あなたがふと

時計を見るようなとき

それがたまたま

僕の誕生日を表示していたら


死ぬことと

永遠を結びつけるとは

こんな感じじゃないだろうか


あなたが ....
家族と囲む食卓で
時計に追われる仕事場で
歓声のあがる居酒屋で
必死になって
ひとりを感じる短い時間を
探している
男が居ます

誰にも云えない
真実は
ひとりが  ....
僕が死ぬ時
あなたはそこにいて
僕の目を見つめて下さい
僕は死ぬのです
少しくらい我儘言ったっていいだろう?
・・・できれば、僕の膝枕をして下さい
そして僕の目を見つめてこう言う
「あな ....
君には見えないのかい?
未来の光り輝く君の姿が。
わたしには見えている。
君は満面の笑みでこちらに手を振っているんだ。

絶望に打ちひしがれたとき、
誰でも泣きたくなるよね。
 ....
君は右手の人差し指を空に挿し
微笑みながら僕を睨む
一行の眼差し

二行目の僕は
圧倒されて黙り込んでしまった

覚えてないの
私のこと
怒りの女神は叫ぶ
私の名を思い出しなさ ....
風の無い穏やかな夜

仕舞い忘れた鯉のぼりが
だらしなく天を仰いでいる

それでいて
雲はせわしなく月を見え隠れさせて

不安定な上空には入道雲

たしかに今日から夏ですが
少し ....
痛みを感じた左腕が

必死に
「生きたい、生きたい」と
赤い滴を流した

僕はそれを見て
「生きていること」を感じた

僕の左腕の生きた証を見る人の目は冷たく
僕はまた生き ....
緑は雲か大空か

緑に光る山を見つめていると

そんな言葉がぼくに浮かんだ

緑は雲か大空か


雲ひとつない

きみは天気を

探しているの


緑は雲か大空か

緑に光る山を見つめていると

そん ....
雨はやわらかい線をともなって
ねむりを誘い
さそり座のアンタレスが輝くころには
夏らしい秋がおとずれている

今はししが野にかえり
地の上を歩く季節
かえるは家を守ることなく
足の吸盤 ....
人生は旅だという

人生は忍耐だという

人生を楽しむという

人生を苦しみという

人生にはいろいろあるよという

人生には意味なんてないという

ただひとついえることは
 ....
 
 
たくさんの羊たちを乗せて
母が猛スピードで
寝台列車を運転している

眠れない父のところに
早く羊を届けなければならなかった
車線変更を繰り返し
いくつもの列車を追い越して行 ....
羽がちぎれ
午後が見える
桃と乳の
濁りの音


近くにさわれぬ指の遠さ
水の層をつらぬく羽
大きな景から先に飛び去る
跡を跡に響かせたまま


午後の底の ....
久しぶりに触る鍵盤
升目のような 音の間に
重たい身を沈めよう

きっと
誰にでも
この譜面のように運命が
用意されているのだし、

それを辿って 生きれば
キモチ ....
耳って鍵穴で
君がするりと入ってくる
なんにも言わずに
直に心にふれるから
こわくて
うれしくて
きっとだから泣くの

声って光りみたいな
音ってつかめない鎖
離れたら
もう思い ....
あとは
お任せいたします、

上手にもたれて
サボりましょ



問うも問わぬも自由なら
いずれも選ばぬ
すべもある



お口の悪いひとがいて
腰の重たいひとが ....
母へ

あなたに何がわかるんですか

強いあなたには必要のない行為かもしれない

言い返せるあなたには必要のない行為かもしれない

私は
あなたに感謝していないからこういうこ ....
彼らは死に慣れてしまった。だが
校庭で炊いた焚火に身体を当て、燃え上がる
湿った潮風が鼻を擽る中で心が揺れた時、死そのものが、
何故生きているのか問い掛けてくる。彼らは死に祈りを捧げた、

 ....
川の向こうに石を投げ
それが水面に反響するのを静かに見つめている
川の向こうには小学生くらいのちっちゃな女の子がいて
手を振ってやはりこちらを見ている
僕はその子まで届かせようと石を投げ続ける ....
他者の背中を見るように
自分の背中を見ることはできない

他者の背中を見送るように
自分の背中も見送られ

雨あがり
洗濯したばかりの
地球の匂いに包まれる午後

無風、時々背中
 ....
与えて 与えて
心の一部を 差し出す
与えて 与えて
失いながら それ以上に得る

与えた分だけ
別れは深まる
失望に沈む
それでもまた 与え続けて

そういう生き方
雨を呼ぶ雲が
もうすぐそこに来ている

{引用=(信じられるかい?
あの雲の上はいつだって晴れてるんだぜ)}

360°の道しるべ

林檎の木はもうなくなっていて

代わりにそこに ....
憎しみが
孤独の中で 渦巻く
寄り道を 忘れた
乳白色の世界を
陽も落ちかけた 誰もいなくなった公園の
ユラユラ揺れるブランコと
置いてけぼりの砂の城


鬼さんこちら 手のなる方へ
鬼さんこちら 手のなる方へ


ひとりぼっちの影ふみ遊び
追 ....
雨の日って好きなのよね
だって何もしなくったって許してもらえるじゃない
こんなに眠くて仕方がないのだって
こんなに憂鬱でたまらないのだって
みんなみんな この雨のせいに出来るじゃない


 ....
空の頬が膨らんだ
精一杯の口笛が耳をくぐる
寂しさを覆うと
僕は孤独になる

海のおでこは臭い
優しく撫でてみると指先につく
匂いの向こうを見つめると
僕は孤独だった

愛 ....
広場はがらんどう

青には飛行船

銅像のしたにしか

影なんかない

人は幸福から自由


あのひとを探しているんだ

たぶんどっからか

おまけみたいに顔出すんだ


広場はがらんどう

青には飛 ....
影のなかでは

ビールと笑い顔

光のなかでは

自転車と渋い顔

切り取られた

ルール通りの愛


目的地だけが人生だ

そんなふりをして

なにを逡巡している


影のなかでは

ビールと笑い顔 ....
空の中に空を見る
木の中に木を見る
花の中に花を見る

一足一足歩みゆく土の上
私の体内に
風が吹き抜け
喜びが生じる

坂を登る辛さにも楽しみがあり
岩を下る怖さ ....
頭上を飛び回る一匹の蝿

よく目を凝らすと、その蝿は
小さな俺みたいな姿をしていた

小さな俺みたいな蝿は
耳元に近付くと
自分こそは天球の陥没により
俺という球体の内部に産み落と ....
木よ

おまえは忍耐の結晶だ

じっと季節に身を任せていて

こんな異国に

新緑を散りばめていて


だれもいないだれもいない

こんな愛にありがとうだなんて

もっと ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
死ぬことと永遠- 吉岡ペペ ...自由詩112-5-6
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破天- в+в自由詩112-5-2
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