めたくない一日
ベッドの脇のギター

黙らせた目覚まし時計から
バトンタッチされたテレキャスター
僕にやる気を出させようと
甘い声で囁きかける

僕は布団の中から手 ....
キリストが人を救おうとしている

キリストは世界記録のためにではなく

世界をもっと便利にするためにではなく

世界一の企業をつくるためにではなく

人を救うために死のうとしている
 ....
希望よ どこへ往く
おまえが描いた絵空事
道端に落書きされた
こどものチョーク絵さながらの
夢と理想の地図を
おまえの弟 失望が
炎の姿で追いかける
めらめら尻を炙られて
煙も目に染み ....
澄み切った空 静かに
月の横顔の
化粧を落とした白さだけ
深々と冷気は立ち込めて

木々と木々の間を渡る
鶫や連雀の羽音は
はたはたと 重ねられ
地にふれず かき消され

今朝わた ....
その夜空に
つよく金色に光らせた
するどい星で
屠るように
線を引いてしまった
星は消えそうして夜は終わり――


(やがて陽は昇った)


ぼくは
ぼくの目は
ぼくの頬は
 ....
天狗の一人がやってきて
おまえの家の姿見を貸せと言ってくる
家に姿見など持ってはいないので
そんなものはないよ、と告げると
天狗は怪訝な顔をしている
家に姿見がないなんて嘘だろう
おれが天 ....
 月明かりに照らされた夜の花は青く霞んでいた。
 虚無を抱えた若者の奏でるピアノは枯れている。
 長い歴史の中で誰かが落としていった休符は
 どこかの枯山水に配置された石のように儚い。

  ....
 映える緑の並木道をゆくと教会がある。
 尖塔が銀色に輝き、裏手を流れる川のせせらぎが聞こえる。
 数知れぬ魂の鼓動は木の十字架の前で私を探している。
 まるで異国の者を探るような眼差しで。 ....
 朝焼けが目に染みる。
 夜の魔法がゆっくりと溶けてゆく中、
 寝ぼけた国道がやけに青白い。
 心にゆとりがあるようだ。

 夜と朝の境目の時間。
 僕は一人車を走らせる。
 バイク ....
穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆ ....
 頭の内側から小さな手が生えて
 目の玉を内側からひっくり返す。
 黒目が僕の脳内を観察している。
 まだ手遅れではない。

 頭の一部分を小さな手が刺激する。
 耳の奥からがさごそ音 ....
 届いた風の便りに耳を傾けると冬の音色がした。
 煤けた樅の木に電飾が灯った。
 静かなメロディーが部屋中に染み渡った。
 心の状態に合わせて蝋燭が揺れていた。

 窓の外は雪だった。
 ....
すべてのジャンクの山のなかからあなたを掘り起こす
随分と埃はかぶっているがすぐにでも使えそうなんだ

すべての汚れたもののなかから抽出された血液だけが
あなたを再生させるものなのかもしれないの ....
心の熱量の限界を超え
心の熱量の限界を超えて

願わくば叙情という言葉がその呪縛を解いて
大空に飛翔せんことを

大空を貫くのは青
ただ青のみ

青はどこまで
どこまで行くのだろう ....
太陽の繭玉を紡ぐ朝

 風景も 音楽も
 ひとつ心に溶けて
 対流する
 かたちのないものたちは
 かたちのなかでふるえ
 ただ惹かれていた
 扉の向こう
 音と意の翅を得ることに
 ....
ものごとすべて悲劇として捉える
あるいは 喜劇として
どちらも悪癖のようなもの

だけど他人の痛くもない下っ腹を刺して
オタマジャクシをいっせいに泳がせたり
頭の中へ一石投じ忘れたものを波 ....
公園の小山
こどもたちがスキーの練習をする
抉り裂かれても純白の
やわらかくつめたい乳房は
午後には固いデコボコに変わり果て
――されど まだ十二月
なんどだって楽しめるさ
雪のお化粧  ....
 黒い指先でノートに描く空想は踊る。
 悲しみのインク、苦しさのインクはすぐに消えた。
 快楽のインク、喜びのインクだけがノートに刻まれる。
 夜は静かに更けてゆく。

 ノートに綴った ....
 異教の里で出会ったのは魂の遍歴だった。
 彼や彼女が生まれ、死に、そして生まれた。
 前世の記憶が正しければ、私はハーブ売りで彼女はほんの少女だった。
 そして二人でいびつな小窓から覗いた ....
 ため息交じりの朝、風はそよぎ、鳥は歌う。
 ベランダに用意されたささやかな食事。
 葉を落とした木々が静かな影を落としている。
 すべてが謙虚な幸せに包まれている。

 注がれた珈琲に ....
この風は そう
わき目も振らず往くようで

散って掠める綿雪は
頬から熱を吸い
涙のようなそぶりして

――おれのせいじゃないさ
娘の傍らすり抜ける
往き着く果てもなくただ先へ

 ....
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